更新日: 2022.11.16 その他暮らし

障がい者手帳にはどんな種類がある? 申請条件とは?

障がい者手帳にはどんな種類がある? 申請条件とは?
障がい者手帳(※1)とは、身体もしくは精神上の障がいがある人に対して、都道府県知事や指定都市の市長などが交付するものです。手帳の交付を受けるには、一定の障がいの状態であることが認められなければなりません。
 
今回は障がい者手帳の交付にあたり、申請条件について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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身体障がい者手帳(※2)

身体障がい者手帳の交付を申請できる人とは、視覚障がいや聴覚障がい、肢体不自由などの障がいが一定以上で永続することが要件となっています。
 

■身体障がいの等級

身体障がい者手帳の交付を受けるには、障がいの状態が、身体障がい者福祉法施行規則別表第5号に規定されている身体障がい者障がい程度等級表(※3)に該当する必要があります。等級は1級から6級まであり、1級がもっとも障がいの程度が重い状態です。
 
例えば1級に該当する障がいの状態とは、以下のとおりです。

・視覚障がい:視力のよい方の眼(矯正視力で測ったもの)の視力が0.01以下
 
・聴覚障がい(2級が上限):両耳の聴力レベルがそれぞれ100デジベル以上(両耳全ろう)
 
・肢体不自由(上肢の場合):両方の上肢の機能を全廃したもの、もしくは両上肢を手関節以上で欠くもの
 
・心臓や腎臓、呼吸器、膀胱などの障がい:心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、これらの機能の障がいにより自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの。あるいは、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫、もしくは肝臓の機能障がいにより、日常の生活活動がほとんど不可能なもの

 

■手帳の交付を受けるためには(※4)

身体障がい者障がい程度等級表に該当する障がいの程度になり、身体障がい者手帳の交付を受けるには、医師の診断書および意見書を添えて、居住地の福祉事務所に申請する必要があります。申請があった際、自治体は申請時に提出された診断書や意見書を基に、障がいの認定を行います。
 
ただし、診断書および意見書を書く医師は、都道府県知事に指定された医師でなければならず、誰でも身体障がい者手帳の交付を受けるための診断書や意見書を書けるわけではありません。
 
認定されると障がい者手帳が発行されます。障がい者手帳の形式は自治体によって異なります。
 

精神障がい者保健福祉手帳(※5)

一定の精神障がいの状態にあり、長期にわたって日常生活もしくは社会生活への制約を受ける人を対象に、交付されるものです。対象となる精神障がいには、以下のものが含まれます。

・統合失調症
・うつ病、躁鬱病
・てんかん
・薬物依存症
・高次脳機能障がい
・発達障がい(自閉症、学習障がい、注意欠陥多動性障がいなど)
・そのほかの精神疾患(ストレス関連障がいなど)

手帳の交付を受けるためには、これらの精神障がいによる初診日から6ヶ月以上経過していなければなりません。ちなみに精神障がい者保健福祉手帳の等級は1級から3級までとなっています。
 

療育手帳(※6)

児童相談所や知的障がい者更生相談所において、知的障がいがあると判定された場合には、療育手帳が交付されます。交付にあたっては、児童相談所や知的障がい者更生相談所の判定結果に基づいて、交付するかどうかが決定され、決定した場合に交付されます。
 
また、手帳の交付後原則として2年ごとに、児童相談所や知的障害者更生相談所において障がいの程度を確認するための判定を行う必要があります。
 

障がい者手帳をもっていることで受けられるサービス

障がい者手帳をもっていることで、受けられるサービスには、「NHK受信料の減免」や「所得税・住民税・相続税の控除」「自動車税の免除もしくは軽減(手帳の等級による)」などのほか、障がい福祉サービス(※7)を受けることもできます。障がい福祉サービスには、介護給付と訓練等給付があります。
 
さらに、JRや航空機の運賃の割引や有料道路通行料金の割引、生活福祉資金の貸付けなども用意されています(※8)。
 

まとめ

障がい者手帳には、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳の3種類があり、それぞれで、交付をうける条件が異なります。基本的に身体障がい者手帳については、有効期限はありませんが、途中で障がいの状態が変わることが予想される場合は、再度認定を行うこともあります。
 
障がい者手帳の交付は、主にお住まいの地域の福祉事務所が管轄していますので、申請の際にどのような書類が必要なのかについて、事前に確認しておくとよいでしょう。
 
また、障がい者手帳をもっていることで受けられるサービスについては、本文で紹介したサービス以外に、自治体独自で行っているサービスもあります。障がい者手帳を交付される際に、その自治体でどのようなサービスを行っているかを教えてもらえますので、自分が利用したいサービスは積極的に利用するとよいでしょう。
 
そのほか、障がいの更正のために必要な、自立支援医療費(※9)を支給してもらえる制度もありますので、利用の際には福祉事務所に相談してみましょう。
 

出典

(※1)厚生労働省 障害者手帳
(※2)厚生労働省 身体障害者手帳
(※3)厚生労働省 身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)
(※4)厚生労働省 身体障害者手帳に係る交付手続き及び医師の指定に関する取扱いについて(平成21年12月24日)
(※5)厚生労働省 精神障害者保健福祉手帳
(※6)厚生労働省 療育手帳制度の概要
(※7)厚生労働省 障害福祉サービスについて
(※8)内閣府 図表78 障害者に関する割引・減免制度及び福祉措置一覧
(※9)厚生労働省 自立支援医療(更生医療)の概要
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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