更新日: 2023.11.20 その他暮らし

高齢の親に最近話題の「送り付け商法」と思われる商品が届いたそうです。どのように対処すればいいのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

高齢の親に最近話題の「送り付け商法」と思われる商品が届いたそうです。どのように対処すればいいのでしょうか?
「注文していないのに、カニが届いた」「海外から勝手に荷物が届いた」「身に覚えのない商品が代金引換で届いた」など、購入していない商品を送り付けて代金の請求してくる手口を「送り付け商法(ネガティブ・オプション)」といいます。
 
令和3年7月6日より法律が改正され、一方的に送られてきた商品は即処分できるようになりました。本記事では、「送り付け商法」に遭った場合の対処法について解説します。
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注文や契約していない商品を一方的に送り付けられた場合はすぐに処分できる!

令和3年の特定商取引法改正によって(特定商取引法第59条及び第59条の2)、注文や契約していない商品を、金銭を得る目的で一方的に送り付けられた場合は、消費者が直ちに処分できるようになりました。改正前は、商品の送付から14日が経過しなければ商品を処分できなかったので、消費者にとって心強い改正となりました。
 
身に覚えのない商品は受け取らないことが第一ですが、たとえ受け取ってしまったとしても売買契約は成立していないので代金を支払う必要はありません。
 
また、商品を開封や処分したことにより、事業者から代金を請求されたとしても代金を支払う義務はなく、支払ってしまったときも事業者側に金銭の返還請求が可能です。特定商取引法の規定は、海外から送られてきた商品に対しても適用されます。
 
心配なときは、消費者ホットラインに相談しましょう。最寄りの消費生活センターの案内をしてくれる全国共通の電話番号です。警察相談専用電話での相談も可能です。
 

法改正後も相談件数は増えている

(独)国民生活センターは、法改正後も送り付け商法や電話勧誘販売のトラブルは増加傾向にあると注意を呼びかけています。
 
新型コロナウイルスの感染拡大後は、その不安につけこんで健康食品や高額のマスク、消毒液、未承認の医薬品などを送り付けるトラブルが相次ぎました。産地困窮のため安値でいいから買ってくれと、電話勧誘で泣きつかれたといった事例も多々寄せられています。特にカニや数の子、ホタテなどの海産物は、購入が増える年末にかけて電話勧誘や送り付けが増えるので注意してください。
 
送り付け商法の被害者は、ほとんどが高齢者や相談相手のいない1人暮らしの人です。まずは日頃から連絡をとりあい、突然品物が届いたら家族に確かめること、相談することを周知徹底してください。また、代引配達では「家族が注文したものかも」と思ってもすぐに支払わないことです。後で代金の返還請求ができるとはいえ、事業者に連絡がとれなくなり泣き寝入りになるパターンも多いからです。
 
送り付け商法は詐欺罪に該当しなければ、特定商取引法上の罰則はありません。「不要なものはきっぱり断る」「注文していないものは受け取らない・支払わない」を徹底しましょう。
 

相談先を知っておこう

悪徳商法にはさまざまな種類があり、送り付け商法もそのひとつです。新型コロナウイルスの事例にもあるように、事件や事故・災害などが起こったときに、それらの不安に便乗する形で悪徳商法が頻発します。
 
相談先を作っておくこと、もしものときの緊急相談先をスマホに登録しておくなど、常日頃からできる備えをしておくと不測の事態にも慌てず冷静に対処できます。
 

出典

警視庁 ネガティブ・オプション(送り付け商法)
消費者庁 身に覚えのない自分宛ての商品が届いたあなた その商品、直ちに処分できます! 支払も不要です!
独立行政法人国民生活センター 海産物の電話勧誘販売・送り付けトラブルがさらに増えています-年末にかけて特に注意してください!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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