更新日: 2021.08.05 その他暮らし
非正規雇用で働く人のきびしい近況…休業手当が支給されなかった人が半数超?
昨年から休業や時短営業を繰り返す業種もありますが、非正規雇用で働く人たちの実態はどうなっているのでしょうか。
日本労働組合総連合会が発表した「コロナ禍における非正規雇用で働く人の実態と意識に関する調査2021」(※)をひも解いてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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労働時間削減は非正規雇用のみ? 勤務先の対応の違いとは
この調査は、全国18歳から65歳の非正規雇用で働く人1000名を対象に行われたものです。
まずは、直近の勤務先の対応について見てみましょう。
2位:在宅勤務(テレワーク)の実施 12.4%
3位:休業などによる自宅待機指示(業務に従事しない) 9.8%
労働時間が減った、休業になったという人は、全体の約3割という結果に。
業種別に見ると、「宿泊業、飲食サービス業」は「出勤日数および労働時間削減」が52.9%、「休業などによる自宅待機指示(業務に従事しない)」が29.4%と、上記の全体平均に比べてかなり高い数値となりました。
これらの対応について、正社員と非正規雇用で違いはあるのでしょうか。
・「非正規雇用で働く社員・職員」と「同じ業務に携わる正社員・正職員」の両方 66%
・「同じ業務に携わる正社員・正職員」だけ 1.9%
・「非正規雇用で働く社員・職員」だけ 32.1%
・「非正規雇用で働く社員・職員」と「同じ業務に携わる正社員・正職員」の両方 73.5%
・「同じ業務に携わる正社員・正職員」だけ 4.4%
・「非正規雇用で働く社員・職員」だけ 22.1%
この結果を見ると、6割から7割の企業は正社員・非正規雇用ともに労働時間削減の対応をしている一方で、2割から3割の企業は非正規雇用だけに労働時間削減の対応をしているということが分かります。
また、休業や労働時間削減期間中の休業手当の支給については、以下のとおりです。
・休業手当は6割以上支給された 18.3%
・休業手当は6割未満支給された 9.5%
・休業手当は支給されなかった 51.7%
半数以上の人が休業手当は支給されなかったと回答しています。10割しっかり支給されたという人は、2割程度にとどまりました。休業や時間短縮による手当が支給されないとなると、仕事のモチベーションを保ちにくくなりますし、生活にも支障が出てしまうのではないでしょうか。
収入が減った人が半数超え! 生活への影響は
このような状況で、非正規雇用で働く人の収入はどうなっているのでしょうか。
・収入は減少したが生活への支障はない 16%
・収入は減少していない 47.6%
収入が減ったという人が半数を超えています。さらに、そのうち生活への支障があったと回答した人は36.4%に上りました。
生活への支障に対しては、みなさん以下のような対策をとられているようです。
2位:貯蓄の取り崩し 31%
3位:国や自治体などの支援利用 4.4%
ほとんどの人が、生活費を切り詰めたり、やむを得ず貯蓄を取り崩していたということが分かりわかりました。
国や自治体などの支援は条件が合う人しか受け取れません。また、手続きなどのハードルが高く、申請する人自体少ないのかもしれません。
2位:勤務時間や労働日数が短いから 32.5%
3位:家事・育児・介護などと両立しやすいから 22%
半数近くの人が、自分の都合のよい時間に働けるのが非正規雇用のメリットと捉えているようです。
家庭の事情などでやむを得ず非正規として働く人もいるなか、補償が乏しい点は大きなデメリットです。働き方改革の一環として、非正規雇用の待遇についても、さらなる改善に期待したいところですね。
[出典]
※日本労働組合総連合会「コロナ禍における非正規雇用で働く人の実態と意識に関する調査2021」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部