同棲中の彼女が「歯磨き中は水を止めて」と毎回うるさいです。正直、水道代ってそこまで変わりませんよね?
配信日: 2023.11.17 更新日: 2023.11.21
本記事では、歯磨き中に水を流しっぱなしにした場合の水道代を試算します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
歯磨きの回数と時間の平均は?
歯磨き中に水を流しっぱなしにした場合の水道代を算出するために、まずは一般的な歯磨きの回数と時間を確認しましょう。
厚生労働省が実施した「令和4年歯科疾患実態調査」によると、歯磨きの平均回数として「1日に2回」が50.8%と最も多くなっています。
また国民アンケート調査 DDL(デンタルデータライブラリ)の調査結果によると、1回にかける歯磨き時間は「1~3分以内」が51%と最も多く、次いで「3~5分以内」が30%を占めています。本記事では「1~3分」の間を取って、2分で試算します。
水を流したまま歯磨きすると、年間4198円の損
では水を流しっぱなしにすると、どのくらいの水道代がかかるのでしょうか。
1回2分の歯磨きを1日に2回行うと仮定すると、1日に4分間歯磨きをすることになります。
東京水道局によると、歯磨きで30秒間水を出しっぱなしにした際、約6リットルの水を使用することになるので、4分間ずっと水を流しっぱなしにすると、約48リットルの水を使うことになります。1リットルあたりの単価を0.24円(下水料金及び消費税込)とした場合、1日あたり48リットル×0.24円=約11.5円の水道代となります。
「1日10円程度なら大したことないな」と思うかもしれませんが、年間にすると約4198円と結構な額になります。
水を流しっぱなしにする人の意識は?
そもそもこんな計算しなくても、水を流しっぱなしにすることで、水道代が無駄になるのは明らかです。なぜ流しっぱなしにする人は平気なのでしょうか?
ミツカン水の文化センターが行った「水にかかわる生活意識調査」によると、「水を出しっぱなしにすることに罪悪感があるか?」との質問に、約7割の人が「罪悪感がある」と回答しています。次いで「どちらともいえない」が約2割、「罪悪感はない」が約1割となっています。
水の流しっぱなしに罪悪感を覚えず平気に思っている人も一定数いることがわかりますね。
また同調査では「水道水について不満を感じることは?」という質問があり、「不満がない」が5割弱、不満のトップである「水道料金が高い」としている人は3割弱にとどまっています。加えて水道代、電気代、ガス代、通信料金の中で、「値上げしたとしても許容できる」ものとして水道代が1位になっています。
このことから、水道代は他のライフラインと比べると「そこまでお金がかからないもの」と認識されている傾向にあると推測されます。つい流しっぱなしにしてしまうのは、この認識によるものなのかもしれません。
流しっぱなしを控えて無理のない節約を
今回は歯磨き中の水道代について紹介しましたが、ほかに洗顔や手洗い、食器洗い、シャワー中にも水を流しっぱなしにしている人もいることでしょう。
水は大切な資源であり、使用した分だけお金がかかります。普段何気なく水を使っているかもしれませんが、少し行動を変えるだけで年間数千円の節約につながります。家族の人数が増えるほどその効果も大きくなります。流しっぱなしをやめて、無理のない範囲内で水道代の節約に取り組んでみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 令和4年歯科疾患実態調査結果の概要
国民アンケート調査 DDL(デンタルデータライブラリ) 第55回国民アンケート調査報告「患者さんの歯みがきに関する行動」
ミツカン水の文化センター 水にかかわる生活意識調査 2023年 第29回調査
※2023/11/21 記事を一部修正いたしました。
執筆者:山田麻耶
FP2級