更新日: 2022.05.19 子育て
多子世帯の保育料負担を軽減! “きょうだいカウント”ってなに?
この記事では、割引制度の内容と割引が適用される「きょうだいカウント」についてお伝えします。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
割り引きは「きょうだいカウント」によって決まる
保育料の割り引きは、その子どもが何人目の子どもかによって決まります。
基本的には、1人目は全額負担(割り引きなし)、2人目は半額、3人目は無料です。しかし、この“何人目”というカウント方法が、単純に何番目の子どもというカウントの方法ではないため、やや複雑です。
保育園の場合、小学1年生以降はきょうだいとしてカウントしません。したがって、小学3年生、5歳、3歳のきょうだいの場合は、5歳が1人目となり全額負担、3歳の子が2人目で半額となります。
【図表1】
(筆者作成)
ちなみに幼稚園の場合、小学校3年生までの子を1人目と数えるため、小学3年生、5歳、3歳のきょうだいの場合、5歳の子が2人目で半額、3歳の子が無料です。
以上が、きょうだいカウントの基本的な考え方ですが、幼児教育・保育の無償化により、3歳以降の幼稚園・保育園利用料は無料ですから、実質利用料の負担が発生するのは0~2歳の子を保育園に預けている場合のみになるでしょう。
例えば、5歳、2歳、0歳のきょうだいの場合は、5歳は1人目ですが無償化対象のため保育料負担なし、2歳は2人目で半額、0歳は3人目で無料となります。
年収約360万円未満世帯とひとり親世帯のきょうだいカウント方法
年収約360万円未満世帯とひとり親世帯の場合、きょうだいカウントの方法が異なり、保育料の負担がさらに軽減されます。
まず、1人目の子の年齢条件がなくなるため、小学1年生以降でも、きょうだいとしてカウントされます。さらに、ひとり親の場合は、1人目から半額です。
【図表2】
(筆者作成)
自治体によってさらに負担軽減策も
これまでお伝えしてきたのは、国のきょうだいカウント制度です。しかし、自治体によっては、国の制度に上乗せして、より負担軽減されるカウント方法をとっているところもあります。
例えば東京都の場合、小学1年生以降もカウント対象となるため、単純に何番目の子かで保育料が決定します。国の制度では、年収約360万円未満相当世帯でないと、小学1年生以降はカウント対象となりませんが、東京都では年収にかかわらず、小学1年生以降もカウント対象という形です。
給食副食費の免除対象者とは
給食費は無償化対象外のため、保護者負担ですが、多子世帯の場合は副食費が免除されます。
給食費は主食費(米など)と副食費(おかず、おやつ等)からなりますが、年収約360万円未満世帯の場合、1人目から副食費が免除、年収約360万円以上世帯の場合でも3人目以降は副食費が免除となります。
この場合の3人目のカウント方法は、小学1年生以降をカウントしないルールと同じです。
まとめ
幼児教育・保育の無償化によって、保育料を負担する期間は0~2歳のみとなりました。しかし、0~2歳の保育料は高いですから、きょうだいカウントで割り引きが適用されると、家計の負担は大きく変わります。
保育料の負担がどの程度になるのかを知っておくと、家計改善もしやすくなるでしょう。
出典
内閣府 幼児教育・保育の無償化について(日本語)
内閣府 幼児教育・保育の無償化概要
内閣府 幼児教育・保育の無償化の実施に伴う食材料費の取扱いについて
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ