お年玉総額の平均はいくら? 中高生の約6割が合計1~5万円もらっている?
配信日: 2022.01.03
そこで、みんなどのくらいお年玉をもらっているのか、またその使い道は何か、データを見ながら、お年玉の金額や管理についてお伝えします。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
お年玉はほとんどの子がもらっている
金融広報中央委員会のウェブサイト『知るぽると』による「子どもの暮らしとお金に関する調査(第3回)2015年度」によると、ほとんどの子がお年玉をもらっています。もらった相手は祖父母が8~9割と最も多く、次いで親戚、親となっています。
お年玉の総額としては、下記の金額が最も多い割合です。
小学生 低学年:1万円くらい 24%
小学生 中学年:1万~1万9999円 30.5%
小学生 高学年:1万~1万9999円 26.5%
中学生・高校生:1万~5万円未満 64.7%
上記は総額の金額ですから、個別にいくらもらったのか、までは分かりません。しかし、これは筆者の個人的な見解ですが、下記が年齢別の適正なお年玉の金額の目安になるのではないでしょうか。
未就学児 ~500円
小学校低学年 1000~3000円
小学校高学年 3000~5000円
中学生 5000~7000円
高校生・大学生 1万円
未就学児の場合、お金の価値が分からなければ、あげる必要はないと思いますが、お金に興味を持っているなら、少額のお年玉をあげることで金銭教育ができます。お金で物が買えること、お金には種類があってそれによって買えるものが違うことを伝えるとよいでしょう。
お年玉の使い道
『知るぽると』の調査では、お年玉の使い道で最も多いのは以下の回答です。
小学生:銀行や郵便局などに貯蓄する 約5割
中学生:おこづかいで足りないものを買う 約5割
高校生:おこづかいで足りないものを買う 約6割
銀行や郵便局に貯蓄をする割合は小学生が最も多いのですが、中学生や高校生でも約4割います。貯蓄をするなら、お金を銀行や郵便局に預けると思いますが、その際は、子どもが小学生でも、本人が手続きすることをお勧めします。
窓口でお金を預ける、ATMから入金する、どちらの方法でも良いですが、この手続きをすることが預金することであり、貯まることにつながるということを学習できます。
自分の貯金額にも興味が出て、貯蓄をすることやお金の価値を同時に理解できるようになります。大人がすべて管理するのではなく、子どもを主体にして大人はお手伝いする程度にとどめておきましょう。
なお、中学生で約3割、高校生で約2割がお年玉を家の人に渡すと回答しています。もしかすると、親が生活費にあてている可能性もありますが、お年玉は子どものお金。管理は本人に任せないと本人がお金の管理をできなくなってしまいます。
中学生や高校生の場合は、本人に管理を任せるのがよいでしょう。
お年玉の管理を本人にさせる理由
子どもが小学生以上なら、お年玉の管理は基本的に子ども本人にさせることをお勧めします。本人が管理しきれない金額や、子どもが未就学児の場合は別ですが、子どもがお年玉の管理から学ぶことは多いものです。
自ら管理をすることで、物の価値が分かり、その物が安いのか高いのか金銭感覚を身に付けられます。貯蓄をする経験も大切ですが、欲しいものを手に入れる経験も大切です。当然ながら欲しいものを買うとお金はなくなりますが、なくなるに値する買い物かどうかは、子どもは経験から学びます。
お年玉はお金の管理方法を学べる貴重な機会です。子どもを主体にして親子で管理について話し合うのもよいでしょう。子どもの年齢に合った対応をしつつ、基本的にはお年玉の管理は子どもに任せましょう。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると「子どもの暮らしとお金に関する調査(第3回)2015年度」
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ