更新日: 2022.05.31 子育て
大学生の一人暮らし、アパートと寮ではどっちが経済的?
そこで、大学生が一人暮らしする上で、賃貸アパートと食事付きの学生会館のそれぞれの費用について算出し、親への負担が少ない方がどちらなのかをご紹介していきます。
執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)
二級ファイナンシャルプランニング技能士
大学生の一人暮らしに掛かる費用はいくら?
大学生が一人暮らしにかかる費用として大きく2つ、家賃と生活費があります。それぞれご紹介します。
・一人暮らしにかかる家賃
一人暮らしをしている大学生の全国の平均家賃(2021年)は、全国大学生活協同組合連合会によると月額5万3920円です。
家賃は月の家賃だけではなく、賃貸物件に入居する際に、敷金や礼金、仲介手数料、火災保険などの初期費用を支払わなければなりません。初期費用は、それぞれを家賃の1ヶ月分として、およそ家賃の5ヶ月分がかかると考えておきましょう。
また賃貸アパートの契約期間は、2年間であることが多く、更新料としておよそ家賃の2ヶ月分がかかるため注意が必要です。
・一人暮らしの生活費
一人暮らしをしている大学生の全国の平均生活費は、全国大学生活協同組合連合会によると月額7万1120円です。生活費の内訳とかかる費用は、次のとおりです。
・食費:約2万9000円
・光熱費:約9000円
・日用品:約5000円
・通信費:約9000円
・交通費:約1万1000円
・娯楽費:約8000円
このほかに家具の購入費として約5〜10万円などもかかってきます。
食事付き学生会館にかかる費用はいくら?
大学生が食事付き学生会館に入居する場合にかかる費用として、初期費用と月額費用があります。それぞれをご紹介します。
・初期費用
食事付き学生会館の初期費用は、入館費や保証金、管理費があります。
入館費は、学生会館に入館する際にかかる費用です。1年や2年契約があり、学生会館ドーミーの2年契約の場合、16万円です。4年契約になると24万円と安くなります。
保証金は、入館する上での館費の不払いなどを保証するものです。学生会館ドーミーでは費用は約5万円で、学生会館によって金額が異なります。
管理費は、共用となる光熱費などのことです。月額約2万円前後かかります。年間管理費としてまとめて支払うところもあるため注意が必要です。
・月額費用
食事付き学生会館の月額費用は、館費や食費、光熱費があります。
館費は、賃貸住宅の家賃と同じようなもので月々にかかる費用です。月額約6万円前後のものが多いです。食費は、朝夕の学生会館での食事代です。東仁学生会館の場合月額約2万6000円かかります。光熱費は、自分の部屋の電気代やインターネット利用料です。月額約7000円かかります。
このほかに、携帯電話代約5000円などがかかってきます。
親への負担が少ないのは「一人暮らし」か「食事付き学生会館」のどちらか?
これまで一人暮らしと食事付き学生会館でかかる費用についてご紹介してきました。それぞれを表にまとめると図表1のようになります。
【図表1】
賃貸アパート | 食事付き学生会館 | |
---|---|---|
初期費用 | 27万円
敷金・礼金・仲介手数料・火災保険など |
24万円
入館費 |
10万8000円
更新料など |
5万円
保証金 |
|
10万円
家具購入費など |
||
月額費用 | 5万4000円
家賃 |
6万円
館費 |
7万1000円
食費・光熱費・日用品・通信費・交通費・娯楽費 |
6万2000円
管理費・食費・光熱費・携帯電話代 |
|
月額合計 | 12万5000円 | 12万2000円 |
食事付きの学生会館は、賃貸アパートよりも安くなります。しかし入館する場所によって費用が異なるため、賃貸アパートよりも高くなるケースがあるので注意が必要です。
賃貸アパートの場合、自分で自炊するのであればトータル費用は安くなります。初期費用や更新料などを考えると、賃貸アパートは高くなりますが、月額費用を抑えようと思えば抑えることができます。
大学生になってどのような学生生活を送りたいのか、そして生活の利便性などから考えて、賃貸アパートか学生会館の選択をするとよいでしょう。
出典
全国大学生活協同組合 第57回学生生活実態調査 概要報告
株式会社共立メンテナンス 学生会館ドーミー 学生寮の費用について(学生会館)
株式会社東仁 東仁学生会館 学生寮にかかる生活費
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士