更新日: 2019.08.07 その他暮らし

離婚のときは金銭面の協議が不可欠。離婚後の生活設計もしっかり考えておきましょう。

執筆者 : 宮﨑真紀子

離婚のときは金銭面の協議が不可欠。離婚後の生活設計もしっかり考えておきましょう。
久しぶりに会った友人が離婚していた、再婚していたということが珍しくなくなりました。平均寿命が延び人生が長くなりましたし、結婚に対する考え方も変わりつつあります。我慢に我慢を重ね、離婚を踏みとどまる時代ではなくなったのかもしれませんが、離婚をするには、いろいろなハードルがあることに変わりはありません。そのなかでも気になるのが金銭面の協議。感情的になっていても、弁護士などの専門家から情報を収集する、といった冷静さも必要ですが、その場合は弁護士費用がかかることも忘れてはいけません。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

離婚には費用がかかることも考慮する

厚生労働省が発表した「人口動態統計」によると、2015年の婚姻件数が63万4975件であったのに対し、離婚件数は22万6215件だったそうです。結婚に関しての分析の結果、夫婦ともに初婚だったのは73.2%、夫だけが再婚なのは10.0%、妻だけが再婚は7.1%、両方が再婚だったのは9.7%となっています。
 
バツイチ同士の再婚という話もよく耳にしますが、数字をみると1割近いことがわかります。
 
結婚の数倍のエネルギーが必要~と、いわれている離婚ですが、離婚の種類は大きく分けて4つあります。
 
① 協議離婚
② 調停離婚
③ 審判離婚
④ 裁判離婚
 
お金に関しては、財産分与・慰謝料、子供のいる場合は養育費が協議の主題になります。話し合いが成立しなければ、①→②→③→④となっていくわけですが、それだけ時間も労力もお金もかかってしまいます。すんなり協議離婚で決着がつかなかった場合は、弁護士に依頼することになりますが、その費用も気になるところです。
日本弁護士連合会の「市民のための弁護士報酬ガイド」によると、弁護士報酬について以下のように説明されています。
 
【 弁護士費用の代表例 】
弁護士報酬~着手金:結果にかかわらず、弁護士が手続きを進めるために着手時に支払う。
報酬金:結果の成功の程度に応じて支払う。完全に敗訴になれば発生しない。
手数料:契約書作成時などに支払う。
実費~収入印紙代・交通費など
 
同ガイドに次のような事例がありましたので紹介します。
■夫の暴力などに耐えられないので離婚したい。3歳の子どもが1人いるが、自分が引き取りたい。慰謝料として200万円を請求した。
 
■離婚が成立し、慰謝料200万円の支払いを受けた。子どもの親権も認められ、養育費として毎月3万円の支払いを受けることになった。
 

図_暮らし1_弁護士費用の目安

 
調停が長引けば費用もかかる、ということが分かって頂けると思います。
 

協議離婚でも金銭的な問題は口約束で済ませない

とにかく早く離婚したい~ということで、協議離婚で決着した場合に気を付けたい点があります。本来決めておくべき財産分与・慰謝料・養育費・年金分割などについて、口約束で済ませてしまうことがありますが、養育費等の支払いを離婚後に受ける場合は、特に文章を交わしておくことが大切です。
 
折角作成した合意書も、作成方法が違っていて法的効力がなかった~ということがないよう、専門家に相談することは必要だと思います。
 
何もいらないから離婚して欲しい~と言って離婚した場合も、財産分与については離婚成立後2年以内、慰謝料については3年以内であれば請求できる可能性はあります。とはいえ、とにかく離婚したいと思った相手に、後日請求することを考えると、ここは離婚前に決着しておくことが得策です。
 
更に言えば、離婚によって貧困になるケースが増えています。離婚後の生活設計も含めて、冷静に考えてから決断して欲しいところです。「結婚した夫婦のうち両方またはいずれかが再婚だった割合は約26%」という数字もありますので、一人になったら二人の良さが分かるのかもしれません。
 

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