更新日: 2021.09.04 その他暮らし

「卒婚」とはどのような状態のことをいう? お金の準備は必要?

「卒婚」とはどのような状態のことをいう? お金の準備は必要?
夫婦としての新しい在り方に「卒婚」と呼ばれる形態があります。それほど浸透している言葉でもなく、賛否両論のある形態ではありますが、現実として卒婚を選ばれる夫婦は存在しています。新しい夫婦の在り方、卒婚について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

卒婚の定義

実のところ、卒婚について明確な定義は存在しておらず、どのような状態を卒婚と呼ぶのかは夫婦それぞれの価値観によって決まるといっていいでしょう。
 
概ね離婚はせず、家族や夫婦としての形は残しながら個人としては適度な距離感を保ち、それぞれのライフスタイルを重視した関係を卒婚と定義することが多いようです。卒婚は同居して行われることもあれば、別居して行われることもあります。
 
卒婚することによって、お互いのいい点や自分の悪い点について意識するきっかけになり、関係が良化したというケースもあるため、夫婦関係について離婚に代わる選択肢がまさに卒婚といえそうです。
 
具体的な卒婚の例としては次のようなものがあります。


・生活は別居の形式だが、頻繁に連絡を取り、子どもを交えて定期的に家族で会っている
・同居しているが、家事は完全に分担制とし、お互いの行動や生活、友人にとどまる範囲の交友関係に干渉はしないようにしている

 

離婚と卒婚の違い

離婚と卒婚の明確な違いは、法律上、婚姻状態にあるか否かでしょう。婚姻関係を残したまま夫婦の距離を置くことが卒婚、完全に籍を抜いてしまえば離婚というイメージです。
 
「離婚はハードルが高く、まだそこまで踏み切れない」「離婚するほどではないが、夫婦として距離を置いて落ち着きたい」「少し自由が欲しい」というような場合に取る形式が卒婚で、法律上の縁を切ってしまうことが離婚だと思っていただければ、概ね間違いではないでしょう。
 

卒婚にお金の準備は必要?

卒婚をどのような形式で行うかにもよりますが、お金はあるに越したことはありません。
 
結局、お金がなければ卒婚しても配偶者に頼ることになり、適度な距離感とならないこともあるからです。自由になるために卒婚したいという場合であれば、なおのことでしょう。
 
仮に配偶者からお金の支援を受けたとしても、その金額が十分とはいかないこともあります。特に別居の形式で卒婚する場合は支出もかさみやすいため、お金の準備は念入りに行いたいところです。
 

卒婚を切り出すときや卒婚中に気を付けたいこと

卒婚は離婚につながるリスクがあるということを、まず肝に銘じてください。自分は距離を少し置きたいだけで、家族としての関係までは切りたくはないと考えていても、卒婚を切り出された相手が同じ気持ちとは限りません。
 
卒婚を切り出すタイミングによっては、そこで相手の気持ちが冷め、そのまま離婚へと発展する可能性は十分にあります。卒婚も離婚と同様に、その後の生活などについて十分に考えた上で切り出し、相手としっかり話し合う必要があるでしょう。
 
また、卒婚中も婚姻関係は続いています。そのため、相続の問題や冠婚葬祭、介護や生活費、子どもの養育費、異性との交際など、通常の婚姻関係において問題となることは卒婚中も問題となることがあります。
 
先に述べたように、卒婚の在り方は夫婦によって千差万別です。
 
不要なトラブルを回避しつつ、卒婚によって夫婦の関係をより良いものとしていくためにも、今後の関係性については十分に話し合い、卒婚についてお互いにルールを決めておいたり、可能であればルールについて定めた協議書を作成しておくのもよいでしょう。
 

卒婚の在り方は夫婦によってさまざま。それに応じた準備を!

卒婚とは婚姻関係は残したまま、夫婦がお互いに個人としての生き方や生活を優先する新しい夫婦の在り方です。同居しながら卒婚をすることもあれば、別居してする場合もあり、その在り方は夫婦によって本当にさまざまです。
 
夫婦関係は大切にしながらも自由を求めて選んだ卒婚なのに、逆につらい思いをしてしまうことのないよう、卒婚をするのであれば、お金の問題を含めて十分な準備と話し合いをするようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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