持続化給付金の対象者と申請期間って?上限に達しないケースでは計算方法によって給付額が変わるって本当?

配信日: 2020.05.17

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持続化給付金の対象者と申請期間って?上限に達しないケースでは計算方法によって給付額が変わるって本当?
新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、経済面の落ち込みも深刻な状況です。すでに国や地方自治体から各種の経済支援策が打ち出されています。
 
そのうちの1つである「持続化給付金」は法人、個人事業主などの事業者にとっては大変ありがたい制度です。給付額について「法人は200万円、個人事業者は100万円」とされていますが、この金額はあくまでも上限額であり、実際の給付額は昨年と比べて減少となった月の売上額から算出されます。
 
そこで今回は、給付額をなるべく多くするための計算方法について紹介します。持続化給付金は5月1日からオンラインでの申請受付が開始されています。事業の資金繰りが厳しい人はすでに申請済みかもしれませんが、これから手続きを始めようとしている人は参考にしてみてください。
 
蓑田透

執筆者:蓑田透(みのだ とおる)

ライフメイツ社会保険労務士事務所代表

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、
社会保険労務士、米国税理士、宅建士
早稲田大学卒業後IT業界に従事していたが、格差社会による低所得層の増加や高齢化社会における社会保障の必要性、および国際化による海外在住者向け生活サポートの必要性を強く予感し現職を開業。
 

ライフプラン、年金、高齢者向け施策、海外在住日本人向け支援(国内行政手続、日本の老親のケア、帰国時サポートなど)を中心に代行・相談サービスを提供中。

企業向けコンサルティング(起業、働き方改革、コロナ緊急事態の助成金等支援)の実施。

国内外に多数実績をもつ。
コロナ対策助成金支援サイト
海外在住日本人向け支援サイト
障害年金支援サイト

持続化給付金とは?

新型コロナウイルスによる営業自粛要請、外出自粛要請で売上が大きく減少し、深刻な影響を受けている中堅・中小企業、小規模事業者、個人事業者に対して、事業の継続を支えるために給付金を支給するものです。
 
中小企業といった法人はもとより、フリーランスなどの個人事業主の方にも業種に関わらず幅広く対応している支援策です。

給付対象者と申請期間

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、ひと月の事業収入(売上)が前年同月比で50%以上減少した中小法人、個人事業者を給付の対象とし、法人の場合は資本金10億円未満、または従業員が2000人以下の事業者となります。
 
その他、会社以外の法人(医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など)も対象です。申請期間は、2020年5月1日から2021年1月15日までです。

給付額をなるべく多くするための注意点

給付額には法人は200万円、個人事業者は100万円までの上限がありますが、事業規模の小さい事業者など上限に達しないケースでは計算方法によって給付額が変わることを知っておくとよいでしょう。給付額の計算方法は以下になります。
 
給付額=前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上)×12ヶ月
          A                  B
 
※備考
・給付額の10万円未満は切り捨てとなります(計算後の給付額が10万円未満の場合は対象外)
・白色申告を行っている者、および青色申告を行っている者で青色申告決算書に月間事業収入の記載がない者は、Bの「前年同月比」が「前年月平均比」になります。
・2019年の確定申告が完了していないなど、前年売上情報がない場合には特例が認められます。
 
一見しただけでは分かりづらいかもしれませんが、次の手順で計算します。
(1)前年の総売上と各月(2019年1月~12月)の売上を確認
(2)今年の各月(2020年1月~現在)の売上を確認
(3)両年の同じ月を比較し、2020年に50%以上減少している月を確認
(4)計算式のA、Bに金額を当てはめて給付額を計算
 
このとき、50%以上減少している月が1つあれば、その月の売上額を計算式のBに当てはめます。50%以上減少している月が2つ以上あれば、任意の月の金額を選択して計算します。
 
ここでお分かりいただけると思いますが、Bの金額は少なければ少ないほど給付額が多くなります。つまり、前年同月との減少率(%)の高い月ではなく、今年の売上額(円)が最も少ない月を対象とした方が計算式のBの金額が少なくなり、結果として給付額が多くなります。
 
対象となる月が複数ある場合は、どの月の金額を選択するかで給付額が変わります。4月、そして緊急事態宣言が延長された5月は売上が減少する事業者は多いと思いますが、6月以降、さらに売上額が少なくなる可能性があれば申請を待つという選択肢もあります。

申請に当たり考慮すべきこと

上記の計算方法のほかに、申請に当たっては以下の点も考慮しておきましょう。
 
・給付には上限額(法人は200万円、個人事業者は100万円)があるので、そもそも該当する月が2つ以上あり、どちらの月で計算しても上限を超えるのであれば比較は無意味です。早いタイミングで申請した方がよいでしょう。
・資金繰りが厳しく、1日でも早い給付を望む場合は、該当する月があればすぐに申請した方がよいでしょう。
・現時点での売上減少幅が前年同月比50%未満の場合(3割~4割の減少)でも、2020年1月から12月までのいずれかの月で該当すれば申請可能です。
 
参考
経済産業省 持続化給付金
経済産業省 持続化給付金に関するよくあるお問合せ
 
執筆者:蓑田透
ライフメイツ社会保険労務士事務所代表


 

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