「円安・円高」とは? 私たちの生活への影響を解説
配信日: 2022.06.21
本記事では、円安・円高とはどういう状況なのか、また、私たちの生活にどう影響するのかを紹介します。
執筆者:丸山希(まるやま のぞみ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
円安・円高とは?
円安・円高とは、円の価値がほかの通貨に比べて安くなることや高くなることです。一般的には、米ドルと比較することが多いですが、ポンドやユーロなど、米ドル以外と比較することもできます。本記事では、わかりやすく円と米ドルを比較しましょう。
例えば、1個1ドルで売られているりんごがあった場合、1ドル100円であれば100円で購入することができます。しかし、1ドル120円や80円であれば、支払う金額が変わってきます。
1ドル120円であれば、同じりんごを買うために120円払わなければいけません。たくさん円を支払う必要があり、円の価値が下がっているため、1ドル100円のときに比べると“円安”になります。
反対に、1ドル80円の場合は、100円の時とは違い、安く買えてお釣りが来ます。円の価値が高くなっている状態なので、この場合は“円高”になるのです。
二国間の通貨の為替差を利用した取り引きを“外国為替証拠金取引(FX)”と呼び、投資目的で売買することも珍しくありません。
円安になった場合の私たちの生活への影響
円安になった場合、私たちの生活へどう影響するのでしょうか。
・輸入商品の値上がり
・エネルギー資源の値上がり
・外国人観光客の増加
円安により、海外から輸入している商品は仕入れにかかるコストが増えます。そのため、商品の値上がりも考えられるでしょう。また、輸入しているものの中には、小麦や大豆、コーヒー豆などの原材料も含まれています。そのほかにも、日本は原油や天然ガスなどのエネルギーも輸入に頼っているため、電気代などの値上がりも考えられます。
また、円安になると外国人観光客が来日しやすくなるため、インバウンド需要に期待できるでしょう。
円高になった場合の私たちの生活への影響
反対に、円高になった場合、私たちの生活には、どのように影響するのでしょうか。
・輸出商品の売上減少
・輸入商品が安くなる
・海外旅行へ行きやすくなる
円高になると、輸入商品やエネルギー資源を安く仕入れることができるため、輸入企業の利益が出やすくなります。電気代などの光熱費も安定しやすいのが特徴です。
また、海外製品の購買意欲が高くなる一方、日本製品が売れにくくなる可能性も考えられるでしょう。輸出製品を扱う企業は、売上が減少する傾向にあります。
海外に行く場合、円高であれば円安に比べてより多くの外貨に換金できるため、海外旅行へ行きたい人は円高のタイミングがおすすめです。
円安・円高を理解して私生活へ備えよう
円安・円高は、私たちが普段使っている“円”の価値に直接影響してくるため、知っておくことで私生活や仕事に役立つでしょう。円安が進んでいる2022年時点では、エネルギー価格の上昇や食品の値上げが相次いでいます。円安・円高を理解して、今後の生活に備えましょう。
出典
日本銀行 円高、円安とは何ですか?
金融庁 外国為替証拠金取引について
経済産業省 資源エネルギー庁 日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」
執筆者:丸山希
2級ファイナンシャルプランニング技能士