電子マネーで人気なのは?世代別の利用率は? 電子マネーの利用実態とは
配信日: 2021.03.06
現金派と電子マネー派はどちらが多いのか? 電子マネーを使うメリットとはなんなのか?
キャッシュレス決済にはさまざまな種類がありますが、気になる利用金額なども含めて、今回は電子マネーの利用実態について詳しく見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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現金派? 電子マネー派? 電子マネーの利用実態
まずは、リスクモンスター株式会社が20歳から69歳の男女を対象に行った「第1回 電子マネー利用実態調査」(※1)の結果をひもといてみます。
【電子マネーを利用していますか?】
・利用している 59.8%
・利用していない 40.2%
およそ6:4で、電子マネーを利用している人のほうが多いという結果になりました。男女別の利用率は、男性62.0%、女性57.6%と、男性のほうが多め。世代別でもっとも利用率が高かったのは、65.0%の40代でした。いっぽうでもっとも利用率が低かったのは、57.0%の50代という結果に。
このことから、電子マネーの利用率が比較的高い層は「男性」「40代」ということがわかります。
ちなみに、人気の電子マネーは以下のとおり。
【どの電子マネーを利用していますか?(複数回答)】
1位:交通系電子マネー 47.8%
2位:PayPay 40.1%
3位:WAON 34.1%
4位:nanaco 29.1%
5位:楽天Edy 23.4%
この調査における電子マネーとは、プリベイド型の決済方法が選べる決済方法を指しているようです。そのため、2位にはスマホ決済のPayPayがランクイン。イオン系列で食品や日用品などを買っている人は、3位のWAONを。セブンイレブンやイトーヨーカドーなどを利用している人は、4位のnanacoを選ぶことも多いのかもしれません。
そんななか、半数近くの人が利用している電子マネーが、交通系電子マネーでした。
先ほどの調査結果で電子マネーの利用率が高かった「男性」「40代」といえば、通勤で公共交通機関を利用する人も多いと考えられます。そのことからも、交通系電子マネーを選ぶ人が多いということになりそうです。
電子マネーのメリット、デメリットとは
電子マネーをよく利用する人は、どのような点をメリットと考えているのでしょうか。
【電子マネーを利用する理由はなんですか?(複数回答)】
1位:支払がスムーズ 74.5%
2位:ポイントが貯まる 69.9%
3位:現金や財布を持ち歩かずに済む 29.4%
4位:使える場所が多い 24.4%
5位:割引キャンペーンがある 23.1%
キャッシュレス決済である電子マネーの最大のメリットは、やはり「支払がスムーズ」ということになりそうです。
また、近年流行りのポイ活の視点から、「ポイントが貯まる」ことをメリットに挙げる人も多いですね。ランキングとしてはこの2つがずばぬけて高いという結果に。荷物が減ったり割引サービスが受けられたりというメリットはあるものの、それよりも支払いのスムーズさやポイントが貯まることが電子マネーの魅力と言えそうです。
いっぽうで、電子マネーを利用しない人もいることも見逃せません。電子マネーのデメリットとは、どのようなものがあるのでしょうか。
【電子マネーを利用しない理由はなんですか?(複数回答)】
1位:現金支払いで十分 36.3%
2位:アプリの設定やチャージが面倒 35.8%
3位:セキュリティーが不安 33.8%
4位:利用方法がわからない 13.4%
5位:使える店舗が少ない 11.9%
「現金支払いで十分」と考える人は、そもそも電子マネーを使うメリットがないと考えているようです。そのほか、30%を超えているものは「アプリの設定やチャージが面倒」と「セキュリティーが不安」でした。使う前にチャージする手間を考えると、支払時に現金を出しても変わらないということなのかもしれません。
また、そもそも電子マネーを含むキャッシュレス決済が身近でない人にとっては、漠然と未知のサービスに対する怖さがあり、セキュリティー面での不安が拭いきれないということもあるのかもしれません。
キャッシュレス決済における、もっとも多い支払い金額帯は?
では最後に、キャッシュレス決済全体で見たときの、支払い金額帯をチェックしてみましょう。株式会社電通が発表した「コロナ禍での生活者のキャッシュレス意識に関する調査」の結果(※2)を見てみます。
【あなたのキャッシュレス決済が増えているのはどの支払い金額帯でしょうか。あてはまるものを全てお知らせください。】
1位:1000円超~5000円以下 48.0%
2位:500円超~1000円以下 41.0%
3位:300円超~500円以下 25.8%
4位:5000円超~1万円以下 23.4%
5位:100円超~300円以下 19.5%
これは、コロナ禍において「支払いや買い物でキャッシュレス決済の比率が増えた」と回答した人を対象にしたもの。
1000円超の支払いでキャッシュレス決済を利用することが増えたという人も多いですが、TOP5のうち3つは、100円超から1000円以下の少額決済でした。いままでは小銭で支払っていたちょっとした買い物も、最近ではキャッシュレス決済でサクっと支払いを済ませるという人が増えているということになりそうです。
上記の調査から、電子マネーとしては、交通系電子マネーがもっとも人気ということがわかりました。テレワークが定着し、通勤などで公共交通機関を利用する機会が減る人も増えるなか、今後この利用率はどのように変化していくのかにも注目です。
[出典]
※1 リスクモンスター株式会社「 第1回『電子マネー利用実態調査』調査結果」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
※2 株式会社電通「電通、コロナ禍における生活者のキャッシュレス意識調査を実施」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部