更新日: 2023.02.01 子育て

塾代をケチって大失敗! 教育費は「聖域」だからこそ慎重に検討すべき

塾代をケチって大失敗! 教育費は「聖域」だからこそ慎重に検討すべき
光熱費、各種ローン、通信費、娯楽費など、節約する際に考慮すべき項目は多数あるが、そのなかでも特に「聖域」とされているのが子どもの教育費だ。
 
特に「塾代」は家庭のお財布事情や子どもの学力によって左右されるため、無尽蔵にお金を捻出できるわけではない一般家庭にとっては悩みの種である。
 
都内在住の主婦のAさん(38歳)は、高校2年生の長女の入塾を巡って「コストパフォーマンス」を重視して塾選びを行ったという。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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子ども『塾に行かせて』は突然やってくる

都内の住宅街に居を構えるAさんの自宅周辺や長女の通学路は、大手チェーンから個人経営、集団から個別までさまざまな規模、形態の塾がひしめき合う「激戦区」だという。長女の基礎学力は、平均で5段階中4程度。Aさんにとっては「十分に勉強ができる子」であり、当初は塾に通わせる必要はないと考えていたという。
 
「市販の教材やYouTubeなど、昔と比べるとコスパよく学力を高められる環境です。もちろん、子どもの性格や勉強のスタイルによることは分かっていますが、少なくとも長女は『自分で勉強できる子』と思っていました。ただ、本人的には思ったように成績が上がっていなかったらしく、2年生になってすぐに『塾に入りたい』と言われたのです」
 
もちろん、長女のために塾に入れてあげたい。しかし、Aさんの家庭は3人兄弟で長女の下には2人控えている。そのため、Aさんはコスパ良く成績を上げられる学習塾を探し始めた。一般的に月謝は3万円程度とされている。そこでAさんはなんとか2万円代で5教科をなるべく「長い時間」教えてもらえる塾を探し始めた。
 

一見安くても……。月謝以外のコストに衝撃!

「月謝2万円代の塾は探せば意外とたくさんありました。ただ、教材費やテスト代などが個別にかかるケースも多く、ホームページでは確認できない塾も少なくなかったですね。必要経費であれば仕方がないのですが、『施設管理費』などを月謝とは別に請求されるのはちょっと理解できませんでした。せめて最初から月謝に含めてくれればいいのに、と思いました」
 
さらに「安くて授業の時間が長い」というコストパフォーマンスの考え方も、塾選びにおいてはあまり良くない考えだと実感した。体験入学した際、演習の時間が大半でかえって学習指導の時間がほかの塾よりも短かったケースもあったのだ。また、講師の腕もAさんが思った以上に差があるようで、大手チェーンでも長女が「よく分からなかった」と感想を漏らした塾もあるほどだったという。
 

子どもと向き合うことが「コストの最適化」の近道

娘から「塾に入りたい」とお願いされて、約1ヶ月間、塾選びをしたにも関わらず、Aさんは塾を決めあぐねていたという。夫からは「好きなところに入らせてやれば」と言われていたが、大人でさえ、正解が見えない塾選びを長女に丸投げすることも気兼ねした。また、この「早く決めなければいけない」という焦燥感こそが、家計にとっても長女の成績にとってもあまり良い結果にならないような気がしていた。
 
「私のなかで大きなブレイクスルーになったのが、長女の志望校と同じレベルの大学に子どもを進学させた先輩ママのアドバイスでした。『子どもの目標と成績、勉強の仕方に合ったサービスをピンポイントで受けさせてあげる』ということだったのです」
 
そこでAさんは改めて長女と話し合い、特に成績が上がっていない「数学」と「英語」が不安ということや模擬試験をもっと受けたいという要望、さらに塾に行きたい理由として「分からない問題をすぐに質問できる人が欲しい」などを聞き出した。
 
「『5教科を受けさせてあげたい』とか『授業をたっぷり受けさせたい』という私のモノサシがそもそも間違っていることに気付きました。それで『コスパ』といっても、良い結果になるとは思えません。子どもの勉強についての悩み、どんなスタイルで勉強しているのかは想像以上に知りませんでした。親としても成長できたと思います」
 

教育費も科目も、オプションも必要な分を必要なだけ

結局、Aさんは個別指導の数学と英語を基本にして個別指導の塾に娘を通わせ、模試試験などを必要に応じて受けさせた。その結果、「必要最低限」で長女を無事、志望校に合格させることができたという。ただ、その先にも悩みが待ち構えていた。
 
「長男がまた受験を迎えます。こっちは長女ほど、自学自習する習慣が身についていないですし成績も伸び代がたっぷりあります(笑)。また違った角度と予算で塾を探す方法がありますね」
 
教育費は「子どものため」という大義名分があるため、家計のなかでも聖域とされている。だからこそ、子どもの夢をかなえるために払い続けられる「持続可能な出費」を親が決定する必要があるのではないだろうか。
 
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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