更新日: 2023.11.22 子育て

子育て政策、無償化にはどんな制度がある? 2024年以降分もまとめて解説

執筆者 : 前田菜緒

子育て政策、無償化にはどんな制度がある? 2024年以降分もまとめて解説
ここ数年、子育て世帯への支援が拡大し「無償化」という言葉を聞くことは珍しくなくなりました。
 
そこで、子育て世帯への無償化支援について2023年~2024年以降の情報をお伝えします。
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

0~2歳児の保育料無償化

現在、国の制度においては、幼児教育・保育の無償化として、幼稚園、保育園、認定こども園等を利用する3~5歳の子どもの利用料金が無料になっています。0~2歳児については、上の子が保育園児の場合は、第2子は半額、第3子以降は無料、住民税非課税世帯の場合は無料となっています。
 
しかし、2023年4月からは福岡市で、2023年10月より東京都、市川市などで第2子の保育料を上の子の年齢にかかわらず無料としています。また、大阪市では2024年9月から第2子無償化の予定です。その他の自治体でも第2子の保育園利用料無料の動きが広がっています。
 

小中学校給食費の無償化

小中学校で広まっている無償化は給食費です。国は、学校給食費無償化に向けて検討している状況ですが、国の対応を待たず、多くの自治体では給食費を無償化しています。2022年には金沢市、浜松市や青森市、備前市、2023年には港区や葛飾区、市川市などで実施されています。
 
多くの場合、公立小中学校が対象ですが、坂戸市では、2023年度より私立学校に在学している場合でも、給食費相当額を補助したり、桐生市では私立学校に通う第3子以降に給食費相当額を補助予定だったり、私立学校に通う世帯にも補助する自治体もあります。
 
その他、備前市においては、ドリルなど学用品費も無償化されています。
 

高校の授業料無償化

現在、高校の授業料は一定要件にあてはまれば、授業料が無償化されます。私立高校、公立高校とも無償化が実施されていますが、国の所得制限基準は、世帯年収590万円までなら支援金額は39万6000円まで、世帯年収910万円までなら11万8800円までとなっています。いずれも授業料がこの金額より低ければ、支援額は授業料までです。
 
ただし、各都道府県では、国の支援額に上乗せして支援を行っています。たとえば、大阪府では、世帯年収590万円までの世帯においては、大阪府の補助と合わせて授業料が60万円まで補助され、年収800万円までなら39万6000円と国の基準より手厚い支援を行っています。
 
しかし、2024年度からはこの内容をさらにパワーアップさせ、公立、私立とも3年生の授業料から段階的に無償化支援を拡大させ、2026年度には授業料を所得制限なしで全額無償化すると発表しています。
 

大学授業料等無償化

大学授業料などへの支援については、現在、入学金と授業料の減免と給付型奨学金がセットになったいわゆる大学無償化制度が実施されています。対象となる所得制限目安は世帯年収380万円までです。2024年度からは、これに加え年収600万円までの世帯が加わります。
 
年収600万円までの世帯の大学生で理系学部に在学する場合は文系との差額、扶養する子どもが3人以上の場合は、全額支援の金額の4分の1を支援することが予定されています。なお、「扶養する子」とは「大学等に在籍する学生の世帯に、学生本人含め扶養される子が3人以上いること」とされています。
 
そのほか、大阪府、東京都、兵庫県においては公立大学の授業料等無償化が予定されています。
 
大阪府の無償化対象大学は、大阪公立大学、大阪府立大学、大阪市立大学および大阪公立大学工業高等専門学校で、対象者は府民、2024年から大学4年生や大学院2年生等を対象に授業料と入学金無償化を段階的に実施し、その後、対象を拡大し2026年度に全学年無償化となる予定です。所得制限は撤廃されますが、成績要件は存在します。
 
東京都の無償化対象大学は、東京都立大学、東京都立産業技術大学院大学および東京都立産業技術高等専門学校(本科4、5年生および専攻科生)です。2024年度から新入生と在学生に対して授業料無償化が実施されますが、所得要件があり、世帯年収の目安は910万円未満となっています。
 
ただし、23歳未満の扶養する子が3人以上の場合、年収目安910万円以上でも半額免除となります。なお、生計維持者(原則父母)が都民である必要があります。
 
兵庫県の無償化対象大学は、兵庫県立大学、芸術文化観光専門職大学で、県内在住者の入学金と授業料を学部、大学院ともに所得にかかわらず無償化される予定です。2024年から大学4年生や大学院2年生等を対象に段階的に実施し、その後、対象を拡大し2026年度に全学年無償化となる予定です。
 

まとめ

無償化の最近の動きについてお伝えしました。来年度以降始まる制度については、手続き方法などは、まだ発表されていないものもあります。
 
今後も新しい動きがあるかもしれませんから、自分に関係がありそうだという情報は随時確認していきましょう。
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

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