更新日: 2023.10.05 子育て
児童手当は手続きが必要!? いつまでに、どこに申請すればいいの? 所得制限は?
また、手続きの結果、所得制限に該当すると児童手当を受給できないケースもあるため注意しましょう。本記事では、児童手当の受給に必要な手続きの種類や方法と、児童手当の所得制限について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
児童手当の受給申請の方法
児童手当を受給するには、申請手続きが必要です。必ず申請が必要なのは、子どもが生まれたとき、転居などで別の自治体に転入したときの2つのケースです。また、毎年継続して受給するために、支給年度が替わるごとに現況届の提出を求められる場合もあります。
それぞれどのような手続きをしなければならないのか、以下で簡潔に説明します。
子どもが生まれたとき・転居で自治体が変わったときの手続き
子どもが生まれたときやほかの市区町村から転入したときは「認定請求」の手続きが必要です。住所地の市区町村(公務員は勤務先)に認定請求書に以下の書類を添えて提出しましょう。請求書の内容に基づいて認定が行われ、原則として翌月分から手当が支給されます。
●健康保険被保険者証の写しなど
●申請者・申請者の配偶者のマイナンバー
●前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書(当年1月1日時点で今の市区町村に住民票がない人)
また、出生や転入が月末に近く申請が月をまたいだ場合は、出生・転入の翌日から15日以内であれば申請月分から支給を受けられます。
児童手当の継続受給の手続き(現況届の提出)
同じ自治体で継続して児童手当を受給するには、年度の変わり目(毎年6月分の支給前)ごとの現況届の提出が必要でした。しかし、令和4年6月分以降は提出が不要となったため、現在は原則として自動的に手当の支給が継続されます。
ただし、次に該当する人は現況届の提出が必要です。
●住民基本台帳で住所が把握できない法人の未成年後見人
●離婚協議中で配偶者と別居している人
●配偶者のDVなどの理由で住民票の住所地以外で受給している人
●支給対象の子の戸籍がない人
●施設等受給者
●市区町村から提出が必要と判断された人
現況届の提出を怠ると、その年6月分以降の児童手当が受給できなくなるため注意しましょう。
児童手当の所得制限とは?
児童手当には「所得制限限度額」「所得上限限度額」の2つの所得制限があります。
●所得制限限度額:児童手当を満額受給できる所得の限度額
●所得上限限度額:児童手当(法律の附則に基づく特例給付)を受給できる限度額
所得額が所得制限限度額以上、所得上限限度額未満の場合には、法律の附則に基づく特例給付として児童1人あたり一律5000円が支給されます。所得額が所得上限限度額以上になると、支給額は0になる仕組みです。
所得制限限度額・所得上限限度額の具体例
所得制限限度額・所得上限限度額の具体例は図表1のとおりです。扶養親族等の数に応じて限度額は増減します。
【図表1】
扶養親族等の数 (対象児童を含む) |
所得制限限度額 (収入額の目安) |
所得上限限度額 (収入額の目安) |
---|---|---|
0人(前年末に児童が生まれていない場合) | 622万円 (833万3000円) |
858万円 (1071万円) |
1人 (児童1人の場合) |
660万円 (875万6000万円) |
896万円 (1124万円) |
2人 (児童1人+年収103万円以下の配偶者の場合) |
698万円 (917万8000円) |
934万円 (1162万円) |
3人 (児童2人+年収103万円以下の配偶者の場合) |
736万円 (960万円) |
972万円 (1200万円) |
4人 (児童3人+年収103万円以下の配偶者の場合) |
774万円 (1002万円) |
1010万円 (1238万円) |
5人 (児童4人+年収103万円以下の配偶者の場合) |
812万円 (1040万円) |
1048万円 (1276万円) |
内閣府「児童手当のご案内」より筆者作成
児童手当の所得制限撤廃の動きも
2023年10月現在、こども家庭庁が少子化対策「加速化プラン」において、若い世代の所得を増やす取り組みの一環として、児童手当の所得制限撤廃を掲げています。2024年10月に予定どおり撤廃が実施されれば、収入にかかわらずどの家庭でも児童手当を満額受給できるようになります。
児童手当の受給には手続きが必要! 忘れず申請しよう
児童手当を受給するには、出生時や移転先の自治体へ転入時の申請(認定請求)が必要です。申請が遅れると、児童手当の支給開始時期が遅れるため忘れずに手続きしましょう。
また、毎年6月分の支給前には、現況届の提出を求められる場合もあります。市区町村から現況届の案内があった場合は、期限を確認して速やかに届出書を提出しましょう。
出典
内閣府 児童手当制度のご案内
札幌市子ども未来局 児童手当・児童扶養手当の手続きにおけるマイナンバーの取扱い
こども家庭庁 こども未来戦略方針(リーフレット等)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー