更新日: 2022.09.22 子育て

大学無償化制度は、浪人生や留年した人にも適用されるの?

執筆者 : 柘植輝

大学無償化制度は、浪人生や留年した人にも適用されるの?
これから大学に進学予定の高校生とその親にとって、大学無償化制度は非常に意義のある制度です。しかし、進学を希望していても浪人してしまったり、進学後留年してしまったりすることもあるでしょう。そういった場合にも、大学無償化制度は適用されるのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

大学無償化制度とはどんな制度?


 
大学無償化制度とは、国から指定を受けた大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年制)・専門学校への進学において、授業料と入学金が免除または減額され、さらに給付型の奨学金の給付を受けられる制度です。
 
支援の対象となるのは住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯となっており、これまで家庭の事情から進学を諦めざるを得なかった学生に進学の道が示されたことから、非常に意義のある制度となっています。
 

大学無償化制度は浪人生にも適用されるの?

志望する大学へ入学するために、高校卒業後1年や2年、浪人するというのはよくある話です。では、浪人してしまった場合には、大学無償化制度を利用して大学に行くことはできないのでしょうか。
 
この点については、「高校等を初めて卒業した年度の翌年度の末日から、大学等に入学した日までの期間が2年を経過していない者」が要件とされています。つまり、2年までの浪人であれば対象となります。
 
浪人する可能性がある、あるいは現在浪人生活を送っている方は、大学無償化制度を利用したいのであれば、2浪までで合格できるようにしなければなりません。
 

大学無償化制度を受けている間に留年してしまったら?

厳しい話ではありますが、大学無償化制度の適用を受けている間に留年してしまうと、原則として適用が打ち切られてしまいます。大学無償化制度は大学等の在学中、毎年学年末に継続の判定がなされ、「修業年限で卒業できないことが確定したこと」というのが認定の取り消し(支援の打ち切り)の要件となっているからです。
 
そのため、大学無償化制度を受けながら大学等に通っている間は、絶対に留年しないようにしなければなりません。ただし、災害や傷病などやむを得ない場合はこの限りではないとされています。そういった際は学校などへ相談することが大切です。
 

留年や浪人以外でも気を付けることがあります

大学無償化制度は、学ぶ意欲のある学生を対象としている制度です。従って、在学中はきちんと通学し学業を修める必要があります。
 
そのため、留年とならずとも授業への出席率が5割以下であったり、修得単位数が標準単位数(=(卒業必要単位数/修業年限)×支援対象者の在学年数)の5割以下であったりする場合は、留年せずに進級ができたとしても適用が取り消しとなることがあります。
 
さらに、GPA(平均成績)が学年の下位4分の1である、修得単位数が標準単位数の6割以下である、出席率が8割以下であるなど、学習意欲が低いと判断される場合は警告がなされ、最終的には取り消しに至る可能性もあります。
 

大学無償化制度は浪人生でも対象だが、留年してしまうと打ち切りになる

大学無償化制度は学びたい学生を支援するための制度であることから、2年までの浪人であれば浪人生も対象となります。一方で、留年をしてしまうと病気やケガ、災害などやむを得ない事由がない限り、支援が打ち切られてしまいます。
 
大学無償化制度は所得に縛られず学習の機会を得られる、非常に素晴らしい制度です。しかし、継続して無償化の適用を受けるためには、真面目に通学して学業を修める必要があります。大学無償化制度の適用を受けたいと考えている場合は、努力する意志をしっかりと持って進学する必要があるでしょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度

文部科学省 支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧

文部科学省 支援措置の対象となる学生等の認定要件について

文部科学省 支援対象者の在学中の支援の扱いについて

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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