更新日: 2023.06.28 その他暮らし

高額報酬にまどわされないで! 絶対にやってはいけない闇バイトの実態とは?

高額報酬にまどわされないで! 絶対にやってはいけない闇バイトの実態とは?
「専業主婦でもひと月数回の仕事で20万円稼げる!」「学生大募集! 高額歩合制でスキマ時間に稼ごう!」など、“楽に高額収入が得られる”と見て取れるDMなどを受け取ったことはありますか?
 
SMSなどでもさまざまな誘い文句でアルバイト募集をうたう告知があります。しかし、それらは絶対に手を染めてはいけない闇バイトの可能性もあります。実際の手口とトラブル防止のポイントを見ていきましょう。
岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

怪しい副業・アルバイトのトラブル2種類3事例

国民生活センターに寄せられた10~20歳代の若者からの相談では、次のような事例が報告されています(※)。
 

■手数料を払わされるもの

<事例1>チャット相談にのるだけのアルバイト

相談報酬以外に20万円をもらえるとして、副業サイト登録で有料の手続きが必要になり、合計8万円弱をクレジットカードやプリペイド型電子マネーで支払った。しかし、手続きがうまくいかなかったとしてさらに7万円請求され、だまされたと認識する。
 

<事例2>「レンタル彼氏」

初期費用と月額サイト利用料約5万円弱をクレジットカードで支払う。依頼を受けてバイトをしたが、バイト代は未払いのまま、2年契約なので中途解約はできないと言われ、仕方なく月額サイト利用料だけを支払い続ける。
 

■荷受代行・荷物転送など荷物にかかわるもの

<事例3>

荷物の受取代行のアルバイトと聞き、身分証明書や住民票などを送り、携帯電話やサプリメント、家電などが送られてきたら指定住所へ転送するように指示され、指示に従い6万円を受け取った。その後携帯電話会社3社から請求書が届き、スマートフォン6台を購入したことになっていた。その後、担当者には連絡が取れない。
 

トラブルに巻き込まれないポイント1 「手数料」「登録料」に注意!

上記の事例1~2で見られるように、怪しい副業やアルバイトは、「報酬を得るために必要」などの理由で、登録料やサイト利用料等さまざまな名目でお金を払わされる特徴があります。
 
しかし、そもそも報酬を得る目的でアルバイトをするのに、なぜ働く前から自らお金を払わなければいけないのかという疑問があります。それも度重なると多額になる恐れもあります。
 
高額の報酬が得られるから支払ってもすぐに回収できる、などと言われて話にのってはいけません。「手数料」「登録料」「サイト利用料」などが多額である、あるいは繰り返し請求をされるようであれば、トラブルにつながる可能性がありますので深入りせずに撤退しましょう。
 

トラブルに巻き込まれないポイント2 「荷受代行」「荷物転送」は絶対にしない

「荷受代行」「荷物転送」のアルバイトというのは単なる名目にすぎず、真の目的はアルバイトに応募してきた人の名義で不正に携帯電話を購入することが目的であることがあります。こうした携帯電話は特殊詐欺などの犯罪に使用される可能性があります。
 
もし、犯罪グループにこうした携帯電話が使用されると、あなたも犯罪の片棒を担がされてしまうかもしれません。
 
また、たとえ携帯電話の通話料金を支払う必要はないと説明されていたとしても、携帯電話の名義人になっていると、通話料金を請求される可能性もあります。
 
料金が払えずにいると、今後携帯電話会社と契約ができなくなったり、携帯電話が分割払いで購入されていると、信用情報機関に事故情報として登録されて、今後クレジットカードが作れなくなったりローンが組めなくなったりする恐れがあります。
 
表向きはどんな勧誘文句であっても、「荷受代行」「荷物転送」は絶対にしないように気を付けましょう。
 

個人情報の提示や送信は慎重に!

今や運転免許証や健康保険証などの身分証明書などのコピーは、スマートフォンで撮影して簡単に送付できるようになりました。しかし、気軽に送付できるからといって、身分証明書は決して気軽に送信してよい内容ではありません。
 
こうした個人情報を取り扱う相手によっては、恐ろしい犯罪に巻き込まれることもあり得るのです。
 
身分証明書や銀行口座などの個人情報を他人に提示や送付する際には、本当に信用できる相手なのかを見極めて、どんな目的で使用するのか、必要なくなった際にはきちんとした手段で廃棄をしてくれるのか、などを詳しく確認して用心する習慣が必要でしょう。
 

まとめ

「楽に高額収入が得られる」ような仕事があれば、世の中の人は皆が億万長者になっているでしょう。一般的にはそのような仕事はありませんので、普通の人は地道に頑張って働いています。
 
まず、誰でもできる仕事なのに高額収入をもらえるとすれば、それは「一般的な仕事」ではなく、「危ない仕事・怪しい仕事」なのではと疑ってみることも大切でしょう。
 
また「うまい話には裏がある」ともいわれます。犯罪に加担するようなリスクがあるから高額収入をもらえるのかもしれません。アルバイトであっても、仕事を選ぶ際には下記を慎重にチェックしてみましょう。
 

・雇い主はどんな会社(組織)なのか
・自分はその会社でどんな役割を果たすのか
・仕事の内容と収入が見合っているか

 
怪しい仕事は、一度引き受けてしまうとなかなか辞めにくい場合もあるようです。できれば、最初から関わらないことが重要でしょう。
 

出典

(※)国民生活センター 【若者向け注意喚起シリーズ<No.5>】怪しい副業・アルバイトのトラブル −簡単に稼げて高収入?!うまい話には裏がある…−
 
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士

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