更新日: 2022.06.17 その他暮らし

香典と香典返しの相場は関東と関西では違う? 全国平均はどのくらい?

執筆者 : 柘植輝

香典と香典返しの相場は関東と関西では違う? 全国平均はどのくらい?
冠婚葬祭のルールは地域や慣習などによって異なっており、中でも香典と香典返しの金額については、いくらを目安にしたらいいのか悩むこともあるでしょう。
 
そこで、香典と香典返しの相場について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

香典と香典返しについて

香典とは、亡くなった方にお供えする贈与品のことで、現在ではお金を香典とすることが一般的です。
 
香典は通常、告別式で渡すことになります。告別式に参加できない場合は別として、通夜で香典を渡すと、あらかじめ準備していたように捉えられ、あまり良い印象を与えないこともあります。
 
ただし、一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会の調査によれば、香典を通夜に持参するという回答は特に都市部では多くなっており、現在では香典を渡すタイミングも変わってきているようです。
 
対して香典返しは、いただいた香典へのお礼の気持ちを表した贈答品となります。
 

香典の相場は?

一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会のアンケート調査(平成28年度)の結果によると、香典の金額は亡くなった方との関係性によって異なり、家族・親族と、それ以外とでは大きく差があります。
 
家族・親族に関しては、平均額でみても、親の場合で約6万2000円、兄弟姉妹で約4万円、祖父母、おじ・おばで約1万7000円と、近い関係にある人ほど香典の金額は高くなっています。
 
一方、職場関係などに関しては、おおむね5000円前後が平均額です。ただし、仕事の取引先関係は約7000円、友人やその家族では約6000円となっており、やや高めに設定されているようです。
 
【図表1】

図表1

 
出典:一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会 「集計結果」
 
香典の一般的な相場としては、図表1の最多回答額のほか、平均額から家族・親族においては、近縁の方で1万7000円から6万2000円、遠縁の方なら1万3000円程度が金額を考える目安となりそうです。また、家族・親族以外であれば、最多回答額と平均額から5000円が相場で、関係性によってはそれ以上となることもあります。
 

地域別の香典の相場は?

香典の相場は地域によっても異なります。相場の目安となる平均額について関東と関西に分けてみると、関西地方よりも関東地方の方が高い傾向にあるようです。
 
例えば、東京では祖父母への香典の平均額が約1万5000円となっているのに対し、関西(近畿)では約1万3000円となっています。
 
【図表2】(単位:円)

北海道 東北 北関東 東京 南関東
平均額 平均額 平均額 平均額 平均額
祖父母 12,920 14,270 15,143 15,451 15,852
42,957 56,306 46,333 55,147 ***
兄弟姉妹 *** 34,217 42,150 *** 37,778
おじ・おば 14,447 13,673 18,138 20,875 17,786
上記以外の親戚 11,654 10,117 17,376 14,267 15,375
職場関係 6,060 5,522 5,200 5,878 5,703
勤務先社員の家族 5,515 5,496 5,758 6,026 5,815
取引先関係 6,833 8,345 5,667 7,100 11,167
友人・その家族 7,795 5,715 5,936 7,018 6,067
隣人・近所 5,468 4,769 5,370 5,947 5,264
その他 4,692 5,821 10,234 *** 10,353
中部 近畿 中国 四国 九州
平均額 平均額 平均額 平均額 平均額
祖父母 24,670 12,273 17,433 15,024 11,052
39,943 33,966 94,429 38,529 53,736
兄弟姉妹 46,750 35,577 41,000 24,286 45,500
おじ・おば 19,402 25,020 17,841 15,581 10,905
上記以外の親戚 13,093 14,174 10,852 14,308 7,765
職場関係 5,082 5,290 4,947 5,778 4,949
勤務先社員の家族 4,928 4,455 4,597 6,729 4,032
取引先関係 5,056 6,933 *** *** 4,548
友人・その家族 6,139 4,354 5,299 9,393 5,306
隣人・近所 5,118 4,780 4,352 4,056 3,842
その他 4,478 3,871 *** 7,300 5,634

※一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会 「集計結果」
※一部、未集計の部分があります。
 
香典を出す場合は、亡くなった方との関係性のほか、自身の年齢や経済力を踏まえた上で、地域の相場に見合った金額から考えると、大きく間違うことはないでしょう。
 
関東とそれ以外の地域を比較しても、関東の方が香典の平均額がおおむね高い傾向にあるといえます。例えば、東京では親の香典が平均約5万5000円であるのに対し、北海道では約4万3000円となっています。
 
しかし、取引先関係では共に約7000円であるように、亡くなった方との関係によっては、地域でさほど平均額が変わらないこともあるようです。
 

香典返しの相場はいくらくらい? 何を贈ればいい?

一方、典返しについては、香典の金額を基準に3分の1から2分の1程度とするのが一般的な相場です。この点は関東や関西といった地域などに関係なく、全国的に一律で香典の3分の1、高くても2分の1の金額と覚えておけば、大きく相場から外れることはないでしょう。
 
また、香典返しは金銭ではなく、何かしらの品物で行われます。よくある例でいえば、タオルのような日用品、お茶など残らないものが選ばれます。逆に、金額がはっきり分かってしまう金券や商品券のほか、お酒など祝い事で使われるものは避ける方がいいとされています。
 

香典の注意点

香典の金額を決める際には、その数字に注意する必要があります。
 
「4」や「9」といった数字は「死」や「苦」を連想させるため、こうした数字の金額は避ける方がいいでしょう。偶数も割り切れる数字ということで、故人との縁の切れ目を連想されることもあり、香典の金額としては避けた方が無難といわれています。
 
また、香典にピン札(新札)を使用すると、あらかじめ不幸を予見していたと受け取られることもあるほか、地域によって考え方が異なり、例えば亡くなった方との関係性によっては、香典を出さないというケースもあるようです。
 

香典は地域によって相場が異なる

香典の金額は地域によって相場が異なります。また、相場として今回紹介した香典の金額は、調査結果での平均で、実際に適した金額は個人や地域などで変わることもあります。
 
香典返しについては関東や関西など地域に関係なく、全国的に香典の3分の1から2分の1の金額が相場となります。
 
香典の金額や香典返しの内容ついては、相場だけでなく地域の慣習などにも基づき、注意点にも気をつけながら決定するのがいいでしょう。
 

出典

一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会 集計結果
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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