【食中毒対策】お弁当の「保冷剤」は20度以上からマスト!? 傷まないようにするに「水分」に気を付けて!
配信日: 2022.06.16
そこで今回は、暑い時期にお弁当が傷みやすい理由や保冷剤は気温がどれくらいの時期から使えばよいのか、お弁当を作る際に心がけておきたいポイントを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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温度が高いと食中毒菌が増殖しやすい
代表的な食中毒菌として知られる腸炎ビブリオは、増殖するスピードが速く、8~10分で2分裂するといわれています。
広島市衛生研究所による実験で、腸炎ビブリオを20個ずつ、4度、25度、35度で塩分3%(腸炎ビブリオは好塩性)の増菌培地で培養したところ、25度では1万個に増殖し、35度では100万個に増殖しました(※4度では6時間後もほとんど増殖がみられないどころか若干減少)。
腸炎ビブリオが体内に10万~100万個入ると食中毒を起こす恐れがあるといわれているため、気温が高い状態になると食中毒が増える条件がそろうわけです。
朝作ったお弁当をお昼に食べようとしたら腐っていたという事態を回避するためには、気温が高い時期にはお弁当の温度が上がらない工夫をしたり、お弁当の作り方に気を付けたりする必要があります。
お弁当に保冷剤を使うタイミング
食中毒菌は約20~50度で増殖しやすく、温度の低いときは増殖しにくいといわれていますので、気温の高い時期にはお弁当箱に保冷剤を添えることで、食中毒菌の増殖を抑えられます。
2021年の東京の平均気温を見てみますと、5月が19.6度、10月が18.2度ですので、5~10月はお弁当に保冷剤を添えることが望ましいです。
東京よりも気温が高くなりがちな地域であれば、もう少し早い時期から保冷剤を使いましょう。保冷剤は、お弁当箱のふたと底に入れて、サンドイッチのように挟むと効果的です。
お弁当が傷まないようにするコツ
お弁当を作ってから食べるまでの望ましい時間は2時間半以内とされています。気温の高い時期には食べるまで冷蔵庫に保存するのが望ましいですが、それがかなわない場合も多いでしょう。
お弁当の温度をなるべく上げないようにするため、直射日光を避けてエアコンが効いた場所など、なるべく涼しい場所に保管することが大切です。ここからは、お弁当作りの際に気を付けたいポイントを紹介します。
・清潔な手で調理をする
調理前にはせっけんで指の間や爪まできちんと手を洗いましょう。おにぎりを作るときはラップを使うなど、食材に食中毒菌が付着しないよう素手で触らないよう心がけることも大切です。
・水分に気を付ける
水分が多いと食中毒菌が増殖しやすくなります。炒め物は汁気を飛ばす、生野菜や汁気が多く含まれる煮物は入れない、ドレッシングなどは食材にかけるのではなく別に持っていき、食べるときにかけるようにしましょう。
・中心部までよく火を通す
お弁当のおかずを調理する際は、「中心温度が85度以上で90秒以上加熱」するとよいといわれています。
ハンバーグや唐揚げなど、外から見ただけでは火が通ったか分かりにくい食材は、十分に加熱することが大切です。前日のおかずの残りをお弁当に詰める際には、詰める直前にフライパンや電子レンジで再加熱しましょう。
食中毒を防ぐにはお弁当の作り方や温度を上げないことに注意しよう
食中毒を避けるには、食品に細菌を付けないこと、細菌を増殖させないことがポイントになります。調理の際は手をきれいに洗い、水分の出やすいものは入れないよう心がけ、中心部までよく火を通しておかずが傷まないようにしましょう。
食中毒菌は20~50度で増殖しやすいですので、直射日光の当たらない涼しい場所で保管し、5~10月は保冷剤を利用して低温に保つことが大切です。
出典
広島市 健康福祉局 衛生研究所衛研ニュース/腸炎ビブリオ食中毒を防ぎましょう
クックビズ総研 食中毒を防ごう!傷みにくいお弁当の作り方とは?
気象庁 東京 日平均気温の月平均値(℃)
八王子市保健所 生活衛生課 食品衛生担当 第3回 特定給食施設栄養管理講習会弁当の衛生管理
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部