更新日: 2022.06.22 子育て

脱毛・美容器具・教材…18歳成人が契約できる高額ローンに要注意!

執筆者 : 柘植輝

脱毛・美容器具・教材…18歳成人が契約できる高額ローンに要注意!
2022年4月から、成人の年齢が従前の20歳から18歳に引き下げられました。それによって、18歳の方が親の同意なくローンを組めるようになり、高額なローンを負わされてしまうという事件が起こっているようです。
 
成人となった18歳の方が狙われる可能性のある消費者トラブルについて、解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

成人の年齢の引き下げによって何が変わるのか

2022年4月、これまで長きにわたって20歳が成人とされていた日本において、成人年齢が18歳へと引き下げられました。
 
これによって、これまで高額なローンを組んだり、携帯電話を契約したり、1人暮らしのための部屋を契約したりといった、保護者の同意が必要であった法律行為について、18歳・19歳でも単独で有効に行えるようになりました。
 
ただ、今回の成人年齢の引き下げにおいて、飲酒や喫煙といった身体の健康に関わることや、公営ギャンブルへの参加など、健全な精神の成長において規制が必要だとされている部分については、従前のとおり20歳になるまでは禁じられています。
 

新成人は悪徳事業者に狙われている

18歳から成人とはいえ、18歳はまだ高校生である年齢です。19歳であってもまだ高校を卒業したばかりの年齢です。しかし、現在では18歳の高校生や19歳の大学生であっても大人として扱われるようになりました。
 
これまで、20歳未満は子どもとして大人や法律に守られていたところ、突然、法律による保護が失われたことになります。それによって、今までは未成年を理由に取り消すことができた契約も、取り消せなくなります。
 
18歳から19歳の方全員が、大人としての自覚と知識を有しているとは限りません。また、成人になったと浮かれて、正常な判断ができない状態にある方もいます。
 
そういった社会経験の浅い18歳や19歳の新成人を、悪徳業者は狙っています。実際に脱毛や美容器具、お金を稼ぐための教材(情報商材)など、若者からの関心が高く、かつ、高額な商品について、ローンを組んで購入させようとはたらきかける事例も確認されています。
 

新成人の18歳が巻き込まれる可能性のある契約トラブルにはどんなものがある?

埼玉県の報告によれば、「施術は無料なのでエステのモデルになってほしい」と誘われ施術を受けたところ、成人を迎えてから28万円の高額な美容器具の購入を勧められ、ローンを組んで購入してしまったという事件があったようです。
 
また、独立行政法人国民生活センターにおいても18歳および19歳に気を付けてほしい消費者トラブルとして、情報商材などのもうけ話、エステや美容関連、お金の借り入れやクレジットカードのトラブルなど、10のトラブルに注意するよう呼びかけています。
 
【図表1】


出典:独立行政法人国民生活センター 18歳から“大人” 18歳・19歳に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選
 

新成人の18歳・19歳の方がトラブルに遭わないようにするためには

18歳・19歳の新成人となる方が、高額なローンを組まされるトラブルに遭わないようにするには、冷静に大人としての自覚を持ち、契約の前によく考え、おいしい話をうのみにしない正しい判断力を身につけ、少しでも怪しいと思ったら断る勇気を持てるようにすることが大切です。
 
家庭においても、18歳や19歳になると、学生であっても立派な大人であることを伝え、契約やお金について教育しておくことで、子どもが被害に遭う可能性を小さくすることができます。
 
万が一トラブルに遭ってしまったときは、国民生活センターや消費者センターに相談することで解決できる場合もあるため、そういった相談先についても教えておくべきでしょう。
 

18歳・19歳の新成人には契約についての教育を

成人年齢が引き下げられた今、18歳や19歳の新成人となる方を狙う事件が増加し、被害に遭われる方が増えると予想されます。成人になると、18歳であっても親の同意なく高額なローンを組むことができてしまい、若くして高額な負債を抱えてしまうことにもなりかねません。
 
18歳や19歳の新成人となるお子さんを抱える家庭においては今一度、大人になるとはどういうことなのか、契約やお金の問題を含め、しっかりと家庭で教育していくべきでしょう。
 

出典

埼玉県 18歳から「大人」に― 契約・ローンなど消費者トラブルに注意-
独立行政法人国民生活センター 18歳から“大人” 18歳・19歳に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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