更新日: 2022.03.29 子育て
「18歳成人」で巻き込まれる犯罪が増える? 親が注意しておくこととは?
また、併せて女性の婚礼開始年齢が、現状の16歳から18歳に引き上げられる点も注目されています。
今回の改正で、これまで成人とみなされなかった18歳以上20歳未満の人が名実ともに成人とみなされることにより、その年齢に該当する人たちが犯罪に巻き込まれることを危惧する声も上がっています。
そのような中で、親が注意しておくべき点とはどのようなものなのでしょうか。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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18歳成人でどのようなことができるようになる?
成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、2022年4月1日から18歳および19歳の人は、例えば、以下のことができるようになりました。
1.携帯電話の購入
2.賃貸物件の契約
3.クレジットカードの作成
4.自動車ローンの契約、など
これまでは、このような行為は親の同意がなければできないことになっていました。しかし2022年4月1日以降は親の同意なしで行えます。
親の同意なくして契約できることへの危惧
前述したことが、親の同意がなくてもできるようになることから、以下のような犯罪に巻き込まれる可能性が危惧されています。
■消費者トラブル
18歳になれば親の同意がなくてもクレジットカードを作れるほか、カードローンの利用も可能です。
18歳といっても高等学校を卒業したばかりで、契約についての知識が身についていないことも十分に考えられます。そのような状態で、悪徳業者に高額商品を売りつけられたり、マルチ商法や投資詐欺などの被害に遭ってしまったりする可能性は否定できません。
また、十分な説明を受けないままエステティックなどの高額の契約を結ぶことも予想されます。
もちろん、支払い能力があれば問題ありませんが、18歳や19歳といった年齢で支払い能力に余裕がある人は限られるでしょう。
このような被害を避けるためにも、早いうちから、世の中にはこのようなトラブルが存在すること、そしてトラブルに巻き込まれた際の対処法について知っておく必要があります。
消費者トラブルに遭った際の対処法とは?
トラブルに遭わないよう、ご家庭でさまざまな話し合いや指導をされることはもちろんですが、万が一、前述のような消費者トラブルに遭った際の対処法を理解しておき、トラブルに遭った際には早めに対処することが大切です。
■クーリング・オフ
クーリング・オフとは、一度契約したとしても、一定期間内であればその契約を無条件で解約できる制度です。これは特定商取引法によって規定されており、その契約の種類によって解除可能な期間が異なります。
例えばキャッチセールスなどの場合であれば8日間、モニター商法などであれば20日間などと定められています。
しかし、店舗や通信販売で買った(契約した)商品はクーリング・オフの対象外ですので、注意が必要です。
また、クーリング・オフを行う場合は、必ず書面で行うことが大切です。そして、クーリング・オフができる期間内に書面を送付するようにしてください。
通信販売の場合は、基本的にクーリング・オフはできないとされていますが、返品などの特約がある場合はそれに従うことになります。
クーリング・オフに関して不明な点があれば、最寄りの消費生活センターに相談するようにしましょう。
■消費者契約法に基づく取り消しおよび無効
消費者契約法では、不当な勧誘によって締結させられた契約については、取り消すことができるとしています。
また、「契約締結後はいかなる理由があっても解約できない」など、消費者側の利益を不当に害する契約条項は無効とされています。
成人だという自覚を持つこと
一番の対応策は、そのような被害に遭わないよう、子どもに、成人になるにあたっての自覚を持たせることです。18歳になったら自分の意思で行った契約は有効となることに対する責任について、しっかりと話し、理解してもらうことが大切です。
そのうえで、自分では決められないと思った話については、即答せずに持ち帰る、もしくはその場で断る勇気を持たせることも大切だといえるでしょう。
そのためにも、日頃から不安や悩みを相談できる関係を築いておくことが必要です。さらに、クーリング・オフの制度や消費者契約法の内容を知っておくことで、被害に遭った際にも最小限に食い止めることができるでしょう。
まとめ
18歳成人の親にとって最も心配なのは、消費者トラブルに巻き込まれることでしょう。
成人として認められるということは、自分の行動に責任を持つことになるため、そのことを十分に理解してもらう必要があります。
世の中にはいろいろな犯罪があること、そして、それに対してどのように対処したらよいのかを、18歳になるまでにしっかりと話をし、理解を深めてもらうことが大切です。
ただし、18歳になったからといってすべてが認められるわけではなく、飲酒や喫煙はこれまでどおり20歳からしか認められないことや、競馬など一部の公営ギャンブルについても20歳からとなっている点も、併せて認識しておきましょう。
出典
(※1)法務省 民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について
(※2)消費者庁 不当な契約は無効です! ―早分かり!消費者契約法―
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員