
それでは、安全性はどのように担保されているのでしょうか。この記事では、警視庁の資料をもとに警察のパトカー運転資格について詳細を説明していきます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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パトカーとは?
警察が運用する警ら用パトロールカーを略して「パトカー」と呼んでいます。パトカーは、緊急用務を遂行する目的を持ち、サイレンを鳴らして赤色警光灯をつけて運転しているときには「緊急自動車」になります。
この要件とされるサイレンと警光灯は、所定の仕様を満たしたものが必要です。サイレンは、当該自動車の前方20メートルの位置で90デシベル以上120デシベル以下の音圧が要求されます。警光灯は、赤色で前方300メートルの距離から点灯を確認できる性能が必要です。
パトカーに乗務できる資格
パトカーや白バイに乗務するには管轄する公安委員会などが行う研修を受け、検定に合格する必要があります。つまり、通常の運転免許証に加えて、警察内部での資格がないと乗務が許可されません。
地域により資格取得プロセスが異なるようですが、警視庁であればその詳細は「警視庁自動車運転技能検定規程」に詳しく書かれています。この文書によれば、検定の目的は警視庁警察職員の運転技能の向上及び交通事故の防止を図ることと記されています。
・検定種目
検定の種目としては、普通技能検定と自動二輪技能検定に分かれており、前者はA級とB級があります。なお、緊急走行ができるのはA級検定資格及び自動二輪検定資格取得者に限られるのです。
とはいえ、緊急対応が必要な事件が起こったときに、所属長はB級検定資格者や資格を持っていない警察職員に運転を許可してもよいとの記載があります。つまり、緊急時には上長の許可があれば資格の有無に関わらず、パトカーを運転できる可能性があるのです。
・検定内容
普通技能検定の内容については、学科、技能、整備で構成される「運転技能の審査」と「心理適性検査」の2つの分野があります。合格基準は前者がそれぞれ80点以上、後者は5段階評価の3以上が必要です。
一般的な資格試験の合格点は6割から7割に設定されているものが多いですので、警視庁の技能検定試験の難易度は高いといえるでしょう。
・特例合格者
合格には特例が設けられています。退職者が一般非常勤職員として勤務しているとき、退職前に普通技能検定資格保持者であったときには、合格者とみなすことになっています。
また、道府県警察から特別採用された職員は、所属上長からの申請による審査で問題がなければ合格者とみなされます。
パトカーを運転できる資格は高難易度
パトカーなどの警察車両に乗るには、かなり難易度の高い検定に合格する必要があります。さらに、サイレンを鳴らし、赤色警光灯をつけて走る緊急走行が許可されるのは、検定の中でも一段レベルが高い資格保有者に限られているのです。
彼らの運転技術の高さについては、動画サイトなどにアップロードされた競技大会の映像でも確認できます。興味がある人はチェックしてみましょう。
出典
長野県警察 緊急自動車等とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部