更新日: 2020.07.04 その他暮らし
子育て世帯は家族で餃子を作ってた?4月の緊急事態宣言下での夕食メニューの変化とは
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、外食の比率は減ったと思われます。また、三食のほとんどを家で食べることが増えたのならば、調理食品や加工食品を利用する機会が増えたのではないでしょうか。
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント(所在地:東京都新宿区)では、 全国の18~69歳の女性を対象に、緊急事態宣言による外出自粛の影響がもたらす夕食メニューの変化について調査しました(※2)。夕食についてどんな変化があったのか、結果を見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
4月の夕食の外食率はわずか2.7%で、自宅での夕食率が前年比112%
2020年4月では夕食を「自宅で食べた」と回答した人が91.2%になりました。3月の調査では85.9%であったに対し、5.3%増加しています。昨年の4月の81.7%と比べると91.2%と、大幅に増えました。一方、「レストランなどで外食した」は3月の7.2%から2.7%まで一気に下がっています。
昨年4月の外食率(11.1%)と比べても、今年の4月は異常に外食率が低くなっています。緊急事態宣言発令により、自宅で夕食を食べる人がいかに増えて、逆に外食した人がいかに減ったかがわかりますね。
「白ご飯」「サラダ」「汁物」「餃子・シューマイ・春巻」などが増加
それでは夕食メニューにはどんなものが多く食べられていたのでしょうか。主食については、昨年と比較して「白ご飯」が3.7%増えました。
パンや麺類よりも、購入頻度が少なくて済む米を食べることが増えたのだと思われます。他には調理が簡単な「カレーライス」が0.9%増、「丼もの」が0.7%増となりました。汁物・副菜では「サラダ」が3.5%増、「みそ汁・豚汁・汁物・吸い物」が2.4%増と、さっとできて野菜の採れるメニューが増えました。また、「納豆」「漬物」も増えており、免疫力を高めるために発酵食品を積極的に摂取していたこともうかがえます。
主菜では「餃子・シューマイ・春巻」が0.8%増えました。おうち時間を有効に過ごすため、子どもと一緒に餃子を作る人が増え、餃子の皮が売れているというニュースがありましたが、実際に夕食で食べることが多かったようですね。他には「焼肉・鉄板焼き」(0.7%増)、「焼き魚」(0.7%増)といった、手軽に作ることができ、スタミナがつきそうなものが人気だったようです。
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冷凍食品の利用が増加。餃子は夫婦子あり世帯で手作りが増えた
次に、加工食品の使用状況の変化を昨年4月と今年の4月で比較してみましょう。「餃子・シューマイ・春巻」に関しては、「出来合い・出前・テイクアウト」が12.2%から11.0%と若干減少しました。特に、単身世帯では21.9%から11.7%と大幅に減っています。飲食店の休業などにより購入できる店が減ったからかもしれません。
一方、「冷凍食品」が32.2%から34.0%と増加、「チルド食品」は29.5%から22.5%と減少しました。買い物の機会を減らしたため、保存のきく冷凍食品を買う人が多かったのだと思われます。
また、「手作り」が昨年に比べ6.4%増えました。特に、夫婦子あり世帯では手作りが28.8%から36.0%と大幅に増えており、家族で餃子やシューマイを手作りした世帯が多かったのだと推察されます。
「ハンバーグ・ミートボール」については、「出来合い・出前・テイクアウト」が11.0%から8.4%に減少、冷凍食品が9.3%から13.1%と増加、チルド食品が15.4%から15.0%へ微減と、上記と同様の傾向がありました。一方で「手作り」が65.4%から64.2%に減っています。単身、夫婦2人、夫婦子ありのいずれの世帯でも手作りが減っていました。
また、「トンカツ・フライ・コロッケ」は「出来合い・出前・テイクアウト」が42.1%から38.2%となりました。昨年より減ってはいるものの、他のメニューに比べて圧倒的に出来合いのものを買う人が多いようです。
揚げ物は衣をつけたり、油の処理が面倒なため、もともと出来合いのものを買う人が多く、緊急事態宣言下でも、その傾向は変わらなかったようです。「冷凍食品」は18.7%から23.1%と増え、特に単身世帯では13.0%も増えています。「手作り」にはそれほど変化がなかったので、出来合いを買わない、もしくは買えない代わりに、揚げ物が食べたいときは冷凍食品で済ませたことがうかがえます。
以上の結果から、緊急事態宣言のもとでは外食が減り、保存のきく米や冷凍食品がよく食べられたことがわかりました。また、時間があるため、手作りも増えたようです。まだまだ予断は許せませんが、緊急事態宣言が解除された今、久しぶりになじみの店でご飯を食べてもいいかもしれませんね。
[出典]
※1:総務局統計局「家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年) 家計の概要」
※2: 株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント「ディナーサーベイ」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部