地震が来たときのための食器棚やテレビ台の固定、いざというときのための避難バッグなど、さまざまな対策をされているかと思います。
そこで今回は、災害対策のひとつである備蓄食品の実態について見てみましょう。世間はどんなものをどれくらい備蓄しているのか、その予算はどれくらいなのかをチェックします。
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備蓄食品の種類は? ローリングストックの頻度は?
まずは、独立行政法人国民生活センターが発表した「備蓄食品に関する実態調査」の結果(※1)を見てみます。
この調査は、災害への備えとして自宅に長期保存ができることをうたった食品を備蓄している20歳代から60歳代の一般消費者3000人を対象に行われたものです。世間は、どのような食品を備蓄しているのでしょうか。
1位:飲料水 83.9%
2位:麺類、カップ麺 65.0%
3位:缶詰 64.6%
4位:レトルト食品 56.5%
5位:ごはん(アルファ化米、パックごはんなど) 52.4%
半数を超える回答は、上記のとおり。8割以上の人が、飲料水を確保していることがわかります。ローリングストックしやすい麺類やカップ麺、缶詰やレトルト食品も人気のようですね。長期保存のできるパックごはんなども、主食として確保している人が多いようです。
では、これらの備蓄食品を入れ替える(ローリングストック)頻度はどれくらいなのでしょうか。
1位:6ヶ月~1年未満に1回程度 29.0%
2位:1~2年未満に1回程度 26.9%
3位:6ヶ月未満に1回以上の頻度 18.0%
4位:2~3年未満に1回程度 11.1%
5位:3~5年未満に1回程度 5.4%
TOP5は上記の結果に。備蓄食品の種類によって賞味期限も変わるため一概にはいえないところですが、もっとも多い回答は「6ヶ月〜1年未満に1回程度」ということになりました。
賞味期限が切れる前にローリングストックをする……と決めると、食品ごとにいちいち賞味期限を覚えておかなければならないという手間も。そういう意味でも、賞味期限に関係なく6ヶ月から1年の間に1回はすべての備蓄食品を入れ替える、と決めると楽かもしれませんね。
備蓄食品にかける予算は?
次に、備蓄食品をはじめ防災グッズにかける予算を見てみましょう。TAG株式会社が子育て中のママ500名を対象に行った、防災アンケートの結果(※2)をチェックします。
【買ってもいいと思える値段】
1位:500円未満 45%
2位:500~999円 26%
3位:1000~1999円 19%
1位:1000~1999円 34%
2位:2000~2999円 30%
3位:500~999円 11%
3位:3000~4999円 11%
1位:1000~1999円 36%
2位:2000~2999円 25%
3位:500~999円 15%
1位:2000~2999円 28%
2位:5000~9999円 22%
3位:1000~1999円 17%
3位:3000~4999円 17%
非常食は、単品なら500円未満、セットなら2000円未満のものなら買いたいと思っている人が多いことがわかります。防災グッズについては、単品なら2000円未満、セットなら3000円未満のものなら買いたいと思っている人が多いようです。
食品については、長期保存が可能とはいえ賞味期限があることから、防災グッズのほうにお金をかけたいと思っている人が多いのかもしれません。
お金と食品を無駄にしないために、ローリングストックは計画的に行おう
せっかくお金をかけて買う備蓄食品ですから、無駄にならないようきちんとローリングストックをしたいもの。
独立行政法人国民生活センターによると、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に寄せられる相談のなかには、「備蓄用に購入していたレトルトカレーが、気が付くと賞味期限を半年以上過ぎていた。試しに一度食べたが、味に変化はなかった。まだたくさん残っているが、食べても支障はないか」といった、備蓄食品の安全・衛生、品質・機能、役務品質に関する問い合わせが少なくないとのこと(※1)。
さらに、「備蓄食品の賞味期限が切れた経験」を問うたところ、65.5%の人が経験アリと回答しています。(※1)
災害時に食べる備蓄食品は、調理の手間がかからずさっと食べられる点も魅力。例えば半年に一度は「備蓄食品を消費する日」を設けて、ローリングストックついでに家事をお休みする日をつくってみてもいいのかもしれません。
[出典]
※1 独立行政法人国民生活センター「災害に備えた食品の備蓄に関する実態調査」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
※2 TAG株式会社「ママ500人に防災アンケート! 備えの悩みに“偏った”防災情報を」(株式会社 PR TIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部