更新日: 2023.03.01 子育て

「小1の壁」で働き方を変える人はどのくらい? 世帯収入が減るのは痛い!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「小1の壁」で働き方を変える人はどのくらい? 世帯収入が減るのは痛い!
みなさんは「小1の壁」という言葉を聞いたことがありますか?
 
子どもが小学校に入学し、それ以前よりも仕事と育児の両立がしづらくなることを指します。
 
そのいっぽうで周りには「もう小学校に入ったなら楽になるね」といった誤解が生じ、職場の理解が得られず悩む保護者もいるのだとか。さて、実際に「小1の壁」を実感する人たちはどれくらいいるのでしょうか。スリール株式会社が発表した調査結果を見てみましょう。
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楽になると思いきや…… 子どもの小学校入学で仕事との両立が厳しいと感じる人が6~7割

この調査は、全国の小学校1年生~3年生の子どもを持つ働く男女200名を対象に行われたもの。さっそくみなさんの実感をチェックしてみます。

【子どもが小学生になったとき、以前と比較して仕事と子育ての両立が大変になったかどうか】

<女性>

1位:まぁそう思った 38%
2位:とてもそう思った 33%
3位:あまりそう思わなかった 22%
4位:全くそう思わなかった 7%

 

<男性>

1位:あまりそう思わなかった 33%
2位:まぁそう思った 30%
2位:とてもそう思った 30%
4位:全くそう思わなかった 7%

71%の女性と60%の男性が、仕事と子育ての両立の大変さを実感していることがわかります。男性は僅差で「あまりそう思わない」という層が1位になりましたが、この男女の回答の違いからまだまだ子育ては女性に負担が集中しているということも推測できますね。
 
具体的にどういった点で仕事と子育ての両立が厳しいかというと、「持ち物・宿題・勉強サポート」「長期休みの対応」がダントツで多く、「PTA・保護者会などの学校活動」「学級閉鎖などの対応」などにも票が集まりました(複数回答)。
 
保育園や幼稚園よりも自宅でやることが増え、学校とのやりとりや保護者会などの事務的な作業も多く発生するため、「毎日仕事と家事でいっぱいいっぱいなのにさらにやることが増えてキツい」と感じる女性が多いのかも知れません。
 
当然のことながら、仕事とは違い家事・育児は収入が得られないもの。対価がわかりやすく目に見えないため、モチベーションを上げるのがむずかしいですよね。
 

小学校入学のタイミングでやむなく転職・離職を検討する人も多数

子どもが大きくなるにつれ、かかるお金も増えるもの。いまの時代、共働きでないと生活が厳しいという状況が当たり前になっています。そんななか、収入は減らしたくないけれど仕事と育児の両立がむずかしいために転職・離職を検討せざるを得ないという人も。
 
実際に働き方を変えたという女性は62%もいます。具体的な内容は以下のとおり。

【子どもの小学校入学に際し、どのように働き方を変えたか】

1位:同じ会社で働き方(時短など)の変更 53%
2位:退職してパートタイムなどの働き方に変更 28%
3位:同じ会社で契約形態の変更 8%
4位:働きやすい会社に正社員で転職 7%
5位:退職して専業主婦になっている 3%

およそ半数の人が、会社は変わらず時短勤務などで働き方を変えたことがわかります。退職してパート・アルバイトなどで働くようになった人も多いですね。思い切って退職して専業主婦になった人はかなりの少数派。やはり少しでも働いて家計の足しにしないと厳しい時代ということなのかもしれません。
 

離職で収入が減るのは痛い! 世帯収入の平均はひと月約61万円

総務省統計局の家計調査によると、勤労者世帯の実収入と消費支出は以下のようになっています。

【2022年平均:ひと月あたりの勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)】

●61万7654円

【2022年平均:ひと月あたりの消費支出(二人以上の世帯)】

●29万865円

実収入は前年比実質1.0%の減少となっているいっぽう、消費支出は前年比実質1.2%の増加に。
 
自分たちの老後資金はもちろん、学費など子どものための貯蓄分が減ってしまうという計算になります。支出が増えるのに収入が減ってしまうといういまの時代、やはり「仕事と子育ての両立がむずかしいからといって退職はできない」という厳しい状況のようです。
 
たとえ時短で働けたとしても、手取りは減ってしまうもの。働く子育て世帯の社会的な支援がもっと厚くなることに期待したいですね。
 

出典

スリール株式会社 働く親の「小1の壁」に対する意識と実態調査(@press)
総務省統計局 家計調査報告-2022年(令和4年)12月分、10~12月期平均及び2022年平均-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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