更新日: 2021.05.17 暮らし

柏の葉キャンパス駅がまだ「柏北部中央駅」だったころ

執筆者 : 藤木俊明

柏の葉キャンパス駅がまだ「柏北部中央駅」だったころ
家族連れでにぎわう柏の葉キャンパス駅

つくばエクスプレス(TX)「柏の葉キャンパス駅」。住みたい街ランキングで上位に入る千葉県柏市の駅です。駅前には大型商業施設や大学施設、ホテルなどがあり、街路樹がきれいに整備されたおしゃれな駅周辺です。計画段階では、この駅の名前は「柏北部中央駅」でした。ぜんぜんイメージが違いますね。そんな常磐新線と「柏北部中央駅」について調べてみましょう。
 
藤木俊明

執筆者:

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

藤木俊明

執筆者:

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

実は水海道駅に向かうルートだった

筑波経済月報(2014年2月号)の元茨城県地域計画課長東尾正氏によると、TX誕生のきっかけは1978年の茨城県の通称「八十島委員会報告書」としています。はじめて、東京・つくば間を結ぶ「第二常磐線」という新線計画ができたのですね。
 
しかし、その当時の計画は現在のTXの路線と少し違ったようです。千葉県の流山市あたりまでだいたい現在のTXと同じ路線ですが、柏市あたりから西側に曲がり、茨城県の水海道駅(みつかいどう)を経由してつくばに向かうルートでした。つまり、現在の守谷駅にはかすってもいなかったようです。
 
それがどうして現在のルートになったのか。
 

千葉県内で終わる可能性もあった

前述の資料によると、それは千葉県側には「常磐線の通勤時のたいへんな混雑」という問題があり、千葉県はその緩和が目の前の大きな課題。そこで松戸市を通過するルートを重視していたそうです。
 
茨城県としては、県西部の振興を期待していたので、なかなかルートがまとまりません。国や茨城県、千葉県のたいへんな調整が続いていましたが、当時の運輸省は「我孫子で終わる『千葉県内完結ルート』」に傾いてしまったのだそうです。
 
それでは茨城県にルートがたどりつきません。東尾氏はじめ茨城県側の関係者は必死に巻き返して、ようやく「東京から柏を通って守谷南部までの路線」が答申できたとのことです。そこから、守谷からつくばまでの路線については課題とされたようですが、関係者全員の悲願が実り、2005年TXは秋葉原駅からつくば駅まで一気に開業を迎えることができました。
 
東京都の資料「常磐新線整備」(東京都都市整備局)には、こう書かれています。
 
「常磐新線(つくばエクスプレス)は、昭和60年7月の運輸政策審議会第7号答申で、緊急の整備が必要と位置づけられました。JR常磐線の混雑緩和、区部北東部の公共交通網の充実、沿線地域の開発促進に寄与するため、秋葉原(東京都)を起点とし、埼玉県、千葉県を経てつくば(茨城県)に至ります。」
 
そして現在のTXとほぼ同じルートの「常磐新線」が描かれています。
 
そこでは、現在の「流山セントラルパーク」は「流山運動公園」、「流山おおたかの森」は「流山新市街地」、そして「柏の葉キャンパス」は「柏北部中央」という駅名になっています。
 
「守谷」はそのまま「守谷」ですが、そこからつくばまでの駅名は現在とぜんぜん違います。もちろんその時点では仮称だったのでしょうが、関係者が駅名によるブランディング効果を重視したことがわかりますね。
 

ファミリー物件が人気 徒歩圏はなかなかの賃貸料

さて、開業から急ピッチで駅前の整備が進み、すっかり高層マンションが建ち並ぶようになった柏の葉キャンパス駅。賃貸物件で生活するにはどれぐらいの予算を見ておくといいのでしょうか? 大手賃貸住宅のサイトで、この柏の葉キャンパス駅から徒歩圏15分以内のアパート、マンションのひと月当たり家賃を調べてみました。(2021年4月25日現在)
 
※詳細な調査に基づくものではなく、あくまでも筆者の主観による感覚値であることをお断りしておきます。
 

■柏の葉キャンパス駅から徒歩15分以内

・ワンルーム向けと思われる賃貸物件
15平方メートルから25平方メートル程度 3万円から4万円台が中心(ひと月当たりの家賃:以下同)。築年数が古いものであれば価格はリーズナブルですが、物件自体が少ない感じです。
 
・ファミリー向けと思われる賃貸物件
50平方メートルから60平方メートル程度 築年数に応じて、金額は幅広く7万円から11万円台までバラついています。2LDKや3DKがこの価格帯です。これも物件自体が少ない感じですね。
 
・少し広めの賃貸物件
70平方メートル以上。これは徒歩15分圏内では価格が跳ね上がります。一気に15万円以上。20万円に達する物件も散見される上、これも物件自体が少ないです。
 
柏の葉キャンパス駅から徒歩は断念し、バス便や、自家用車の利用を条件に組み入れれば、もう少し選択肢は広がるようです。しかし、柏の葉キャンパス駅徒歩圏の広めのファミリー向け新しい物件は、かなり賃貸料は高くなると考えていいでしょう。
 

まとめ

難産だった常磐新線はつくばエクスプレスとして、成功を収めた鉄道のひとつとなりました。しかし、茨城県の目的はまだ終わっているわけではないと冒頭の筑波経済月報(2014年2月号)では「東京駅まで延伸することが目的と述べられています。
 
報道を見る限り、少しずつその方向性(東京駅延伸)は醸成されているようにも見えますが、このコロナ禍です。いろんなことが見えづらくなってしまいました。つくばエクスプレスが東京駅に乗り入れる日は来るのでしょうか。
 
[出典]
※株式会社筑波銀行「筑波経済月報2014年 2月号」
※東京都都市整備局「常磐新線整備」
 
執筆者:藤木俊明
副業評論家