更新日: 2022.12.19 その他暮らし
マイナ保険証は紙の保険証より医療費が安くなるって本当? からくりと注意点は?
本記事では、マイナ保険証と紙の保険証における医療費の違いなどについて、マイナ保険証のメリットを詳しく解説します。マイナ保険証の利用について疑問を持っている人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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マイナ保険証と紙の保険証における医療費の違い
実はマイナ保険証導入当初は、従来の紙の保険証を使ったほうが医療費は安かったのです。しかし、2022年10月以降より紙の保険証よりもマイナ保険証を利用したほうが医療費は安くなりました。理由は診療報酬の改定によるもので、紙の保険証とマイナ保険証、それぞれに加算される診療報酬の金額が図表1、2のとおりに変更されました。
【図表1】診療報酬の加算額(改定前)
紙の保険証 | マイナ保険証 | |
---|---|---|
初診時 | 9円 | 21円 |
再診時 | なし | 12円 |
調剤薬局の利用 | 3ヶ月ごとに3円 | 1ヶ月ごとに9円 |
【図表2】診療報酬の加算額(改定後)
紙の保険証 | マイナ保険証 | |
---|---|---|
初診時 | 12円 | 6円 |
再診時 | なし | なし |
調剤薬局の利用 | 6ヶ月ごとに9円 | 6ヶ月ごとに3円 |
マイナ保険証を利用した場合、診療報酬の加算額は初診時6円、再診時なし、調剤薬局の利用は6ヶ月ごとに3円に設定されています。その一方で紙の保険証を利用した場合、初診時12円、再診時なし、調剤薬局の利用は6ヶ月ごとに3円の診療報酬が加算されます。
初診時と調剤薬局利用時ともに金額差は6円ですから、大きな金額ではないかもしれません。しかし、病院に行く機会が多ければその分だけ負担する費用を抑えることが可能です。
マイナ保険証に対応している医療機関がまだ少ない
医療費が安くなるのは、マイナ保険証に対応している医療機関や調剤薬局を利用した場合です。2022年12月時点では、マイナ保険証に対応する医療機関や調剤薬局はまだ限定されていて、厚生労働省も徐々に拡大予定と伝えています。
マイナ保険証非対応の場合、従来の紙の保険証を利用するしかないため、医療費が安くなるメリットを受けられない点に注意してください。
マイナ保険証に対応する医療機関・薬局リストは、厚生労働省の「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」内で「マイナンバーカードの健康保険証利用参加医療機関・薬局リスト」のエクセルファイル(CSV形式)をダウンロードして確認できます。
そのほかにも、同サイトでは、健康保険証利用施設を検索できる外部サイトを案内していますので、参考にしてみるといいでしょう。
マイナ保険証のメリット
マイナ保険証は医療費が安くなる以外に、次のようなメリットがあります。
・マイナンバーカードと健康保険証を2枚持ち歩かずに済む
・医療機関の受付が顔認証によって自動化される
・転職、結婚、引っ越しをしても切り替えの手続きが不要
・医療機関同士で情報共有ができるので、自分で医師や薬剤師に説明する必要がなく、旅先や災害時などの急な場合でも適切な診療が受けられる
・特定健診情報や薬剤情報をマイナポータルより閲覧可能(同意があれば医師や薬局へ情報共有が可能)
・医療費の情報がマイナポータルに蓄積されるため、確定申告で医療費控除を申告する際の領収書の整理が不要になる
・高額療養費制度の限度額を超える場合、限度額適用認定証がなくても医療費が免除される
マイナポイントがもらえるうちの保険証の登録をしておこう
マイナ保険証を利用すれば、医療費が安くなる以外に確定申告を行うときや、高額療養費制度の限度額を超えるときなどに便利です。
マイナ保険証に対応している医療機関や調剤屋薬局は、2022年12月時点ではまだ限定されます。しかし、現行の紙の保険証は2024年に廃止となってマイナ保険証へ切り替わるので、マイナ保険証に対応する医療機関や調剤屋薬局が増えることを期待していいでしょう。
マイナンバーカードを健康保険証として利用申し込みをすると、7500円分のマイナポイントをもらえます。ただし、2022年12月末までにマイナンバーカードを取得、2023年2月末までにマイナ保険証の登録を行わなくてはなりません。
マイナポイントをもらえるうちに登録手続きを完了させて、お得にマイナ保険証を手に入れてみてください。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
総務省 マイナンバーカードでマイナポイント
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部