「無料低額診療」とは? お金がなくて病院に行けない人へ
配信日: 2021.07.08
今回は、お金に困っている方が診療費を気にせず医療機関を受診できる無料低額診療事業について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
無料低額診療事業の概要
無料低額診療事業とは、経済的に厳しい状況にあったり、健康保険証がない、一定の犯罪被害に遭っていることなどにより、適切な医療措置を受けることができない方に対し、医療費の窓口負担を無料(全額免除)、または低額(一部免除)で医療機関が診療を行う事業のことです。
平成30年度の実績では、全国700ヶ所以上の医療機関で無料低額診療事業が実施され、利用した方は760万人以上に上っています。
中には休日や夜間の診療を行っている機関もあり、官民一体となって誰でも医療サービスが受けられるよう事業が展開されています。このことから、本事業が社会にもたらす意義は非常に大きなものであることが分かります。
無料低額診療事業を受けられる人は?
無料低額診療事業を受けられるのは、経済的な理由で生活が困難な方や一定の犯罪被害に遭っているなど、適切な医療措置を受けられない方です。
対象者や、費用が無料か一部負担になるのかは医療機関によっても異なりますが、一例としては次のような条件に該当する方が利用することができます。
・1ヶ月の収入が生活保護基準のおおむね120%以下の方(医療機関、診療費の全額免除・一部免除によっては対象範囲が異なります)
・人身取引の被害者の方
・DV被害者の方
・要保護者の方
・要保護者やホームレスの方
詳細については受診する予定の医療機関へお問い合わせください。
無料低額診療事業を実施している医療機関は?
残念ながら、全ての医療機関がこの無料低額診療事業を実施しているわけではありません。実施している医療機関については、全日本民主医療機関連合会(民医連)のホームページで確認することができます。
無料低額診療事業に必要な書類は?
無料低額診療事業を受けるには、収入を示す書類などの提出や面談が必要となる場合があります。申請の手続きについては本人の状況や医療機関によっても異なるため、必ず受診予定の医療機関に確認するようにしてください。
病院に行きたくても行けないのなら、無料低額診療事業の利用を
金銭的な事情やDV被害に遭っているなど、さまざまな理由から病院に行きたくてもいけないという方は、無料低額診療事業の利用を検討してみてください。
無料低額診療事業によって、お金や健康保険証がなくても医療機関で適切な診療を受けることができます。
出典
厚生労働省 無料低額診療事業・無料低額老健事業の実施状況の概要(平成30年度実績)
全日本民主医療機関連合会(民医連) 無料低額診療事業 制度の説明
全日本民主医療機関連合会(民医連) 無料・低額診療にとりくんでいる事業所
執筆者:柘植輝
行政書士