大学生の4割が生活苦?新型コロナによるお金に対する意識の変化とは
配信日: 2021.04.17
また、コロナショックで多くの企業で業績が悪化。中には採用を見送る企業も。大学生はこのような状況で、将来設計のために何を考え、どう行動しているのでしょう。
スパークス・アセット・マネジメント株式会社(東京都港区)は、全国の大学生・短大生を対象に、「大学生の将来設計に関する意識調査2021」を実施しましたので(※)、さっそく結果を見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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コロナ禍でアルバイト減。大学生の4割が生活が苦しく
一人暮らしをしている大学生は29.3%で、多くは実家暮らしをしているようです。また、アルバイトをしている割合は66.0%でした。現在、多くの飲食店や小売店などが休業や時短営業をしています。
そこで、コロナ禍でアルバイト収入を得ることが難しいか聞いたところ、「難しい」と回答した人は52.9%となりました。また、経済面で生活苦を感じている大学生は39.2%でした。このように、コロナ禍で多くの大学生の生活が苦しくなっていることがわかりました。
コロナ禍によって、自分のお金に対する意識に変化はあったか聞いたところ、「変わった」と回答した人は70.8%でした。具体的には、「節約しようと思うようになった」(79.7%)、「貯蓄は大切だと思うようになった」(66.4%)、「家計管理は大切だと思うようになった」(45.1%)というように、お金に関しては堅実な方向に意識が変わったようです。
コロナ禍で8割以上の大学生が就職について考えるように
コロナ禍によって、84.5%の大学生が「就職」について「考えるようになった」と回答しました。コロナ禍による景気の悪化や企業の採用人数の減少というニュースを目にする日も多いでしょう。そのため、早くから希望の就職にむけて勉強したり、資格取得をするなど意識するようになったと思われます。
自分の将来について、どのようなことに不安を感じているか聞いたところ、「就職活動」(58.2%)が最も高く、次いで、「将来の仕事内容」(54.0%)、「貯蓄」(41.2%)、「就職後の人間関係」(40.2%)、「卒業後の生活費」(35.8%)となりました。就職は景気に左右されるため、将来の仕事や金銭面での不安を感じている人が多いようです。
初任給の希望額は24.4万円。10年後は46.1万円を目指す
現在、将来の備えとしてやりたいと思っていることを聞いたところ、「預貯金」(56.5%)が最も高く、次いで、「学業に励む」(49.3%)、「資格の取得(またはそのための勉強)」(46.8%)となりました。
コロナ禍前と比べて「預貯金」「資格の取得(またはそのための勉強)」は10.8ポイント増、「学業に励む」は3.0ポイント増で、将来に危機感を抱いて勉強や資格の取得、さらに学生でありながら貯金を増やそうと考えていることがわかりました。
次に、就職した際の初任給の希望額を聞いたところ、「20万円~25万円未満」(49.3%)が最も多く、平均は24.4万円でした。就職から5年後の月給の希望額を聞いたところ、最も多いのは「30万円~35万円未満」(31.2%)で、平均は34.8万円でした。
さらに、就職から10年後の月給の希望額を聞いたところ、「40万円~50万円未満」(23.3%)や「30万円~35万円未満」(22.0%)、「50万円~60万円未満」(15.8%)という順となり、平均は46.1万円でした。
コロナ禍で先行き不透明な中でも、将来理想の収入を得るために、大学生は学業に励んでいるようです。一日も早くコロナ禍が収束し、企業の採用活動も再開し、たまたまこの時期に就活時期にあたってしまった学生が不利益を被らないことを願うばかりです。
[出典]
※スパークス・アセット・マネジメント株式会社「大学生の将来設計に関する意識調査2021」(株式会社 PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部