在宅勤務で電気代が「5500円」から「7050円」にアップ! どうすれば節約できる? 蛍光灯を「LED」に変えるべき?

配信日: 2023.12.03 更新日: 2023.12.04

この記事は約 4 分で読めます。
在宅勤務で電気代が「5500円」から「7050円」にアップ! どうすれば節約できる? 蛍光灯を「LED」に変えるべき?
総務省が行っている家計調査年報(家計収支編)によると、2015年から2021年までの単身世帯の電気代の平均は約5590円でした。しかし、在宅勤務になり、自宅で過ごす時間が増えることで電気代が約1550円も増えてしまう可能性があります。在宅勤務を続けていくためには、電気代を抑える対策を行う必要がありそうです。
 
本記事では、電気代を抑えるために取り組むべき方法について具体的に紹介します。
老田宗夫

執筆者:老田宗夫(おいだ むねお)

キャリアコンサルタント

在宅勤務で電気代が増える理由

仕事が在宅勤務になり一日中家にいるということは、電気代を中心に光熱費が大きく増えることは避けられません。代表的な2つの要因について説明しましょう。
 

一日中冷房を使用すれば電気代は約1550円も増加

2023年の夏は特に暑さが厳しく、東京では熱帯夜の年間日数が57日、真夏日・猛暑日(最高気温が30度を超えた日)も90日といずれも過去最高記録を更新しました。リモート勤務で日中に部屋で仕事をする場合には、冷房をかけ続けなければならず、電気代が跳ね上がってびっくりされた方も多かったのではないかと思います。
 
2023年8月は平日が23日あり、仮に1日11時間(勤務時間8時間に休憩時間や通勤時間を加えた時間とする)冷房を使用したとすると、冷房に使用された電気代は約1550円にもなります。
 
もちろんエアコンは夏場だけでなく、暖房として冬場にも必要ですので、冷暖房費は電気代増に大きな影響を与えます。
 

2023年10月からの電気代は実質値上げ

経済産業省が2023年1月から実施している「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、電気代と都市ガス料金の値引きが実施されています。2023年9月までの予定で運用されていましたが、延長されることとなりました。
 
しかし、主に家庭用として使用されている低圧契約において、7円/キロワットアワーだった値引き単価が、10月からは3.5円/キロワットアワーと半減されました。単身世帯の一ヶ月の電気使用量はおおよそ180キロワットですので、約630円の値上げとなります。
 
また、現時点での値引き延長期間は2024年4月までとされており、それ以降継続される保証はありません。廃止となればさらに約630円の値上げです。いずれにせよ、電気代の単価は上がることはあっても下がることは期待できないでしょう。
 

電気代を抑えるために

在宅勤務という生活スタイルの中で、電気代を抑えるための方法について具体的に見ていきましょう。
 

照明に関わる電気代の節約

電気代における照明の割合は、首都圏では13.8%で、金額に直すと約770円です。これはエアコン1台分の約2.4倍分に相当します。照明に関わる電気代を下げるためには、LED照明を使用するとよいでしょう。蛍光灯からLEDに変更すると消費電力量は1/3減りますので、年間換算で約3085円ほど電気代を抑えることができます。
 
また、仕事中は部屋中を照らすのではなく卓上照明を使うことで、電気代は1/9程度に抑えることができます。つまり、年間換算で約1500円ほど電気代を抑えられます。
 

カーテンの活用

日中は家にほとんどいないので、カーテンは使っていないという世帯もあるかもしれません。日中家にいるのであれば、なるべく太陽の光を取り入れて、照明は使わないようにした方が電力の消費を抑えることができます。
 
また、断熱・遮熱効果の高いカーテンを使用することで室内と室外の熱移動を防ぎ、室温を一定に保ちやすくして冷暖房の効率を良くします。大切なのは、カーテンの裾を床ギリギリまで下げることです。隙間をなくすことで空気の出入りをより効果的に防ぐことができます。
 

日当たりの良い部屋への引っ越しも検討を

首都圏など冬場に晴天が多い地域に住んでいるのであれば、思い切って冬場に日差しが部屋に差し込む南向きの部屋への引っ越しを検討してみるのもよいでしょう。例えば東京都ですが、2022年から2023年にかけての冬場の時期であっても、最高気温が10度を超えなかった日は24日しかありません。温暖化の影響で、40年前と比べると20日程度減っています。
 
つまり、日当たりの良い部屋であれば、冬場であっても10度を超えなかった24日間以外は、日中であれば暖房の使用を抑えることも可能です。仮に12月から2月末までの約90日間で日中の暖房を66日間つけなかったとすると、年間換算で約5000円近くの電気代を削減できます。
 
また、晴天で光が部屋に入ってくるのであれば照明も必要ありません。東京都の晴天日は平均すると210日前後ですので、日の入りを16時と仮定して8時間照明をつけなかったとすると、年間換算で蛍光灯使用の場合は約2400円、LED使用の場合は約1600円の電気代を抑えることができます。
 

年間の電気代を抑えるには

今回はエアコンと照明に焦点をあてて考察しましたが、在宅勤務になれば冷蔵庫を使用する機会も増えるでしょうし、お湯を沸かしてお茶を入れたりもするでしょう。光熱費はどうしても上がってしまいます。
 
一時的な措置ではなく、在宅勤務が今後も継続するのであれば、省エネ性能の高い家電に買い替えたり、二重窓にしたりするなどの投資をしても良いかもしれません。
 

出典

株式会社住環境計画研究所 平成25年度家庭における電力消費量実測調査
国土交通省 気象庁 東京(東京都)日平均気温の月平均値(℃)
経済産業省 資源エネルギー省 引き続き、電気・都市ガス料金の負担軽減を行います
 
執筆者:老田宗夫
キャリアコンサルタント

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集