更新日: 2022.06.13 子育て

子ども3人を高校から大学まで私立に入れると、学費の総額はどのくらいになる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

子ども3人を高校から大学まで私立に入れると、学費の総額はどのくらいになる?
子どもの将来の学費をどのくらい用意すればよいか、悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。高校、大学と私立学校に通うとなると、子ども1人あたりの学費が非常に大きな金額になるケースが少なくありません。
 
本記事では、子どもが3人いる家庭を例に、子ども全員が私立高校、私立大学に入った場合に学費の総額はいくらになるのか、文部科学省などの調査資料をもとに解説します。ぜひ、学費に充てる資金の準備計画を立てる際の参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

私立高校の学費の平均金額と内訳

 
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果」によると、私立高校における学習費総額について1年間の平均金額は約72万円です。含まれる費用の項目と金額の内訳は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

費用の項目 金額
授業料 23万26円
学校納付金等 21万5999円
図書・学用品・学習材料費等 4万2675円
修学旅行・遠足・見学費 5万3999円
教科外活動費 5万6224円
通学関係費 11万4043円
その他 6085円
合計 71万9051円

 
高校を3年間で卒業した場合、入学から卒業までにかかる学費は、子ども1人あたり72万円×3年間=216万円です。子どもが3人いる家庭で3人とも私立高校に入れると、学費の目安はトータルで216万円×3人分=648万円となります。
 

私立大学の学費の平均金額と内訳

 
日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」によると、私立大学(昼間部)の1年間の学費の平均金額と内訳は、図表2のとおりです。
 
【図表2】

費用の項目 金額
授業料、その他の学校納付金 119万5700円
修学費、課外活動費、通学費 11万5000円
合計 131万700円

 
1年間の学費は約131万円なので、大学を4年間で卒業した場合、1人あたりの学費は131万円×4年間=524万円となります。子ども3人を私立大学に入れた場合のトータル費用は、524万円×3人分=1572万円、高校にかかる648万円と合わせると、2220万円ほどの費用が必要な計算です。
 
また、私立大学の場合、文系・理系・医歯系のいずれの学部に入るかによって、授業料などの金額に大きな差がある点に注意しましょう。一般的には、医歯系・理系・文系の順に学費が高額な傾向があります。
 
例えば、文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査」では、初年度の学費として、医歯系では授業料だけでも300万円近い費用が必要という結果が出ています。子どもが学費の高い学部を希望することも想定して、十分に余裕のある費用を準備しておくのが理想です。
 

私立高校・私立大学の学費の減免制度

 
2022年現在、私立高校・私立大学の学費の減免制度として「私立高等学校授業料の実質無償化(高等学校等就学支援金制度)」と「高等教育の修学支援新制度」が実施されています。そのため、制度を利用できれば、私立高校・私立大学に子どもを入れた際の金銭的な負担を、大きく軽減できる可能性があります。
 
それぞれの制度の内容を、以下にまとめました。
 

■私立高等学校授業料の実質無償化(高等学校等就学支援金制度)

年収590万円未満の世帯を対象に、高等学校授業料の一部または全部を支援する制度です。私立高校に通う場合は、世帯の年収などに応じて最大で年額39万6000円が支給されます。年収590万円を超える世帯でも、年収910万円未満までの世帯は年額11万8800円を受給できます。なお、年収は両親と高校生・中学生の子の4人家族で、両親の片方が働いている世帯の目安です。
 

■高等教育の修学支援新制度

大学などに通う住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生を対象に、授業料・入学金の減免と給付型奨学金支給の2つの方法を合わせて、修学を支援する制度です。私立大学(昼間部)に通う場合、世帯収入や自宅からの通学や一人暮らしなどの条件に応じて、年間で次の金額の支援が受けられます。

●入学金の減免:約26万円
●授業料の減免:約70万円
●給付型奨学金:自宅生3万8300円、自宅外7万5800円

※いずれも住民税非課税世帯の場合

 

子ども3人を私立高校・私立大学に入れると学費は総額2000万円以上

 
子ども3人を私立高校・私立大学に入れると、全員の卒業までにトータルで2000万円以上の学費がかかる可能性があります。お子さんがどのような進路を希望してもできるだけかなえてあげられるよう、進学に備えてしっかり資金を準備しましょう。
 
また、世帯年収などの条件に合致する場合は、公的な支援制度を利用できます。自分の家庭で制度を利用できるかどうかも、事前に確認しておくとよいでしょう。
 

出典

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
文部科学省 私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 (資料1)平成30年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について
文部科学省 2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレッ卜
文部科学省 高校生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度 (授業料等減免と給付型奨学金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集