年金生活でも生活保護は受けられる? 受給金額や条件を解説

配信日: 2022.05.30

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年金生活でも生活保護は受けられる? 受給金額や条件を解説
年金受給者で「年金が少なくて生活が厳しい。生活保護は受けられる?」など疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
 
結論からいえば、年金生活でも生活保護を受けられます。年金額が最低生活費より少なく生活に困窮している場合は、生活保護費を受給できる可能性があります。
 
ここでは、生活保護の内容や条件、受給金額などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護とは

 
生活保護とは、さまざまな理由で生活に困窮している方を経済的に援助する、国の制度です。生活保護法をもとに、最低限度の生活の保障や自立を支援することを目的としています。
 
「就労しているが必要な生活費が稼げていない」「年金などの社会保障給付を活用しても必要な生活費には足りない」「車や貯金などすぐに活用できる資産がない」など、困窮の程度に応じた保護が行われる制度です。生活保護は世帯単位で行われます。
 
世帯収入が、国が定める最低生活費に満たない場合に、不足額を生活保護費として受け取れます。そのため、世帯収入が最低生活費を超える場合は、生活保護を受けられません。
 

年金生活でも生活保護を受けることは可能

 
年金生活をしている方でも、生活保護を受けられます。生活保護は、年金や手当などの社会保障給付を活用しても、必要な生活費を得られないという方も対象となるためです。
 
国が定める最低生活費から年金などの収入を差し引き、その差額を生活保護費として受給できます。
 
厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和4年1月分概数)」によると、被保護世帯数163万6141世帯(保護停止中を含まない)のうち、高齢者世帯は90万6652世帯で構成割合は55.4%(前年同月比+0.5%)でした。
 
このことから、年金生活で生活保護を受けている方は非常に多いことが分かります。
 

生活保護の受給額

 
生活保護費は、収入が国の定める最低生活費に満たない場合に受け取れます。例えば、最低生活費が13万円で収入が11万円の場合、生活保護費は2万円となります。
 
最低生活費は居住地や世帯人数などの条件によって異なります。生活保護費は8つの扶助で構成されており、図表1のように、生活を営む上で生じる費用に対して支給されます。
 
【図表1】

生活を営む上で生じる費用 扶助の種類 支給内容
日常生活に必要な費用
(食費、光熱費、被服費など)
生活扶助 ・基準額は「食費などの個人的費用」「光熱費などの世帯共通費用を合算して算出」
・母子家庭など特定の世帯には加算あり
家賃 住宅扶助 定められた範囲内で実費支給
義務教育を受けるための学用品費 教育扶助 定められた基準額を支給
医療サービス費用 医療扶助 医療機関へ直接支払い(本人負担なし)
介護サービス費用 介護扶助 介護事業者へ直接支払い(本人負担なし)
出産費用 出産扶助 定められた範囲内で実費支給
就労に必要なスキル習得にかかる費用 生業扶助 定められた範囲内で実費支給
葬祭費用 葬祭扶助 定められた範囲内で実費支給

※厚生労働省「生活保護制度」より
 
また、最低生活費は、以下A~Fを合算して求めます。

A:(「生活扶助基準(第1類+第2類)(1)×0.855」または「生活扶助基準(第1類+第2類)(2)」のいずれか高い方)+生活扶助本体における経過的加算
B:加算額
C:住宅扶助基準
D:教育扶助基準、高等学校等修学費
E:介護扶助基準
F:医療扶助基準

例えば、東京都国分寺市在住で40歳、単身世帯の場合、Aは7万6310円、Bは0円、Cは5万3700円(ただし実費支給)、Dは0円、Eは居宅介護などにかかった介護費の平均月額、Fは診療などにかかった医療費の平均月額です。
 
これらの費用から、最低生活費は13万10円(実費負担の住宅扶助含む)+介護・医療費の平均月額となります。
 
※上記は概算となりますので実際とは異なる場合があります。
 

生活保護を受ける注意点

 
生活保護の申請をした場合、福祉事務所による訪問調査や資産調査、審査が行われます。また、生活保護受給開始後は、ケースワーカーによる訪問調査が年数回あり、指導に従う必要があります。生活保護受給中は、収入状況を毎月申告しなくてはいけません。
 
自動車などの資産を持っている場合は、生活保護受給にあたり処分が必要です。
 
収入が最低生活費を上回る場合は生活保護費を受け取ることはできないので注意してください。
 

年金+生活保護の受給は可能。受給額は最低生活費や年金額で変わる

 
年金生活者であっても生活に困窮していて条件を満たせば、生活保護を受けることは可能です。
 
最低生活費から年金収入などを差し引いた差額を生活保護費として受給できます。そのため、生活保護費は年金額や最低生活費によって変わります。
 
年金生活者で生活保護を検討している場合は、居住地域を所管する福祉事務所の生活保護担当まで相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
東京都福祉保健局 生活保護制度とはどのような制度ですか。
厚生労働省 被保護者調査(令和4年1月分概数)
厚生労働省 「生活保護制度」に関するQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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