更新日: 2023.11.15 その他暮らし
錆びた「10円玉」をキレイにしたい! でも磨くと「違法」になる場合もあるって本当? 理由を解説
今回は、この法律を参考にしながら、さびた10円玉をキレイに磨く行為に違法性があるのかについて考えてみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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貨幣損傷等取締法を確認しよう
日本には、「貨幣損傷等取締法」があります。貨幣とは、10円玉や100円玉などの硬貨全般を指しており、貨幣損傷等取締法は日本の硬貨を保護するための法律といえます。
貨幣損傷等取締法には、「貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない」とあります。「鋳(い)つぶす」とは、金属を溶かして別の形にすることを指す表現です。つまり、この法律では硬貨に傷をつけたり溶かしたりする行為を禁止しています。
また、同法律には「貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない」との記載がある点も押さえておかなければいけません。
これらに違反した場合には、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されます。硬貨の金額などには言及していないので、10円玉は金額としての価値が低いから罪が軽くなるということはありません。
キレイにするだけなら違法になる可能性は低い
問題は、さびた10円玉をキレイにする目的で磨くと、貨幣損傷等取締法違反となるのかについてです。同法律は、傷をつけたり鋳つぶしたりして、あらかじめ定められた価値以上のものへと変造することを禁止する目的があるとみられます。
そのため、キレイにしたいという目的でさびた10円玉を磨くだけでは、違法にならない可能性が高いでしょう。研磨してさびを取り除くだけであれば、10円玉としての価値が特に変わることはないためです。
ただし、磨きすぎには注意しなければいけません。磨く行為は溶かす行為と異なり、10円玉の形そのものを変えてしまう可能性は低いといえます。それでも、表面の数字や文字、絵柄が薄れたり消えたりするほどに磨くと、損傷や変造と捉えられかねません。
特に、縁の部分を硬いヤスリなどで磨くと、10円玉の形が変わってしまう可能性があります。そこまで手を加えると「キレイにしたい」という目的を逸脱してしまうため、違法となるリスクも高まるでしょう。
キレイにする目的を整理してから実行しよう
10円玉を磨く前に、なぜキレイにしたいのかについて整理しておきましょう。
さびの状態がひどく、通常の買い物などでの使用が困難な場合には、日本銀行の本支店でキレイな10円玉と交換してもらえます。使用目的でキレイにしたいのであれば、磨くよりも交換してもらった方が確実かつ安心です。
自分にとって記念となるような10円玉の場合には、さびを取り除く程度の軽い研磨にとどめておけば問題ないでしょう。使用するつもりがなかったとしても、違法とならないよう、形状を変えたり文字や数字などの凹凸を削ったりしないように注意が必要です。
形状や絵柄が変化するほどの研磨には要注意
日本には硬貨の変造を防ぐために、貨幣損傷等取締法が設けられています。しかし、さびた10円玉をキレイにする目的で磨くだけであれば、この法律には反するわけではなく、違法性は低いといえるでしょう。ただ、形状や絵柄が変わってしまうほどの研磨は違法性が高まります。
使用目的であれば、日本銀行の本支店で交換してもらいましょう。大切に保管したい場合でも、磨きすぎには要注意です。程度に配慮しながらさびを取り除く必要があります。
出典
e-Gov法令検索 貨幣損傷等取締法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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