借金をこれ以上増やしたくない! 貸付自粛制度とは?
配信日: 2021.03.22
そんな状況から抜け出すための一助となる制度「貸付自粛制度」について紹介します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
貸付自粛制度とは
貸付自粛制度とは、本人または法定代理人(親権者や後見人、配偶者など)からの申告に基づき、カードローンをはじめとする金融機関などからの借り入れを最大5年間制限することができる制度です。
貸付自粛制度の利用を申告すると、その情報が株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センターという3つの個人信用情報機関に登録されます。
すると、金融機関などで本人が借り入れをしようとして審査が入った際、貸付自粛制度が働き、ストップがかかるという仕組みです。登録や利用費用は無料のため、お金に悩んでいる方も安心して利用することができる制度になっています。
貸付自粛制度は本人以外からの申告も可能
貸付自粛制度は借り入れができなくなるという強い効力を持っています。そのため、本人および法定代理人(親権者や後見人など)からの申告が原則となっています。
しかし、本人の所在が不明であるなど一定の場合は配偶者や三親等内の親族、同居の親族からの申告も可能になっています。
貸付自粛制度の申告方法は?
貸付自粛制度の申告先には一般社団法人 全国銀行協会と日本貸金業協会という2つの窓口があります(※)。
どちらから申告しても貸付自粛制度の効果自体は変わらないのですが、申告方法が全国銀行協会は郵送のみ、日本貸金業協会では郵送の他スマートフォンやパソコンを使ったWEBでの申告や来協での申告も認められています。
なお、申告後は実際に申告をした方宛に電話にて確認が入ります。申告先の機関から電話があった場合は必ず対応するようにしてください。
必要書類は?
貸付自粛制度の申告に必要な書類には下記のようなものがあります。
(1)申告書(各機関に問い合わせたり、ホームページからダウンロードすることで取得できます。なお、WEB申告の場合は不要です)
(2)申告される方の身分証を2点(運転免許証や健康保険証、マイナンバーカード、住民票の写しのコピーなど)
基本的にはこの2つで申告が完了するため、書類の手配に時間を要しません。なお、本人以外の法定代理人や代理人が申告する場合は本人との続柄を示す書類および代理人の身分証などが必要となります。
詳細については必ず申告先となる一般社団法人 全国銀行協会または日本貸金業協会に確認するようにしてください。
貸付自粛制度は撤回に制限がある
原則として、一度貸付自粛制度を申告すると、申告先から個人信用情報機関に登録依頼があった日から3ヶ月間は撤回することができません。
あまりこういったことが起こる機会はそう多くありませんが、何か不測の事態が起こって本当に借り入れが必要となった際、貸付自粛制度によって借り入れができずに困ってしまう場合もあるため、申告前にはその点についても考慮しておく必要があります。
浪費や過大な借り入れをしてしまうことに悩んでいれば貸付自粛制度の利用を
自身や家族が自分の支払い能力を超えるような借り入れを繰り返してしまう場合、貸付自粛制度を利用して借り入れ自体をできないようにしてしまうことが有効です。申告手続は無料で、WEBや郵送など本人の申告しやすい方法で簡単に申告することができます。
貸付自粛制度についての詳細は一般社団法人 全国銀行協会または日本貸金業協会へご相談ください。
出典
(※)日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 貸付自粛制度について
(※)一般社団法人 全国銀行協会 貸付自粛制度のご案内
執筆者:柘植輝
行政書士