この酒税法改正、いわゆるビール減税から1年。施行当時と今でビールの購入意欲はどれくらい変化しているのでしょうか。
株式会社リサーチ・アンド・イノベーションが発表した減税当時の調査結果(※1)と、酒文化研究所が発表した1年後の調査結果(※2)をチェックしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ビール減税当時のビール購入意欲は?
2020年の酒税法改正で税金がどれくらい変わったかというと、350mlあたりビールが77円→70円に、清酒が42円→38.5円に下がり、新ジャンルは28円→37.8円に、果実酒が28円→31.5円に上がっており、発泡酒は46.99円のままといった状況です。(※1)
ビール減税2週間前、1週間前、ビール減税後1週間のビール購入本数の推移は以下のとおりでした。(株式会社リサーチ・アンド・イノベーションが運営する家計簿アプリに登録されたレシートと商品バーコード情報を基に計算)(※1)
●減税2週間前:2万2151本
●減税1週間前:1万6076本
●減税1週間後:2万1398本
減税2週間前と減税1週間後でそこまで変化はないものの、減税1週間前はガクっと減っているのがわかります。「そろそろ減税だから今買ったら損」と気づいて買い控える人が多かったのかもしれません。
ただ、減税後でもそこまで爆発的に本数が伸びているというわけではなさそうです。安くなったとはいえ、まだ発泡酒でいいという人も多かったのでしょうか。
参考までに、税金が上がった新ジャンルについては以下のような推移に。
●増税2週間前:7万0297本
●増税1週間前:11万5133本
●増税1週間後:2万0826本
こちらは増税1週間前の駆け込みがすごい勢いになっていました。10円近くの増税となったためか、増税後は著しく購入本数が減っています。ひょっとしたら、この買い込んだ新ジャンルを消費するまでビールには手を出さない……という人も少なくなかったのかもしれません。
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お酒好きの人たちはビール減税に敏感?
さて、酒税率改正の最終地点は、ビール類の税率一本化。ビール、発泡酒、新ジャンルについて、今後2023年10月と2026年10月の酒税率改正を経て一律54.25円に一本化されることがスケジューリングされています。(※2)
これについて、お酒好きのみなさんは詳細を把握しているのでしょうか。お酒好き134人を対象に行われた調査結果を見てみましょう。(※2)
●よく知っている 31%
●少し知っている 54%
●あまりよく知らない 13%
●まったく知らない 2%
多かれ少なかれ詳細を把握している人は8割を超えています。知らないという人は15%にとどまっており、さすがお酒好きの人たちといった印象です。日頃からお酒を好む人たちにとって、自分の出費にダイレクトに関係する酒税法改正は、非常に興味深いトピックということがわかります。
ビール減税から1年、自宅でビールを飲む機会は増えた?
ビール減税から1年経った今、自宅でビールを飲む機会は増えているのでしょうか。
●増えた 18%
●変わらない 80%
●減った 3%
●増えた 8%
●変わらない 78%
●減った 14%
●増えた 18%
●変わらない 77%
●減った 5%
いずれも変わらないがもっとも多いですが、増税になった新ジャンルのみ、「減った」が「増えた」を上回っています。
同調査によると、コンビニでの350mlの価格はビールが226円前後から219円前後に、新ジャンルは150円前後から160円前後になったとのこと。「税額は高くなっても商品価格としてはビールより安いから、まだまだ新ジャンルを飲む」という人も少なくないのかもしれませんね。
いまビールの税金は70円ですが、2023年10月には66.35円に、さらに2026年10月には54.25円になる予定です。5年後には今よりビールが15円以上安くなると思うと、なんだか待ち遠しい気もします。そのころにはみなさんの食卓にビールが並ぶ機会もグッと増えているのかもしれませんね。
※1 株式会社リサーチ・アンド・イノベーション 【超速報】酒税法改正でビールは売れた?新ジャンルは?
※2 酒文化研究所 ビール減税から1年、「自宅でビールを飲む機会が増えた」は18%
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部