更新日: 2023.11.06 その他暮らし
電気代を節約するには「蓄電池」がおすすめって本当?補助金制度を活用すればお得に導入できる?
導入コストが懸念されていた太陽光発電システムや蓄電池ですが、助成金制度を活用することで費用を大幅におさえることが可能です。
そこで今回は、蓄電池の導入で受けられる助成金制度をご紹介します。さらに蓄電池を導入することで、どれほどの節約につながるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」による助成金制度
東京都では、「家庭における蓄電池導入促進事業」の実施にともない、蓄電池システムの導入の際に利用できる助成金制度があります。上記事業は、家庭での太陽光発電による電気の自家消費を増やし、非常時におけるエネルギー(電気)を自分たちでまかなうことを目的としています。
助成金制度の対象者は、以下に該当する方です。
●所有する対象機器を都内の住宅に設置する場合
●所有する対象機器を東京都内の住宅所有者に貸与して設置する場合
(対象機器を貸与され使用している者と共同で助成金の申請を行う場合に限る)
●その他マンション管理組合の管理者および管理組合法人、住宅供給事業者
なお、国および地方公共団体は、助成金交付の対象とはなりません。ほかにも制度を利用するにあたり、対象機器(蓄電池)の条件が定められているため、くわしくは 「東京都地球温暖化防止活動推進センター クール・ネット東京」 の公式サイトを確認してください。
助成金の交付額は、表1の通りです。
【表1】
条件 | 助成上限額 |
---|---|
・太陽光(4キロワット以上)と蓄電池をあわせて設置する場合 | 以下のうちいずれか小さい額(最大1500万円) ・蓄電容量(6.34キロワットアワー以上):15万円/キロワットアワー(100キロワットアワー未満) ・蓄電容量(6.34キロワットアワー未満):19万円/キロワットアワー(最大95万円) ・太陽光発電システムの発電出力:30万円/キロワット ・助成対象経費×3/4の額 |
・太陽光(4キロワット未満)と蓄電池をあわせて設置する場合 ・もしくは蓄電池のみを設置する場合 |
以下のうちいずれか小さい額 ・蓄電容量(6.34キロワットアワー以上):15万円/キロワットアワー(最大120万円) ・蓄電容量(6.34キロワットアワー未満):19万円/キロワットアワー(最大95万円) ・助成対象経費×3/4の額 |
東京都地球温暖化防止活動推進センター クール・ネット東京 「令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」 をもとに筆者作成
助成金の交付は令和11年度までとされており、申請受付(交付申請兼実績報告)は令和10年3月31日までです。予算額(約496億円)を超過しての申請があった場合には、超過日をもって受け付けが終了してしまうため、蓄電池の導入を検討している方は早めに申請しましょう。
蓄電池を導入するとどのくらいお得なのか
蓄電池で電気をためて使用することで、どれくらいの電気代がお得になるのかをみてみましょう。
電気代を安くおさえるには、夜の電気代がお得になるプランを契約して、夜の間に電気をためることがおすすめです。昼間は電気代が高くなる傾向にあるため、日中の電気の使用が少なくなればその分、節約につながります。
1日の電力使用量を15キロワットアワー(昼間:11キロワットアワー、夜間:4キロワットアワー)と仮定して、蓄電池導入前後の電気代を計算してみます。
表2
1日当たりの電気代(基本料金を除く) | |
---|---|
導入前 | 約598円 |
導入後 | 約532円 |
電気プラン:昼間42.80円/キロワットアワー、夜間31.84円/キロワットアワーで計算
6キロワットアワーの電気がためられる蓄電池を使用した場合
蓄電池を導入することで、昼間に使う分の6キロワットアワーを夜間にためられるため、昼間の消費電力が5キロワットアワー、夜間が10キロワットアワーとなります。
蓄電池導入前後で、1日あたりの電気代の差額は約66円、かつ1ヶ月で約1980円もの節約につながります。さらに太陽光発電システムと併用することで、夜間に蓄電池を充電する必要がなくなるため、より電気代をおさえられるでしょう。
蓄電池は助成金制度を活用してお得に導入
蓄電池を導入し、夜間に充電すれば、電気代がお得になります。昼間に使う電気を減らして電気代を安くおさえることが可能です。
これまでは蓄電池導入には、コストがかかることが難点でした。しかし、東京都で実施している助成金制度を活用することで、導入コストを大幅におさえられます。
太陽光発電を併用することで、さらなる電気代節約が期待できるため、導入を検討してみましょう。
出典
東京都地球温暖化防止活動推進センター クール・ネット東京 家庭における蓄電池導入促進事業実施要綱
東京都 地球温暖化防止活動推進センター クール・ネット東京 令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光 住宅普及拡大事業
東京都 クール・ネット東京 家庭における蓄電池導入促進事業助成金申請の手引き
東京電力ホールディングス 東京電力エナジーパートナー 夜トクプラン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー