18歳まで義務教育、大学院まで学費無料! 「フィンランド」の働きやすさやGDPについて解説

配信日: 2022.06.16

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18歳まで義務教育、大学院まで学費無料! 「フィンランド」の働きやすさやGDPについて解説
経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに行っている「学習到達度に関する国際調査(PISA)」において、フィンランドは毎回世界トップクラスの成績を収めていることで知られています。また、2021年8月の新学期から義務教育を18歳まで延長したことでも大きな話題となりました。
 
そんなフィンランドの経済事情は一体どうなっているのでしょうか。
 
今回はフィンランドの働きやすさや国内総生産(GDP)について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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フィンランドは幸福度ランキング第1位!

フィンランドは残業が少なく、取得できる休暇日数も日本より多いといわれています。そのほか、フィンランドの企業の多くが在宅勤務を積極的に採用していたり、男性でも8割が育児休暇を取得していたりといった特徴があります。フィンランドでは従業員の働きやすさを重視した経営が多くの企業で行われているのです。
 
働きやすい環境が整っていることは国連が毎年行っている「世界幸福度ランキング」にも表れています。フィンランドは5年連続世界第1位です。
 
とりわけ「社会保障などの社会的支援」においてフィンランドはトップクラスの評価を得ており、母親に対するサポート度合いを示す母親指数は世界第1位です。17歳まで給付される児童手当がその代表的な例として挙げられるでしょう。家族や家庭への福祉が充実しているため、共働きの世帯が多いのもフィンランドの特徴です。
 
「人生の選択の自由度」においてもフィンランドは高い評価を獲得しています。フィンランドでは国民の3分の2が生涯に一度は転職をするといわれています。そうした職業の選択をしやすい理由の一つは大学などの授業料が無料であることです。また、フィンランドのほぼ全ての自治体に成人教育をする教育機関があり、成人の48%が利用しています。
 

フィンランドのGDPは2021年の調査で世界第44位!

いくら働きやすい環境が整っていても、そこに経済力が伴っていなくては意味がない、と考える人も多いでしょう。国土の大半を森林が占めるフィンランドの主要産業は主に森林産業です。そのほかにも高い技術を誇っている製造業や1980年代から経済政策を推進しているIT産業で知られています。
 
国際通貨基金(IMF)が2021年に行った調査によると、フィンランドのGDPは3004億8400万米ドルで、191カ国中44位です。世界第3位である日本のGDPが5兆3781億3600万米ドルですので、日本の約5%程度ということになります。
 
フィンランドは日本よりもGDPは少ないものの、1人当たりのGNI(国民総所得)を見ると事情が異なります。フィンランドのGNIは4万9780米ドルで世界第13位、その一方、日本は世界第21位で4万360米ドルです。
 
つまり、データ的にはフィンランド人の所得は日本人の所得より約1.2倍高いのです。そうしたことから、フィンランドの働き方から効率性や生産性の高さを学ぼう、という動きが日本だけでなく世界各国で起こっています。
 

義務教育延長は経済的にもメリットがある?

フィンランドが義務教育の延長を決定した理由として、さらなる教育レベルの向上と教育機会の平等性を高めることが挙げられます。そうすることによって社会から脱落したり孤立してしまったりする国民をなくしていこう、というわけです。
 
もしもそれが実現されれば、幸福度だけでなく国全体の経済事情においても大きな効果がもたらされるでしょう。
 

出典

株式会社 三菱総合研究所 人間・生活研究本部 学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究業務[PISA(OECD 生徒の学習到達度調査)における上位国・地域の教育制度に関する調査研究]報告書
World Happiness Report Happiness, benevolence, and trust during COVID-19 and beyond
在フィンランド日本国大使館経済班 フィンランド経済の概要
外務省 主要経済指標
IMF GDP, current prices
外務省 フィンランド共和国(Republic of Finland)基礎データ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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