最終更新日: 2020.07.21 公開日: 2020.07.22
暮らし

フリーランスも申請可能に。持続化給付金の対象拡大について

執筆者 : 長崎元

5月に受付が開始された持続化給付金。感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受けた事業者に対して、最大200万円(個人は100万円)が給付されるというものです。
 
経済産業省の発表では、6月23日時点での申請件数は18万件。そのうち、98%について給付が完了しているようです。
 
多くの事業者が利用している持続化給付金ですが、個人事業者で、収入を“雑所得”や“給与所得”として計上している人は申請できない、今年の1月から3月に創業・開業した事業者は申請の対象にならない、といった問題も取り上げられていました。
 
これら問題への措置として、持続化給付金の申請対象が拡大されました。今回は、主な変更内容について解説していきます。
 
長崎元

執筆者:

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

長崎元行政書士事務所 HP
https://www.office-hnagasaki.com/

長崎元

執筆者:

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

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変更点1 フリーランスも申請可能に

これまで持続化給付金が示す収入とは、「事業収入」のことでした。そのため、フリーランスなど、収入を“給与所得”に計上して確定申告を行っている人は、申請の対象から外れていました。
 
今回の変更により、主な収入を“事業収入”で確定申告している人の他、“雑所得”や“給与所得”としている人も申請の対象に含まれることになります。この場合、申請時に必要となる書類が追加されています。
 


 
色付けした3番と4番の書類が、雑所得・給与所得で申請する際に、別途必要となる書類です。3番の書類については、以下の3つ中から、いずれか2つを提出することとされています。
 
(1)業務委託等の契約書の写し または 契約があったことを示す申立書
(2)支払者が発行した支払調書 または 源泉徴収票
(3)支払があったことを示す通帳の写し
 
ただし、(2)源泉徴収票を提出する場合、(1)の書類のどれかとあわせなければなりません。
 
用意しやすいのは、(2)源泉徴収票と(3)通帳の写しの組み合わせだと思いますが、これではNGとなる点にはご注意ください。源泉徴収票を使う場合は、契約内容が分かる書類が必要です。
 
申請書類が変わる以外は、変更ありません。給付額も変わらず、法人 最大200万円 個人 最大100万円です。前年度と比較して50%以上、収入が減少した月があれば申請可能となります。

変更点2 今年創業した事業者も申請可能

給付額を決める際の計算に、前年度の収入が用いられることもあり、これまでは昨年までに事業を開始していた人が対象となっていました。
 
「2020年新規開業特例」が設けられ、2020年1月から2020年3月に創業した事業者も、持続化給付金を申請することができるようになりました。
 
原則は、「前年の同月と比較して、売り上げが半減している月があること」が申請要件となっていますが、今年創業した場合、当然、前年との比較ができません。
 
そのため、「創業月から2020年3月までの月平均収入と比べ、対象月の収入が50%「減少していること」が申請要件になります。
 
1つ例を挙げてみます。
例)今年2月に創業した場合


 
創業から3月までの合計収入は、30万円(2月) + 50万円(3月)で80万円です。月平均収入は80万円 ÷ 2(ヶ月)で、40万円となります。この40万円より50%以上収入が減少している月があれば、持続化給付金を申請することが可能です。
 
今回の例では、色付けした5月と6月が半分を下回っているため対象です。ちなみに上の表で、仮に2月の収入が100万円、3月が20万円だった場合、月平均収入は60万円となり、3月も半分を下回ることになりますが、3月を指定して、申請することはできません。
 
1月から3月で基準となる平均を決め、4月から12月のいずれかで、基準の半分以下となる月を選んでください。
 
こちらも、雑所得・給与所得による申請同様、申請に必要となる書類に追加があります。
 
表 2 2020年新規創業特例を使う際に必要書類

 
3番の書類には会社の設立日や開業した日が記載されています。そこが、2020年の1月1日から2020年3月31日の間であることが前提条件です。
 
次に、1番の書類ですが、これは経済産業省のホームページからダウンロードできますし、記載例が載っているので参考にするとよいでしょう。書くことはそれほど多くありません。個人や法人の名前や住所、連絡先などと、2020年各月の収入額などです。
 
しかし、この書類に関しては注意が必要です。税理士の確認や、確認した税理士の情報、押印などが必要です。
 
つまり、事業者が作成して終わりではなく、それを税理士に確認してもらい、内容に問題がなければ、書類に印を押してもらう。これで書類の出来上がりとなります。他の書類と比べ、用意するのに時間が掛かることが見込まれます。
 
さらには、この「2020年新規創業特例」を使う人は、今年創業や開業をした人です。中には税理士との付き合いがない人もいるかと思います。
 
しかし、本来、税理士が記入する欄を適当に書いてしまうなど、書類の偽造にあたることは絶対に行わないでください。給付金を返還するだけなく、返還の日までの延滞料金の加算や、名称の公表、刑事告発など、厳しいペナルティが課せられます。必ず、お近くの税理士にご相談ください。
 
ただし、中には不当な報酬を請求する人がいるかもしれません。怪しいかも、と感じたときは何人かの人に話を聞いてみたり、知人を通じて税理士を紹介してもらったりしましょう。
 
対象が拡大し、より利用しやすくなった持続化給付金。不正受給のニュースも流れましたが、事業継続のため、コロナ禍を乗り越えるため、多くの事業者に有効に活用していただきたく思います。
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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