車間距離が狭いと燃費が「48%」も悪化する!? さらに「渋滞」の原因にもなるって本当?

配信日: 2023.05.09

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車間距離が狭いと燃費が「48%」も悪化する!? さらに「渋滞」の原因にもなるって本当?
車の運転で車間距離をとることは安全面において非常に大切です。車間距離が狭いと燃費が悪化するだけでなく渋滞の原因にもなります。夏休みや年末年始の帰省時など連休に遠出をすると渋滞は避けられませんが、一人ひとりのドライバーが適切な車間距離をとることで渋滞を緩和させることも可能です。
 
本記事では、車間距離と燃費や渋滞の関連性などについて解説します。
山根厚介

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

車間距離が狭いと燃費が悪化する理由

車間距離が狭いと燃費が悪化するのは、車間距離が狭いことにより加減速を繰り返す必要があるからです。車間距離が広くとられている場合には、前の車が減速してもアクセルオフによるエンジンブレーキだけで対応できる場合も多く、加減速を最小限に抑えられます。
 
しかし、車間距離が狭ければ狭くなるほどアクセルオフだけでは対応できなくなり、ブレーキを踏まなければならなくなります。そして、今度は減速しすぎてアクセルを余計に踏む必要があるため、加減速を繰り返すことになるのです。
 
一般財団法人省エネルギーセンターの調査では、1分間に加減速が5回ある場合、加減速がない場合と比較すると、燃料消費量が48%悪化するというデータがあります。適切な車間距離をとることで、余分な加減速が減り燃費も向上するでしょう。
 

車間距離が狭いと渋滞の原因にも!

車間距離が狭いと自然渋滞の原因になることもあります。そもそも渋滞はなぜ起きるのでしょうか。
 
自然渋滞が起きる原因の1つとして、下り坂から上り坂になる場所などで速度が低下し、後続車へ次々と伝わることがあげられます。後続車がブレーキを踏んで、さらに後ろの車がブレーキを踏んで……を繰り返すうちに、結果として車が止まって渋滞となるのです。
 
この場合、車間距離が狭ければ狭いほどブレーキを踏み込む量が増えるため、渋滞が悪化しがちです。逆に車間距離が広ければ、減速を最小限に抑えられるため、後続車へ与える悪影響が少なくなります。適切な車間距離をとることで、渋滞を緩和させることができます。
 

道路交通法でも車間距離の保持が定められている

車間距離は、燃費や渋滞に関係するだけでなく、交通事故を防ぐ上でも重要です。
 
総務省による「令和4年中の交通事故の発生状況」によると、事故類型別交通事故件数の推移から、事故類型が車両相互の場合、第1位は「追突」で全体の30.5%を占めています。車間距離が狭ければ狭いほど追突事故は起こりやすくなるため、車間距離を適切にとることが追突事故の防止対策となります。
 
道路交通法でも第26条第1項で「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。」と車間距離の保持が定められています。車間距離が狭ければ、車間距離不保持の罰則もあるので気をつけましょう。
 
ちなみに、適切な車間距離は速度によって異なるため、前車との時間の間隔が2秒間になるくらいの車間距離をとることが推奨されています。前車が標識などを通過してから2秒後に自車がその標識を通過すれば、それが適切な車間距離となるわけです。
 

適切な車間距離で安全運転を

車間距離を適切にとらなければ、燃費が悪化するだけでなく渋滞や交通事故の原因にもなります。逆に、車間距離を適切にとることで燃費は向上し、渋滞が緩和する効果もあります。
 
適切な車間距離をとって、安全運転を心がけましょう。
 

出典

一般財団法人省エネルギーセンター エコドライブ技術案内-燃料消費の少ない運転操作
総務省統計局 道路の交通に関する統計 交通事故の発生状況 令和4年中の交通事故の発生状況
e-Gov法令検索 道路交通法
警視庁 高速道路を利用する皆様へ
 
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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