チェンソーマン デンジの借金は「38,040,120円」。なぜ自己破産しないの? もし自己破産した場合のデメリットとは?
配信日: 2023.01.03 更新日: 2023.01.04
しかし、「自己破産をすれば苦しまなくて済むのに」と思った読者も多いでしょう。この記事では、デンジがなぜ自己破産しないのか、という疑問に関するひとつの回答と、自己破産した場合のデメリットについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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チェーンソーマンのデンジは、なぜ自己破産しないのか?
デンジが父親から相続した負債額は、確かに巨額です。ただ、そもそも自己破産するかどうか(あるいは自己破産をすべきかどうか)は、負債額の大きさだけで決まりません。たとえ負債が数千万円単位にのぼるとしても、年収も数千万円ある人物であれば、完全に返済することも現実的だからです。
また、負債を上回る額の資産も相続していて、それを売り払えば負債を完済できるのであれば、やはり自己破産する必要はありません。
裁判所が自己破産手続きの開始を認める条件は「債務超過」か「支払不能」です。収入の額に対して負債の額が明らかに上回っており、しかも持っている資産をすべて売り払ったとしても完済できない状況が債務超過となります。
デンジは危険を伴うデビルハンターの職に就いているため、もし仮に、多額の負債とともに潤沢な資産も相続しているとすれば、そのような高いリスクを侵すこともないでしょう。
デンジは債務超過状態なのかもしれませんが、それでも支払不能の状態でなければ自己破産する必要はありません。デンジの収入は作品中で明らかになっていないものの、生命を賭して戦う公務員である公安のデビルハンターという立場を考慮すれば、高額の危険手当が付くなどして破格の高給を得ているかもしれません。
原作の第1話で非合法のデビルハンターを務めたデンジが、1体征伐するにつき40万円の報酬を提示されていたことも考えに入れると、デビルハンターが高収入の職であることは間違いないでしょう。だとすれば、「38,040,120円」の負債のために、利息も含めて毎月数十万円の返済を義務づけられているとしても、支払いが可能な状況は十分にあり得ます。
つまり、支払不能の状況でなければデンジは自己破産する必要がありません。
なお、デンジ自身に自己破産の意思がなくても、父親にお金を貸していた債権者の側から、デンジの自己破産が申し立てられる場合があり得ます。これを債権者破産といいますが、デンジが支払不能の状態になく、毎月返済を続けているのであれば、債権者破産が申し立てられることは考えにくいでしょう。
自己破産した場合のデメリットとは?
自己破産が裁判所に認められた場合、その後の免責手続きによって、負債を返済する法的義務がなくなります。つまり、借金がなくなったも同然の状態となるのです。この免責が、自己破産した場合の最大のメリットといえます。
一方、自己破産にはデメリットもあります。免責後、7年~10年間は新たな借金をすることができませんし、クレジットカードを新たに作ることもできなくなります。
すでに使っていたクレジットカードが止められることもあるでしょう。また、自己破産者は官報に掲載されるので、ごく一部の人々には破産の事実が知られてしまうのもデメリットです。一般的な金融機関からお金を借りられない状況に付け入って、違法な闇金業者が近づいてくるおそれもあります。
デンジは自己破産しなくていい可能性が高い
作品内の世界で高収入の職にあると考えられる公安デビルハンターのデンジは、巨額の負債の完済も望めるほどの返済能力があり、支払不能の状況になければ、自己破産する必要はありません。自己破産するには、債務超過あるいは支払不能であることの条件が必要だからです。
もし、自己破産をした場合には、7~10年間は新たな借金ができず、クレジットカードを作れないなどのデメリットが生じます。このように、自己破産には条件やデメリットがあるため、検討する際には十分注意しましょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部