議員宿舎の家賃は赤坂で「13.5万円」!? 相場と比べてどれだけ安い?「青山・清水谷・麹町」の家賃も検証
配信日: 2023.09.12 更新日: 2023.09.14
宿舎は国会議事堂周辺のいわゆる都心の一等地に立地しており、通常なら高額の家賃が想像されますが、国会議員は一体いくらで議員宿舎を利用しているのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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議員宿舎の家賃はいくら?
議員宿舎の所在地は、赤坂、青山、清水谷、麹町の4カ所です。赤坂と青山は衆議院が、清水谷と麹町は参議院がそれぞれ所有しています。議員宿舎の家賃は国家公務員宿舎法に準じて決められ、建築から5年ごとに使用料を見直す規定が設けられています。一般的な賃貸住宅がそうであるように、議員宿舎も築年数に応じて家賃を改定する決まりになっているというわけです。
ただ、一般的な賃貸住宅の家賃相場と比較して、議員宿舎の家賃は相当に割安です。例えば、赤坂議員宿舎の月額賃料は2022年4月時点で12万4652円です。一方、赤坂宿舎の最寄り駅のひとつである赤坂駅周辺の家賃相場は1R~1Kで13万5000円となっています。
ただし、赤坂宿舎の間取りは3LDKです。2007年に建築が完了していて比較的新しく、同じ条件で赤坂駅周辺の家賃相場を探すとなると見つけることすら困難です。
赤坂駅周辺の数少ない3LDK物件の家賃は、場合によっては100万円を超えることも珍しくありません。つまり、赤坂宿舎の家賃12万4652円という金額は、同じ条件の住居と比べて破格の安さだということができます。
赤坂以外の議員宿舎は?
赤坂以外の議員宿舎も、同条件の一般的な住宅と比べて家賃相場はかなり安いです。
青山宿舎は1961年に作られた宿舎で、築年数がかなりたってはいますが、2DKの間取りで月額賃料は2万1638円(2021年8月時点)です。青山宿舎の最寄り駅である乃木坂駅の家賃相場は、1DK~2DKの間取りで25万7700円となっています。築年数が古い物件を見ても、安くて7~8万円であるため、やはり青山宿舎の家賃も破格の金額だといえます。
参議院議員宿舎の清水谷宿舎は、議員宿舎の中で最も新しく、2020年に完成した宿舎です。その分、月額賃料も他の議員宿舎に比べて高く、3LDKの間取りタイプで15万8006円(2020年2月時点)、1LDKの間取りタイプだと10万9239円(2020年2月時点)となっています。議員宿舎の中では高い家賃ですが、他の宿舎と同様に同地域の一般的な賃貸住宅と比べると非常に安い家賃です。
麹町宿舎は間取りが3種類あり、それぞれ2019年3月時点で2DKが4万5174円、3DKタイプで8万6955円、そして2LDKが9万2210円です。1997年完成の麹町宿舎は、築25年を迎えたことを契機にさらに値下げされることが決まっています。いずれの間取りでも10万円を切る家賃となっているため、同じ地域の家賃相場と比較して5分の1程度の使用料で住むことができる計算です。
議員宿舎は国会議員に必要だが、格安すぎるのも問題?
国会議員はいつ何時でも国のことを考えて生活しなければなりません。特に大臣や政務官など、重い責任を伴う議員は24時間即応の態勢が求められます。議員宿舎は、そうした緊急事態が発生した場合にすぐさま対応できるように提供される住居であり、格安で提供される意義もそこにあります。
ただ、周辺の家賃相場とあまりに乖離(かいり)した使用料は、しばしば問題としてマスコミなどにも取り上げられており、場合によってはより現実に即した家賃への改定も必要なのかもしれません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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