更新日: 2022.06.22 暮らし

「マイナ保険証」は便利だけど…初診時や再診時に医療費が上乗せされるって本当?

執筆者 : 柘植輝

「マイナ保険証」は便利だけど…初診時や再診時に医療費が上乗せされるって本当?
便利さを前面に押し出し、国が普及を進める「マイナ保険証」ですが、それによって初診時や再診時の医療費が上乗せされるという話もあるようです。
 
マイナ保険証とは何か、そして本当に医療費が上乗せされているのか、今話題のマイナ保険証の疑問について解説します。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

マイナ保険証とは

マイナ保険証とは、健康保険証と一体化させたマイナンバーカードのことをいいます。
 
マイナ保険証を利用することで、医療機関での受け付けが自動でできたり、医師や薬剤師に処方されたことのある薬を伝える手間が省略できたり、処方された薬の情報がいつでも見られる、窓口での限度額以上の一時支払いが不要などのメリットがあります。
 
【図表1】

図表1

 
出典:厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
 
また、マイナンバーカードの保険証利用の申し込みで、7500円相当のマイナポイントがもらえる「マイナポイント事業第2弾」が2022年6月開始予定であるなど、マイナ保険証には一定のメリットがあります。
 
しかし、私たちがマイナ保険証を利用するには、医療機関や薬局がオンライン資格確認システムに対応していなければなりません。そのためまだ、マイナ保険証が使える医療機関や薬局はそう多くない、というのが現状となっています。
 

将来的に保険証は原則廃止となる可能性がある

国は将来的に、現在の保険証を原則廃止して、マイナ保険証を普及させる方針をとろうとしています。
 
実際に、2022年5月25日に行われた社会保障審議会の部会では、マイナ保険証に対応するための整備を2023年4月から、全国の医療機関などに義務付ける方針の提案がなされました。
 
医師会からは反対の意見が挙がっていたり、国民への周知がほとんどされていないことなどから、今後どうなるかはまだ不透明ではありますが、国の動きには注視しておきたいところです。
 

マイナ保険証を利用すると医療費が高くなる?

国や自治体がほとんど告知していないため、知らない方も多いかもしれません。実は、マイナ保険証が利用できる医療機関などでマイナ保険証を利用すると、従来より医療費が高くなります。
 
令和4年度より、マイナ保険証を利用するため「オンライン資格確認」を導入している医療機関は、診療報酬を加算できるという国からの通達が出ています。それにより、医療機関においては初診で7点、再診では4点が加算されます。薬局では3点が加算されます。
 
医療費は1点当たり10円で計算されます。つまり、3割負担の方で初診が21円、再診で12円、薬局で薬を受け取る際には9円、従来より支払う金額が高くなることになります。
 
また、オンライン資格確認が導入されている医療機関などでは、マイナ保険証を利用せず従来の保険証を使ったとしても、医療機関によっては令和6年3月31日までは3点(自己負担3割で9円の支払い増)加算され、薬局では月1回に限り1点(自己負担3割で3円の支払い増)が加算されることもあります。
 

マイナ保険証によって医療費が高くなる理由

マイナ保険証を利用していなくとも、マイナ保険証が使える医療機関などで通常の受診をした際に医療費が高くなってしまう理由は、マイナ保険証を使えるようにするための費用負担にあります。
 
マイナ保険証に対応するための費用は、原則、医療機関などが負担するものとなっています。その負担を補うために、国は追加で診療報酬を加算してもよいとしているのです。
 

マイナ保険証によって私たちの負担が増えていく可能性がある

マイナ保険証が普及し運用されていくことで、複数の医療機関に通っていたり、薬を多く処方されているなど、医療機関を頻繁に利用する方にとっては、利便性が向上する可能性があります。しかし、マイナ保険証によって私たちの医療費の負担が重くなる可能性があるのも事実です。
 
国はマイナ保険証について今後どうしていくべきなのか、導入による負担はどのように扱うべきなのか――
 
私たち国民も、国とともに考えていく必要のある問題でしょう。
 

出典

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係医療機関等向けポータルサイト
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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