金融資産5000万円以上の富裕層は日本にはどのくらいいる?

配信日: 2021.05.17

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金融資産5000万円以上の富裕層は日本にはどのくらいいる?
金融資産が5000万円を超えるような富裕層世帯は、日本にどれくらいいるのでしょうか。また、彼らはどのような資産運用を行ったり、日々どんなことに気を付けながら、資産を管理しているのでしょうか。
 
今回は、日本の富裕層世帯の暮らしについてご紹介します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

日本の富裕層世帯はどのくらいいる?

株式会社野村総合研究所が行った調査(※)によると、2019年の日本における世帯の純金融資産保有額(預貯金、株式、債券、投資信託などの保有金融資産から負債を差し引いた金額)を基に階層を分類した場合、世帯数や割合は以下のとおりとなっています。
 

●純金融資産保有額の階層別に見た世帯数と割合(2019年)

■超富裕層(純金融資産保有額5億円以上)
8.7万世帯(0.16%)
 
■富裕層(純金融資産保有額1億円以上、5億円未満)
124万世帯(2.29%)
 
■準富裕層(純金融資産保有額5000万円以上、1億円未満)
341.8万世帯(6.32%)
 
■アッパーマス層(純金融資産保有額3000万円以上、5000万円未満)
712.1万世帯(13.18%)
 
■マス層(純金融資産保有額3000万円未満)
4215.7万世帯(78.03%)

 
この調査結果を見ると、金融資産が5000万円以上ある富裕層は全体の8.77%で、金融資産5000万円未満の世帯が90%以上を占めていることが分かります。
 

富裕層世帯の資産の推移

次に、富裕層世帯の金融資産額の推移について見ていきましょう。最近では、この富裕層世帯の保有する資産額が増えてきているという現象が見られます。
 
株式会社野村総合研究所が行った調査(※)によると、2017年から2019年にかけて、富裕層(純金融資産保有額1億円以上、5億円未満)は9.3%、超富裕層(純金融資産保有額5億円以上)は15.6%、純金融資産保有額が増加しました。また、富裕層と超富裕層の資産の保有額は、2013年以降増加し続けています。
 
保有資産額が増え続けている理由の1つとして、ここ10年間の株価の上昇により、資産運用を行っている富裕層世帯において資産額が増えたことが影響していると考えられます。
 

富裕層世帯が資産管理で気を付けていることとは?

富裕層世帯では自分たちの資産管理について、どのようなことに注意しているのでしょうか。
 
まず、彼らは資産運用を積極的に行っているという特徴があります。普段の生活費以外の余剰資金に余裕があるため、投資することができる元本が多く、積極的に運用を行っていると考えられます。
 
また、税金対策や相続対策も含め、資産の管理や運用についてお金の専門家に相談をしたり、これから相談をしようと考えている方も多いようです。
 
お金の相談相手は、あくまでも中立的な立場から、投資家の方にとって有利となるような提案をしてくれる専門家でなければいけません。
 
大手の金融機関の営業マンなどは、自社商品への投資を勧めてきたり、手数料の高い商品を購入するよう勧誘する可能性があるため、注意が必要です。お金の相談相手選びは、富裕層世帯の資産管理について詳しく、信頼できる人を探すために慎重に行う必要があります。
 
今回は、富裕層世帯の割合や、彼らの資産運用の特徴についてチェックしてきました。富裕層と呼ばれる人たちと自分たちの資産額を比較することで、お金の管理についても意識が高まりますね。今回の記事をきっかけに、自分たちの貯蓄を増やし、投資などをして資産を増やすことができないか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
 
出典
(※)株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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