更新日: 2019.06.28 その他暮らし

金券ショップなどで1枚から買える新幹線や特急の「回数券」。せいぜい数百円程度しかおトクにならないでしょうか

金券ショップなどで1枚から買える新幹線や特急の「回数券」。せいぜい数百円程度しかおトクにならないでしょうか
新幹線や特急には「回数券」が発売されていることが多くあります。
 
6枚くらいの“まとめ売り”の代わりに割引料金となっているものですが、金券ショップなどに行けば、バラ売りを1枚から買うことが可能です。
 
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

回数券の仕組みと実態とは

ところで新幹線などの「回数券」ですが、その基本的な利用条件は次の通りです。超ハイシーズンを除けば、通常のきっぷとほぼ同じように使えるものです。
 
◇発売期間  通年
◇利用期間  通年(ただし、4/27~5/6、8/10~8/19、12/28~1/6は不可)
 ◇有効期間  3ヶ月
 ◇発売単位  6枚(それ以下の単位の場合もあり)
※2019年、2月時点の情報です
 
一番ポピュラーと思われる【東京(都区内)~新大阪(市内)】で6枚8万2140円、1枚当たり1万3690円。特急指定席を含めた正規の通常期普通車料金(のぞみ)が1万4450円ですから、760円おトク(割引率約5%)です。
 
金券ショップなどで、もう少し安く販売されている場合もありますが、正規料金との差額はせいぜい数百円~千円台レベル止まり。
 
また、距離が長くなると正規料金からの割引額は増えますが、今度は飛行機の割引後料金の方が安くなるケースもあるようです。
 
そんな実態に加えて、現金を用意して金券ショップまで出向かなければならない手間や、座席指定の場合は駅まで行って、改めて列車や座席の指定を受ける手間がかかることなど、かなり面倒に思えるかもしれません。
 
その割には、正規の料金に比べて数百円程度しかおトクにならない。そんな思いから、金券ショップなどに見向きもせず、駅の窓口できっぷを買う方も少なくないでしょう。
 
こちらは正規料金ですが、きっぷ購入と同時に列車や座席も予約できて、しかもクレジットカードが使えてポイントも付くのですからね…。
 

新幹線や特急の回数券、高い割引率のものもあります

話は変わりますが、先日筆者が秋田方面を旅した時に、列車内や駅で普段見慣れない「おトクきっぷ」の広告を目にしました。
 
その名は「こまち4枚回数券」。秋田新幹線のおトクきっぷで、発売単位が4枚(そのほかの基本的利用条件は先ほどと同じ)です。
 
驚いたのは、その割引率でした。「秋田~東京(都区内)」で4枚5万7040円、1枚当たり1万4260円。特急指定席を含めた正規の通常期普通車料金が1万7800円ですから、3540円(割引率約20%)もおトクです。
 
これは回数券商品なので、秋田エリアだけではなく東京エリアでも買えるものでした。ちなみに都内の金券ショップで見てみると(時期・そのほかの要因によって変動はあると思いますが)1万4000円を切った販売例もありました。
 
この水準のおトク度合いであれば、多少の手間はあっても、利用してみる価値はあるのかもしれませんね。
 
そして、「こまち4枚回数券」と並んでおトク度合いが高いのが、新宿から甲府・上諏訪・松本方面へ行く、中央本線特急の回数券「あずさ回数券(6枚つづり)」です。
 
あずさ回数券ですが、「あずさ」「スーパーあずさ」「かいじ」のどれでも利用できます。
 
「新宿(都区内)~甲府」で1枚当たり2880円。特急指定席を含めた正規の通常期普通車料金が4130円ですから、差額1250円の割引率は何と約30%。「新宿(都区内)~松本」では1枚当たり4630円。特急指定席を含めた正規の通常期普通車料金6900円に対して2270円(割引率約33%)もおトクなのです。
 
(注)あずさ回数券(6枚つづり)は、中央線特急の全面新型車両化に伴う料金体系改正により、2019年3月15日をもって発売中止となります。
 

まとめ

新幹線や特急の回数券は、路線によっては(利用状況やほかの交通機関との競合状況などによって)大幅な割引率が設定されている場合がありました。
 
そのほかに、株主優待券(金券ショップなどでバラ売り購入できます)や、鉄道各社の各種ネット割引制度(割引率が高い場合もありますが、列車便や販売数が限定されるケースが多いようです)を利用できる場合がありますが、回数券のバラ売りを買うことは一番手軽な手段と思われます。
 
新幹線や特急の回数券を金券ショップなどでバラ買いするといっても、でかける手間や、現金で買わなければならない手間の割には、正規の料金に比べて数百円程度しかおトクにならない…。そんな思い込みはありませんでしたか?
 
金券ショップでは、新幹線や特急の回数券バラ売りを多数取り扱っていて、そのお店の多くでは、正規料金と販売価格の比較を区間ごとに一覧にして表示しています。
 
それを見ると、利用区間によっては、思いがけない割引率となっている場合があります。
 
ターミナル駅周辺であれば、金券ショップはそれ程ほど手間なく見つけることができます。一度のぞいて、利用予定区間のおトク度合いを確認してみる価値はあると思います。
 
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
 

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