仕事のサボりを見つかって以来、上司に「無視」されている…これって「パワハラ」? それとも「自業自得」?

配信日: 2023.04.18

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仕事のサボりを見つかって以来、上司に「無視」されている…これって「パワハラ」? それとも「自業自得」?
もしも自身の部下が仕事をサボっているのを見つけた場合、上司としてはおもしろくないことでしょう。
 
たしかに、仕事をサボることは良くないですが、それを理由に従業員の存在そのものを無視し続けるのは、違法なパワハラに該当しないのでしょうか。
 
この記事では、パワハラの基本について解説しつつ、特定の部下を上司が無視し続ける行為が、パワハラに該当する場合と該当しない場合について解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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パワハラについての基礎知識をおさらい

まず、パワハラ(パワーハラスメント)とは、職場での上司や同僚などによる、業務上の地位や人間関係の格差を利用した「暴力」「嫌がらせ」「不当な差別」「圧迫」など、特定の従業員に対する不適切な発言や行動を指します。
 
つまり、身体的な攻撃だけでなく、精神的な攻撃もパワハラに含まれるのです。このようなパワハラが会社内で横行していると、被害者本人の心身にダメージが与えられ、業務効率や生産性にも支障が生じるおそれがあります。
 
職場の雰囲気にも悪影響を及ぼしかねません。つまり、会社のビジネスにとっても問題があるため、パワハラに対しては会社の責任でも警告を発し、防止する責任があるといえるでしょう。
 
パワハラは「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」によって禁止されていて、会社にはパワハラを防止する措置を講じるべき義務が課されています。
 
会社の部下や同僚は、ビジネスの成果を挙げるための道具ではありませんし、ストレスをぶつけて解消するはけ口でもありません。ひとりの人間として最低限の尊厳を重んじながら、会社は雇用しなければならないのです。
 

部下の存在を無視する行為が、パワハラになるかどうかの分かれ目について

では、仕事のサボりが見つかったことをきっかけに、上司に「無視」されてしまうことは、パワハラに該当するのでしょうか。この判断は一筋縄で行うわけにいかず、さまざまな要素を総合的に考えに入れながら判断しなければなりません。
 
すなわち「無視される頻度の多さや期間の長さ」「無視される場面や状況はどうだったか」「無視されることによって、業務上の支障が生じているかどうか」「無視されることによって、その従業員が心理的な苦痛を感じているかどうか」「上司が無視している理由や目的はどこにあるのか」などの要素によって、判断が異なる可能性があるのです。
 
例えば、上司が従業員を一度だけ無視した場合に、それをパワハラと評価するのは早計ですし、上司が忙しくて、その従業員の呼びかけにたまたま対応しなかった場合も、パワハラにはならないでしょう。
 
しかし、上司の無視が長期間続いている場合には、パワハラと判断される可能性が浮上します。上司が特定の従業員を無視し続けることによって、業務に支障が出たり、その従業員の心身がむしばまれ、入院などに追い込まれたりした場合には、パワハラと評価されるおそれがあります。
 

ひとりで悩まずに、周囲の協力を得よう

もし、無視によるパワハラを受けている場合には、その加害者である上司と直接話し合ってみましょう。精神的に追い込まれていれば、上司の顔を見ることすらもつらいかもしれません。
 
その場合は、ほかの信頼できる同僚や別の上司にも同席してもらうのが得策です。人事部などの第三者に相談してみることも有効といえます。また、最後の手段ではありますが、退職の準備をしたり、弁護士に相談して法的手段を検討したりすることもできるでしょう。
 

出典

厚生労働省 みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント
厚生労働省 パワーハラスメントの定義について
厚生労働省 ハラスメントの類型と種類
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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