更新日: 2022.12.19 その他暮らし
バイト先でお皿を割り、店長に「給料から4000円引いとくから」と言われた…。どうしたらいい?
今回は、バイト先でお皿を割ってしまい店長から天引きすると脅されているケースについて、法律的な観点も交えながら対処法も含め解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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基本的には弁償しなくてよい
まず、飲食店のアルバイト中にお皿を割ってしまった場合、働いている人は基本的に弁償をする必要はありません。店側はアルバイトが働く際にミスを犯すことをある程度想定しておく必要があります。
ミスによりお皿やコップなどを割ってしまう、料理や飲み物を落としてしまうなどの責任やリスクは、基本的にアルバイトを雇っているお店側が負うべきものです。そのため、割ってしまったお皿代を弁償するよう要求されても従う必要はないでしょう。
・弁償しなければならないケースとは
バイト先でお皿を割ってしまっても基本的には弁償する必要はありませんが、会社から裁判などで正式に損害賠償を求められてしまうケースも考えられます。それは、故意にお皿を割ったケースです。いら立ったことでお皿をわざと割ってしまったり、店長への嫌がらせで故意にお皿を割ったりしたケースなどが該当します。
このようなケースでは、店側は民法第709条の「不法行為による損害賠償」をもとにアルバイト店員に対し損害賠償の請求が可能となる場合があるでしょう。実際に裁判となり、故意にお皿を割ったことやアルバイト店員側に重過失があると認定されれば、裁判所の下した判断をもとに賠償しなければいけません。
ただし、このケースでも被害がお皿以外になければ、お皿の価格以上の支払いは不要です。お皿が本当に4000円の価値があるかどうかもポイントとなるでしょう。故意に複数枚のお皿を割ってしまったのであれば4000円の弁償は妥当であると考えられるケースも出てきます。この価格が妥当かどうかも裁判によって争われ決定されるのが基本です。
給料からの天引きは違法
弁償の必要性だけではなく、店長に「給料から4000円引いておく」と言われている点についても考える必要があります。いわゆる給料からの天引きですが、これは明らかな違法行為であるため、どのような状況や金額であっても認められません。
労働基準法第24条に「賃金は通貨で直接労働者に、その全額を支払わなければならない」とあるためです。つまり、割ってしまったお皿代を弁償するにしても、店側は働いた分の給料はいったんアルバイト店員に全額を渡す必要があります。
解決できない場合は相談を
もしトラブルになった場合は、各都道府県の労働局や労働基準監督署などに相談するとよいでしょう。労働基準法違反が疑われるケースでは「労働基準関係情報メール窓口」でメールによる相談も可能です。
出典
厚生労働省 確かめよう労働条件 裁判例 13.仕事上のミスを理由とする損害賠償
厚生労働省 確かめよう労働条件 相談機関のご紹介
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部