推しのポスターを買ったので、賃貸の壁に画びょうで貼り付けました。小さな穴なら、退去時にお金は取られませんよね?
配信日: 2023.10.26
本記事では、賃貸の壁に画びょうで穴をあけた場合の修繕費について解説しながら、画びょうの穴以外の壁の修繕費についても紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
いくら取られるの? 賃貸の壁に画びょうの穴がある場合
結論からいうと、壁に画びょうであけた穴があったとしても、退去時にお金を取られることはないでしょう。通常使用の範囲内と考えられるものは、修繕費は賃貸人(大家や不動産会社)が負担することになります。これは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に明記されている内容です。
ただし、これはあくまでも通常使用の範囲と認められた場合です。そのため、同じ場所に画びょうを何度も刺し直して穴を大きくしたり、フック付きの画びょうに重いものをつるして穴を広げたりした場合は、通常使用と認められない場合があるので注意しましょう。
なお、テレビや冷蔵庫などの電気ヤケや、日光による壁紙の変色なども通常使用によるダメージとなり、退去時にお金を取られることはありません。
また、たとえ通常使用の範囲を超える場合であっても、入居時に支払った敷金の範囲内なら、新たにお金を取られることはないので安心です。しかし、入居時に敷金がない物件の場合は修繕費を請求されます。
気をつけたい! 通常使用の範囲を超える場合の壁の修繕費用
通常使用の範囲を超える壁の傷や変色には、「結露によるカビ」「タバコのヤニ汚れや焦げ跡」「ペットによる傷やニオイ」などがあります。このケースの場合は、壁紙の張り替えが必要になることが多く、修繕費用として3~10万円ほど必要です。修繕費用の価格差は、部屋の広さによります。たとえば、6畳部屋の張り替えの場合は4~5万円ほどです。
気をつけたいのは、ペットによる傷やニオイの場合でしょう。というのも、ペットの場合、傷が柱にまで及んでいることが多いからです。傷の程度や本数にもよりますが、柱の修繕にかかる費用はおおよそ2~6万円です。壁紙に染み付いたニオイは、脱臭・除菌クリーニングが必要となり、1部屋で3万円程度かかります。
画びょうの穴の修繕方法とは? 気になる場合はこうしよう
いくら修繕費が取られないとしても、どうしても画びょうの穴が気になる場合もあるでしょう。そんなときのために、いくつかの簡単な修繕方法を紹介します。
白系の壁紙の場合には、「ティッシュペーパーと木工用接着剤を使う方法」「修正テープを使う方法」「穴埋めパテを使う方法」などが有効です。画びょうの穴に木工用接着剤を少しだけ塗ります。そこに、ティッシュペーパーを小さくちぎり、つまようじでやさしく穴に押し込めば完了です。あまり強く押し込むと穴が広がる危険があるので注意しましょう。
補修テープを使う場合は、穴の上に貼り付けて指でなじませるだけで完了します。ポイントは、壁紙の色に近い修正テープを使うことです。穴埋めパテを使う場合は、穴にパテを注入してヘラや厚紙でパテを押し込んでください。乾いて固まれば完了です。もしも壁紙よりもはみ出て固まった場合は、紙やすりなどでやさしく削りましょう。
白系以外の壁紙なら、ベージュやアイボリーにも対応している色付きの補修材を使います。使い方は、パテの場合と同じです。なお、パテや補修材は、ホームセンターやネット通販で手に入れられます。
常識の範囲内を心がけ、安心して退去しよう
壁紙の穴や傷は、通常使用の範囲なら借りる側(がわ)に修繕費を支払う義務はありません。そのため、画びょうの穴にお金は取られないので大丈夫です。
しかし、穴の程度によっては、判断が微妙になることもあり、トラブルの原因になりかねません。そうならないためにも、画びょうを使わずにポスターを貼る工夫をするなど、常識の範囲内の使用を心がけて安心して退去できるようにしましょう。
出典
国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)(P25・賃貸人・賃借人の修繕費分担表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー