公開日: 2019.12.17 暮らし

「乗る」ことはあっても「買う」ことのない乗り物。一体いくらなの?

執筆者 : 上野慎一

2019年10月12日に日本に上陸した台風19号。関東・甲信・東北地方などに記録的な大雨をもたらし、各地で甚大な被害が発生しました。
 
河川の氾濫などによる水害も深刻で、長野市の車両センターに待機していた北陸新幹線は10編成・120車両が浸水し、結局、廃車することが決定しています。その損失額は合計148億円と新聞報道されていましたが、「乗る」ことはあっても「買う」ことのない乗り物の価格って、あまりピンとこないのが実感です。
 
 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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上野慎一

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執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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新幹線の車両価格って一体いくら?

北陸新幹線車両廃車のケースで、損失額を車両数で単純に割り算すると1両あたり1億2330万円あまり。もちろん、普通車両、運転席のある車両、そしてグランクラスやグリーンの車両でもそれぞれ違ってくるでしょうが、おおまかな平均値として、1両の価格はこんな水準なのでしょうか。
 
北陸新幹線は、JR東日本とJR西日本が共同運行しています。車両の浸水被害の会社別内訳は、【JR東日本:8編成・96車両・約118億円、JR西日本:2編成・24車両・約30億円】でした。
 
車両の新造価格として参考になるのがJR西日本の有価証券報告書(※1)です。「第28期:平成26年4月1日~平成27年3月31日」の143ページには、「車両新造工事(W7系 120両)32,811百万円」の記載が見られます。
 
「W7系」(JR東日本では「E7系」といいます)は北陸新幹線用車両ですが、JR西日本での新造価格は単純平均で1両あたり約2億7340万円あまりという計算になります。ちなみに、北陸新幹線のW7(E7)系の1編成(12両)乗車定員は934名なので、定員1名あたり約350万円です。
 
各編成(各車両)は、段階的に新造して投入していると思われます。新造価格からこれまでの減価償却額等を控除して、前述の被害額を見込んでいるのでしょう。
 
一方、定員5名のものが多い自家用車。価格はざっと100~300万円台が中心でしょうか。仮に250万円として定員1名あたり50万円。比較する意味合いはともかく、新幹線車両の単価との違いはかなり大きいといえます。
 

航空機の価格は?

陸の高速移動手段に続いて、空ではどうでしょうか。ボーイング社のホームページ(※2)では、同社の取扱い機種の現在の平均的な価格が表示されています。例えば、比較的新型機種の「787-9」が292.5百万米ドルで、1ドル=108円と想定して約316億円。
 
同社日本語ホームページ(※3)記載の定員290席で割り算すると、定員1名あたり1億890万円あまり。全日本空輸(ANA)の国内線の座席数395(※4)で計算しても約8000万円です。新幹線に比べてもケタ違いの数字ですね。
 

身近な路線バスの価格は?

それでは、もっと身近な路線バスではどうでしょうか。今年6月に改良して発売されたいすゞ自動車の大型バスの、東京地区希望小売価格が消費税抜で2507万円あまりです(※5)。
 
路線バスの定員の多くの部分は「立席」。シートレイアウトにもよりますが、仮に[乗客定員=座席27名+立席51名]とすると、座席定員1名あたり約93万円、総定員1名あたり約32万円。消費税が入るとそれぞれ1割高い計算となります。
 

まとめ

自分で「買う」機会がありそうな乗り物、例えば自転車、オートバイ、自家用車などの価格の相場感は、なんとなくでも身についているもの。
 
一方で、「乗る」ことはあっても「買う」ことのない乗り物の価格は、実際の生活で触れる機会もありませんし、そもそも、総額も数千万円や億円以上とケタ違いでピンとこないのが実情でしょう。
 
しかしながら、そうした乗り物の価格は、燃料費・人件費・その他の設備費・諸経費などと並んで、運賃を決める大きな要素のひとつとなっています。乗り物に乗るときにそんな視点をもってみると、「買う」ことのないものでもその価格にちょっぴり関心が向くかもしれませんね。
 
出典:(※1)JR西日本「有価証券報告書」
   (※2)ボーイング社「Major Production Facilities」
   (※3)ボーイング社「787型機の概要」
   (※4)ANA(全日本空輸)「機種・シートマップ」~「ボーイング787-9」
   (※5)公益財団法人自動車技術会「ニュース」~「大型路線バス「エルガ」および中型路線バス「エルガミオ」を改良し発売【いすゞ自動車】」
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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