更新日: 2022.06.13 子育て

子どもが3人いる世帯の教育資金の目安は? 国立大学と私立大学で徹底比較

子どもが3人いる世帯の教育資金の目安は? 国立大学と私立大学で徹底比較
子どもの教育資金としてどれくらい用意すべきなのか、これは子育て世帯に共通する大きな悩みともいえます。複数人の子どもがいる世帯の場合は、なおのことでしょう。
 
そこで今回は、子どもが3人いる世帯についての教育資金の目安を、子どもが国立大学と私立大学に進学する場合とで比較してみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

高校生までの学費はどれくらいかかる?

文部科学省の「子供の学習費調査」(平成30年度)によれば、幼稚園から高校まで、すべて公立に通った場合の学費の総額の平均は541万円となっています。
 
幼稚園が私立で、それ以外は公立という場合の総額は635万円、幼稚園と高校のみ私立では788万円、またすべて私立に通った場合は1830万円ほどかかるようです。
 
【図表1】

図表1

 
出典:文部科学省 「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
 
少なくとも子ども1人当たり、高校卒業までの学費として550万円程度、3人であれば1650万円程度が必要となります。
 

大学進学にはお金がかかる

特にお金がかかる習い事をさせていたり、私立の学校に通わせるケースでもない限り、子どもの教育費で本格的にお金がかかってくるのは大学からです。
 
日本政策金融公庫の調査(令和元年度)では、国公立大学に入学した場合の学費の平均は、入学費用で71万4000円、在学中の費用で428万円となっています。子ども3人が国立大学に進学すると、入学費用と4年間の学費で合計1500万円近くが必要となりそうです。
 
一方、私立大学の文系の場合は入学費用で86万6000円、在学中の費用で630万4000円、子ども3人の合計は2151万円です。
 
同じく私立大学の理系では、卒業までの学費の総額が平均で822万円ほどとなっており、子どもが3人とも理系に進学することになれば、目安となる学費は2400万円を超えます。
 
【図表2】

図表2

 
出典:日本政策金融公庫 「子ども1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)が減少 ~令和元年度「教育費負担の実態調査結果」~」
 
なお、大学進学に当たって1人暮らしをするケースもあると思いますが、参考までに同調査では、1人暮らしなど自宅外から大学へ通学する場合の初期費用の平均は39万1000円、仕送りの平均は月額8万5000円(年間約102万円)となっています。
 

教育資金はどう捻出するべきか

大学は子ども1人当たり、国立でも平均で約500万円、私立大学は文系で約720万円、理系なら約822万円が卒業までに必要な教育資金の目安となります。3人の子どもを大学まで行かせるとなれば、合計で1500万円から2500万円程度となる計算ですが、世間一般の家庭では子どもの教育資金を、どのように捻出しているのでしょうか。
 
前述した日本政策金融公庫の調査結果によれば、多くの世帯が大学の学費について、家計の節約をはじめ、預貯金や保険などの取り崩しのほか、本人のアルバイトや奨学金で賄っているようです。
 
それでも教育資金が賄いきれないという場合は、国や銀行などの教育ローンを利用するという方法もありますが、いずれにせよ、教育資金は子どもの将来を見据えて、計画的に準備することが大切です。
 

子どもの教育資金は早めの準備を

子どもが大学に進学すると、かなりの金額の教育資金が必要となりますが、子どもが3人いるという世帯においては、その負担は相当なものとなるでしょう。
 
子ども全員を大学へと考えている場合、なるべく早いうちから計画的に、また状況によっては教育ローンなどで融資を受けることも検討しながら、教育資金の準備を進めるようにしてください。
 

出典

日本政策金融公庫 子ども1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)が減少 ~令和元年度「教育費負担の実態調査結果」~
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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