子ども1人に毎月いくらかかる? 年収300~800万世帯別の平均を調査
配信日: 2022.06.14
そこで今回は、年収300~800万円の世帯における、子ども1人当たりの子育て費用について調べてみました。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
世帯年収300~800万円の世帯における毎月の子育て費用の平均は?
子育てにかかる費用は、基本的に子どもの年齢が高くなるにつれて高くなっていくようです。また、世帯年収が低いほど、子育てに必要な費用の負担率が高くなっています。
第1子を基準に、子どもの年齢が未就学から中学生まで、順を追って子育て費用の平均をみていきます。
あくまでも統計を基にみていくため、実際は必ずしも全ての世帯が該当するわけではないことをご容赦ください。
未就学児の場合
【図表1】
世帯年収 | 月額の子育て費用(月平均) 単位:円 |
---|---|
300万円から400万円未満 | 5万9218円 |
400万円から500万円未満 | 6万8401円 |
500万円から600万円未満 | 7万559円 |
600万円から700万円未満 | 7万4919円 |
700万円から800万円未満 | 8万2859円 |
800万円から1000万円未満 | 8万7568円 |
※内閣府 インターネットによる子育て費用に関する調査報告書【概要版】より筆者作成
未就学児であっても、月当たり子育ての費用には、おおよそ6万円は必要と考えた方がよさそうです。
子育てにかけるお金も年収に比例して高くなっており、未就学児とはいえ、年収800万円以上の世帯は9万円近く子育てに使っているようです。
保育所・幼稚園児の場合
【図表2】
世帯年収 | 月額の子育て費用(月平均) 単位:円 |
---|---|
300万円から400万円未満 | 8万1233円 |
400万円から500万円未満 | 9万1548円 |
500万円から600万円未満 | 9万7651円 |
600万円から700万円未満 | 10万7424円 |
700万円から800万円未満 | 11万5625円 |
800万円から1000万円未満 | 12万2612円 |
※内閣府 インターネットによる子育て費用に関する調査報告書【概要版】より筆者作成
保育所や幼稚園に通うようになると、毎月8万円程度は子育てにお金がかかっているようです。
こちらも年収に比例して子育て費用が高くなっています。特に600万円以降は月当たり10万円以上かかっている世帯も珍しくはないようです。
なお、現在は幼児教育や保育の無償化制度もあるため、保育所・幼稚園に通っている間はもう少し子育て費用を抑えられていることが想定されます。
小学生の場合
【図表3】
世帯年収 | 月額の子育て費用(月平均) 単位:円 |
---|---|
300万円から400万円未満 | 7万9857円 |
400万円から500万円未満 | 8万3270円 |
500万円から600万円未満 | 8万8050円 |
600万円から700万円未満 | 9万4382円 |
700万円から800万円未満 | 10万5935円 |
800万円から1000万円未満 | 11万4133円 |
※内閣府 インターネットによる子育て費用に関する調査報告書【概要版】より筆者作成
小学生の間も、月8万円程度はかかることは想定していた方がよさそうです。
しかし、習い事や受験など家庭の教育方針や環境によっては、大きく跳ね上がる可能性もあります。
中学生の場合
【図表4】
世帯年収 | 月額の子育て費用(月平均) 単位:円 |
---|---|
300万円から400万円未満 | 9万9439円 |
400万円から500万円未満 | 10万1533円 |
500万円から600万円未満 | 11万8389円 |
600万円から700万円未満 | 11万7002円 |
700万円から800万円未満 | 13万4772円 |
800万円から1000万円未満 | 15万2847円 |
※内閣府 インターネットによる子育て費用に関する調査報告書【概要版】より筆者作成
中学生にもなると、子どもの成長や学習内容、学校の活動が高度化していくことから、子育てにかかるお金も高くなり、10万円以上かかることも珍しくないようです。
特に、世帯年収800万円からは15万円以上と、塾や習い事など教育費に多くお金をかけていることが推測できます。
子育て費用の負担を軽減するには?
どの世帯年収においても、年収に占める子育て費用の負担は決して小さくないことが分かりました。
特に、これから子育てを始められる年収300~400万円台の世帯の方においては、不安を感じる方も少なくはないと思います。
しかし現在では、児童手当や自治体による医療費の無償化などをはじめ、国や自治体による子育て制度が少しずつ整備されています。
子育て費用はこういった制度を利用すると、実質的な負担を抑えることができます。
ただ、制度によっては申請しなければ受けられないものもあります。これから子育てを始められる方は、一度子育ての支援制度について自治体に相談してみることをおすすめします。
子育て費用は余裕を持って月6万円程度は考えたい
子育てにかかる費用はおおむね、子どもの年齢や世帯年収に比例して高くなっていくことが分かりました。今回の調査から、乳幼児であっても第1子が生まれると、月当たり6万円くらいは必要だと考えておく方がよさそうです。
子どもの将来のためにも、子育ての費用については、国や自治体の制度を頼りながら計画的に準備していくことをおすすめします。
出典
内閣府 インターネットによる子育て費用に関する調査報告書【 概 要 版 】(平成22年3月)
執筆者:柘植輝
行政書士